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面会 1

 カミーユは危険な魔法を使う犯罪者として、厳重に拘置所で取り締まられていた。


 一切の魔法を使えないように体に紋を刻まれ、独房は至るところに魔法の使えなくなる魔法陣が描かれている。


 面会も強い制限がかけられていた。それをランドルフ王子の力で許可を出してもらい、アンネリーゼとエリヤ、そしてクリストハルトでカミーユと会って話すことができるようになった。


 面会室は透明で分厚い仕切りが中央に設置されていた。罪人側は魔法が使えないように床や壁、天井にも大きな魔法陣が描かれている。


 拘置所の職員に両サイドを固められたカミーユは、ずいぶんやつれていた。目だけが異様な光を放っている。


 カミーユはクリストハルトの姿を認めるなり、職員たちを振り切ってこちらへ鬼の形相で駆けてくる。


 一般的な女の子であれば怖くて逃げ出すところだが、アンネリーゼの胆力は当てはまっていなかった。落ち着き払って、静かに様子を見ている。危険があれば、魔法を使うことも辞さない構えだった。


 エリヤもいつでもアンネリーゼの盾となれるよう、呼吸を整える。


「どうして僕を見捨てた……!」


 さすがにこの仕切りをどうにかできる力を、カミーユは持ち合わせていなかった。


「落ち着きたまえ。僕は彼とは別人だよ」


 振りほどかれたふたりの男性職員が興奮したカミーユを取り押さえる。そして無理やり椅子に座らせ、縛り付けた。


 カミーユはフーフーと荒い呼吸で、クリストハルトをにらみつける。今にも噛みついてきそうだ。


「僕はクリストハルト・フリージンガー。フリージンガー公爵家の四男で、天才魔法使いと呼ばれている。歳は二十八だ。君のあの人とは別人だろう?」


 いけしゃあしゃあと自分を天才と言えるクリストハルトの図太さ。確かに今のロロン王国に、クリストハルトより強い魔法使いはいないと思われている。


(本当にお若いのですね)


 アンネリーゼはてっきり、クリストハルトは魔法で若作りしているのかと思っていた。


「身元についてまだ疑うのなら、後日、僕について父に一筆書かせて届けるよ」


 クリストハルトに言い切られて、カミーユから毒気が抜けた。


「そんな……」


 だらんと全身から力も抜ける。縛られているので身体がずれ落ちることはなかった。


「彼の名前は知っているのかな?」

「知らない。教えてくれなかった」


 クリストハルトの質問に、カミーユはうつむいたまま、ぼそぼそ答える。


「いつ彼とは知り合ったの?」

「子供の時、僕が辛い時いつの間にか側にいてくれた」


 アンネリーゼたちは、カミーユの経歴についての書類に一通り目を通している。


「子供の時と言うのは、西方の親戚に預けられていた時かな?」

「そうだ」


 アンネリーゼとクリストハルトは一瞬顔を見合わせた。

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