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功刀 康太の遺跡探訪、時々お祓い ~女難あふれる退魔伝~  作者: GOM
第三部 功刀康太は邪神と戦う
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第95話 康太は公安と仲良くなる:その2「地雷ってナニ?」

「それじゃあ、今後の連絡もあるので、そこのタクト殿を連絡員としてワシに預けてはもらえぬか?」


 突然のチエちゃんからの提案に驚く公安3人組。


「それはどういう意味でしょうか? やはりタクト君が気に食わなかったのですか?」


 狼狽するアヤメさん、どうやらタクト君を可愛がっている様子。


「そういう訳じゃないのじゃ。先日、タクト殿と話したじゃろ。ワシが鍛えてやると。そういう意味じゃ、安心せい。カグラザカ殿」


「私の事はアヤメとお呼び下さい、チエ様。そういう訳でしたら構いません。良いですよね、室長」


「ああ、こちらとしても願ったり適ったりです。チエ様、不届き者ではありますが、宜しくお願い致します」


 2人が揃って頭を下げる様子を見て慌てて頭を下げるタクト君。


「うむ、ワシに任すのじゃ。後、ワシは神様でもなんでもない、タダの悪魔じゃ。様なぞと言われて拝まれても、くすぐったいのじゃ。『ちゃん』か、せめて『さん』で呼んでくれぬか?」


 様と呼ばれて気恥ずかしそうにするチエちゃん。

 相手の好意がモロに「食料」になるチエちゃんだからこそ、固苦しい関係はイヤなんだろうね。

 この感じだと教団でも「様じゃないのじゃ!」と叫んでいるに違いない。


「チエさん、俺貴方(あんた)に随分借りが出来ちまった。今後絶対貴方の事を裏切らないから宜しく頼む。後、良かったら(あね)さんと呼んでいいか?」


 タクト君、すっかりヤクザの舎弟風なんだけど、それ良いのかよ?


「タクト君、チエさんに失礼でしょ。すいません、私の教育が足りませんで」


 青い顔をしてチエちゃんに謝るアヤメさん。


「だって、姉御(あねご)は姉御だし、他にどー呼べば良いんだよ?」


 ふーん、アヤメさんがタクト君の姉御なのね。


「ワシは別に構わぬぞ。ただ、最初から言っておくがワシの家族は大事にするのじゃぞ。これで構わぬのじゃな、母様(かあさま)?」


「そうね、私はそれで良いわね」


 タクト君、姉さん(チエちゃん)の母親たるマユ姉ぇに話す。


「姉さんのお母さんか、オバサン宜しくな!」


 あ、核地雷踏み抜いた!


「総員、対呪詛(じゅそ)防御! 正明さんは急いで俺の影に!」


 俺は緊急に光明真言による結界を張った。


「オン・アボキャ・ベイロシャノウ・マカボダラマニ・ハンドマ・ジンバラ・ハラバリタヤ・ウン!」


 ナナ、リタちゃんは共に耳や眼を塞いで防御姿勢。

 チエちゃんも急いで防御結界を展開した。


 俺の宣言の意味が分からない公安3人組は、モロにマユ姉ぇの怒りの呪詛を喰らった。


「ダ・レ・が、オ・バ・サ・ン・ですってぇ!!!」


 その呪いレベルの殺気は防御をしている俺達でもキツイ。

 案外慣れているのか、正明さんは俺の後ろで「またかー、マユ困ったねぇ」って言っているのがスゴイ。

 ナナやリタちゃんは、プルプルしながら我慢している。

 チエちゃんは、「ひーぃ!」って言いながら怯え震えている。

 本来最強の筈のチエちゃんだけれども、半分精神生命体なだけあって呪詛攻撃はかなり効くらしい。


 直撃を受けた公安3人、まず一般人だっただろう寺尾室長はさっさと白目向いて気絶、アヤメさんも一瞬耐えたものの直ぐに(くずお)れる。

 当事者のタクト君、なんでこうなったのか理解出来ていなかったからか、しばらく殺気に気がつかなかった様だけれど、自分の失言に気がついて言いなおそうとしていた瞬間、「ごめ……」と言った直後に気絶した。


 当事者が気絶した後も怒りで前が見えないマユ姉ぇ、このままでは危険が危ない。

 誤字だろうが誤用だろうが最早気にならないレベルで命の危機を感じる俺だ。


「母様、頼むから怒るのはやめるのじゃ! ワシ、このままでは消滅するのじゃぁぁ!!」


 チエちゃんからの弱弱しい、しかしはっきりとした声と念話が聞こえた。

 その直後、それに気がついたマユ姉ぇは正気に戻り殺気を消した。


「あら、私ってナニをしていたのかしら? あ、チエちゃん大丈夫? 消えそうになっているじゃないの。早く(みんな)チエちゃんを助けてあげて!」


 マジで消え去りそうになっているチエちゃん、息も絶え絶えだ。


「ワシ、今までで一番死ぬかと思ったのじゃ。怖かったのじゃ! もー怖すぎなのじゃ! あーん!」


 命の危機が去って大泣きするチエちゃん、それを抱いて涙目で謝るマユ姉ぇ。


「ごめんなさい、私が悪かったわ。チエちゃん怖かったのね。もう私チエちゃんの近くで怒らないから許して」


「怖かったじゃ! 怖かったじゃ! 怖かったのじゃぁぁ!!!」


 怖い原因発生源(マユ姉ぇ)にひっしと抱きつき、泣き止まぬチエちゃん。

 マジで死にそうになった様だ。

 うむ、魔神将(アークデーモン)すら滅ぼしてしまうマユ姉ぇの殺気、怖い。

 あれ? 確か「(ナイト)」にもオバサン言われていたけど、ここまでの威力じゃなかったよね。

 多分、近くに居る俺達を案じて怒らなかったのだろうけど、今回は不意打ちだったからやっちゃったのかな。


 という訳で、我が家の最強は依然(いぜん)マユ姉ぇに決定。

 次点がチエちゃん、続いてリタちゃん、ナナ、そして俺。

 恐るべし、マユ姉ぇ、普通攻撃も二段攻撃っぽいし、特殊攻撃なら防御無視の必殺全体(マップ)攻撃。

 ラノベのどこかの無敵お母さんとイイ勝負しそうだよ。

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