テンプレじゃ
トラックに轢かれて死んだ。
気づいたら白い部屋に居た。
その部屋に居た、真っ白なジジイが話し掛けてきた。
「トラックに轢かれて白い部屋とは、お主はテンプレなおっさんじゃのう」
「まあ確かに」
「そんなお主に朗報じゃ。お主は異世界に行くのじゃ」
「……ありがとうございます」
「儂はな、テンプレの神様なんじゃ。世の中全てをテンプレにするのが儂の望みなのじゃ。それでお主には、テンプレに巡り合うたびにポイントをやろうと思う」
「そのポイントを使えば、俺はチートになれるのでしょうか?」
「もちろんじゃよ。ポイントを沢山貯めれば、魔王すら倒せるじゃろうて」
「うおおお。やる気になってきた」
「とりあえず、トラックと白い部屋と神様で、テンプレポイントを100やろう。それを早速振り分けるのじゃ」
「その前に、ステータスオープン」
俺の目の前の空間に数字が現れた。
職業、魔法使い。体力、おっさん。魔力、沢山。使える魔法は、鑑定、隠蔽、翻訳、収納。
「ステータスオープンと言うとは、さすがテンプレをわかっておるの。それに使える魔法も、テンプレな物ばかりじゃ。よしお主には追加で30ポイントやろう」
「ありがとうございます。では振り分けます」
「よし。何に振り分けるか楽しみじゃ」
「テンプレポイント振り分け。全てを魔力に」
「おお。極振りじゃのう。これもテンプレじゃ。5ポイントやろう」
「ありがとうございます」
「ではさっそく、異世界に行くのじゃ」