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Ghost and Girl  作者: M.K
ステージ5
61/81

エピソード3:両チーム紹介

 その宣言で、横断幕を広げている二体がいそいそと幕を巻いて裏に引っ込んでいき、ふたたびドラムロールが鳴りだす。そしてバチが最後の音を叩くと、リラたちの反対側の彼女たちが入ってきたところと同じような高さでスポットライトが輝き、二体のオバケが出現した。青色のホッケーマスクを装備して。ラッパの叫び声が響きわたり大歓声が巻き起こる、その中をガッチリ装備に身を固めたオバケたちが胸を張り悠々と階段をおりていく。階下に着くと彼らの足場が姿を現し、その上に乗ったところで叫びと歓声は鳴りやんだ。


「おふたりに対戦していただく最初の相手はピンポンブラザーズです!」

「ピンポンブラザーズ?」

「はい。リラさんから見て左がピンで右がポンの双子の兄弟、エアホッケーひとすじ十五年の大ベテランです」

「ふ~ん、なら相当強いんだね」

「そらもう十五年ですから。一回戦目ホッケー対決は先に十点取ったほうが勝利になります。準備はよろしいですか?」


 リラとエリは目を合わせて、それから


「オッケー」

「うん」


 と返事をした。

 その返事にオバケはニッコリ笑ってどこかへ合図を送った。また会場から二体のオバケが出てきて一度上空の闇空に消え、大きな黒い板をワイヤーで吊り下げて戻ってきた。


「あのスクリーンに注目してください」オバケは二人に言った。


 しかし、言われるまでもなくリラとエリはスクリーンに目をやっていたので、オバケはそのまま進行を続けるためまた誰かに合図を送った。スクリーンがパッと明るくなり、どこからか変わった音が鳴り始めた。


「おお! いいじゃん!」その音楽を聞いてリラは急にテンションを上げた。

「この曲のこと?」

「そうそう。こういうのなんて言うんだったかな? 電子音っていったかな? 昔のゲームっぽくて」


 リラがそう言ったのとほぼ同時に横断幕と同じ内容のものが画面に映り、映ったかと思うとすぐに画面が切り替わり『一回戦目は……』と出て、その文字を突然出現したホッケーのパックが縦横無尽に暴れまわってかき消すと、バンという効果音とド派手な背景とともに『巨大ホッケー対決!!』が登場した。


「とうとう始まるね」リラは真剣な眼差しで言った。

「うん」それにエリがうなずいて答える。


 その時リラは「このまま始まらなければいいのに」とわずかながらに思った。二人の見上げる画面が変わり、でかでかとした『青コーナー』の文字が現れ、それから『その歴十五年! あまたの対戦者を屠ってきた大ベテラン! ピンポンブラザーズ!!』の紹介文とともに青いホッケーマスクを被ったオバケたちが映った。彼らは手を振った。観客がどっと沸いた。それが済み画面は『赤コーナー』の文字に変わる。


「あたしたちの番だね」リラがエリの耳元でささやく。

「そうだね。なんて紹介されるんだろ?」

「たのしみだね」


 はたして彼女たちの期待を上回ることができるのか。『赤コーナー』が消え、ふたりの紹介文が現れる。『今宵の挑戦者! ここまで数々の試練を乗り越えついに最終ステージへ、クリアなるか!? エリとリラことゴースト&ガール!!』

 その紹介文を見てリラは面を喰らってエリにグイっと顔を向けて言った。


「あれ聞かれてたってこと!?」

「そうなるね」


 そしてスクリーンに顔を見合わせるふたりが映った。それにエリが気づき、指差して言った。


「リラ、映ってる」

「あ、ほんとだ。カメラどこ?」


 スクリーンに映っている自分たちからおおよその見当をつけた位置に視線をやり、こちらを見つめる大きな透明な目を見つけた。


「あったあった」


 そういってリラが手を振ると、会場がピンポンブラザーズの時とおなじぐらいに盛り上がる。


「ほらエリも」

「わかった」


 すこし恥ずかしそうにエリも手を振る。さらに歓声が上がり、観客の興奮は比べ物にならないほど。


「にしても、あれがつつぬけだったとは」大盛り上がりのなか聞こえるようにすこし顔を寄せてリラは言った。

「ちょっと恥ずかしいかも」

「ね」


 二人がファンサービスを終えると周囲はもう祭りが終わったかのように静まり返り、案内役のオバケが近寄ってきた。


「ではゴーストとガール、どちらでもいいのでハンドルへ進んでください」

「どうする?」

「リラがいっていいよ」


 そうくると思っていたのでリラは考えていた案を出した。


「ならさ、一点ごとに交代しない? そういうってできる?」

「ぜんぜんいいですよ」とオバケ。

「ね? 取ったにしろ取られたにしろ一点で変わろ」

「うん」エリは嬉しそうにうなずいた。


 とそんな感じに決まったのでリラが先鋒としてハンドルを握り、相手方はピンが堂々たる歩みで進み出てハンドルに手をかけた。するとそれぞれの目の前に透明の囲いが下から現れた。念のための安全策のようだ。両陣営の準備が整い、戦いの前の緊迫した空気にステージ全体が包み込まれる。頭上のスクリーンに5と出る。カウントダウンが始まった。……4、3、2、1――――。

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