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功刀 康太の遺跡探訪、時々お祓い ~女難あふれる退魔伝~  作者: GOM
第二部 第二章 功刀康太はインチキ教祖をとっちめる
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第86話 康太の新たなお仕事:その10「教団への強襲!:その5」

 俺達が教団建物に侵入している間、屋外の制圧組は祭りを堪能しつつ信者の解放準備をしていたそうだ。


「おかあさん、これおいしいねぇ」


 大きな綿飴を頬張るリタちゃん。


「うん、そうね、リタちゃん」


 イカ焼きを上品に食べるマユ姉ぇ。


「お姉様ぁ、これも美味しいですよ」


 マサミちゃんから買った焼きとうもろこしに食いつくシンミョウさん。


「皆様、あまり満腹になられても後の活動に差し障るのですが……」


 1人、周囲を警戒しながらハラハラしている朧さん。


「あら、ごめんなさいね、『おぼろ』クン。せっかくだもの、楽しめるときは楽しまなきゃね」


 マユ姉ぇ、最近朧さんの事をクン呼びしている。

 朧さんの人間形態だとマユ姉ぇと外見年齢がどっこいな感じなので違和感は無いけど、それで良いのか大悪魔(グレーターデーモン)


 しかし、なんのかんの言いながら流石(さすが)はマユ姉ぇ、教団敷地の四方や要所要所に呪の基点を順番に打ち込んでいたそうだ。

 自然に祭りを楽しみながらやっているので、誰にも不自然に見えないらしい。

 その上、屋外の信者の大半は邪霊に寄生されている為に注意力も散漫だ。


「後は、コウちゃん達次第ね。頑張るのよ!」


 そう言ったマユ姉ぇだったそうだけど、口元がソースで汚れていたので綺麗さ半減だったそうな。


  ◆ ◇ ◆ ◇


「ここが祭殿の裏口だね、(みんな)戦闘準備は良い?」


 翔太君の守護使い魔マリちゃんは、少し不安そうだ。

 多分、この扉の向こうに翔太君も教祖達と一緒にいる。

 彼を戦闘に巻き込むのは、マリちゃんも望まないだろう。


「大丈夫だよ、マリちゃん。翔太君は絶対に守るから」


 俺はマリちゃんに笑いかけて、手甲や三鈷杵の準備をした。

 カレンさんも懐から何か取り出した。

 たぶん、チエちゃんから貰ったアイテムだろう。


「コトミ殿、敵の待ち伏せは無いのじゃな? では、コレ以降はワシの(そば)を絶対に離れないようにするのじゃぞ」


 待ち伏せが無い事を確認したチエちゃん、コトミちゃんを守りながら戦うらしい。

 まあ、チエちゃんの事だ。

 ここにいる邪霊は相手にもならないだろう。

 そういう俺の思いを読んだのか、チエちゃんは俺に話す。


「この案件はコウタ殿の仕事じゃ。ワシはコトミ殿やナナ殿を守る以外の戦いはせぬぞ。良いな?」


 それは俺も賛成、このところチエちゃんが戦ってくれているので、俺の出番なし。

 これ以上、チエちゃんにおんぶに抱っこでは申し訳ないよ。


「うん、最初から俺はそのつもりだよ。カレンさんもそれで良いよね?」


「はい、コウタさん。私もチエお姉様に強くなったところをお見せしたいですから」


 カレンさん、やる気満点だね。

 これは俺も楽しみだ。


 ナナも全九十九神(つくもがみ)さん達を展開して準備万端。


「コウ兄ぃ、チエ姉ぇ、カレンお姉ちゃん、コトミお姉ちゃん。そろそろ行くよ!」


「おー!」


 ナナの王鍵(マスターキー)さんが祭殿裏口のドアを開けた処に、俺達は俺を先頭に突っ込んだ。


  ◆ ◇ ◆ ◇


 光輝宗 教祖の黒田光道は、昼過ぎから行われる説話の準備・打ち合わせを息子や5人程の教団幹部と祭壇の間で行っていた。

 その時、急に祭壇裏口が開け放たれ、そこから数名の男女が飛び出してきたのに教祖は驚いた。


「お主らは何者じゃ! ここが教団の祭殿としっての狼藉か? 警報はどうなっておるのじゃ! 早く警備部を呼ぶのじゃ!」


 しかし、その集団の中に居る幼女が不敵に笑い、叫ぶ。


「教祖、黒田光道。(いな)、黒田光男よ。うぬが悪行、ワシはしっかと見たのじゃ。おとなしゅうお縄に付くのじゃ。さもなくば少々痛い目を見てもらうのじゃ!」


  ◆ ◇ ◆ ◇


 すっかり「暴れん坊」や「大江戸」、「水戸」なんたらの雰囲気丸出しのチエちゃん。

 さっきまで「俺の仕事だから手出ししない」と言いながら、こういうオイシイところをもらっていくのが実にチエちゃんらしいね。


「ナニを言うのじゃ、この小娘共が。拙僧がナニをしたのじゃな? その証拠等あるはずもあるまい。お主らこそ不法侵入者じゃ。そっちこそ痛い目をみてもらうぞ!」


 まあ普通は霊的犯罪について捕まえるとは言われないよね。

 しかし、俺達相手では関係ない。


「そうか、じゃあお主らの周囲におる邪霊はどう説明するのじゃ? そして今も信者に邪霊を取り付かせて搾取しておるのはどうじゃ? 他にも電子データは抑えておるし、国会議員からの証言も取っておるぞ。しかし、その言い振りなら話し合う予知は無いようじゃな」


 そしてチエちゃんは、お得意のドヤ顔で決めセリフを吐く。


「では、助さん、角さん、懲らしめてやりなさいっ!」


「あのー、チエちゃん。誰がが助さんなの?」


 思わずしてしまった俺の突っ込みにチエちゃん、


「細かい事はいいのじゃ! うっかりサンでもいいのじゃぞ、コウタ殿?」


 こちらはチエちゃんのボケで突撃タイミングを失いつつあったものの、向こう側も幼女が時代劇コテコテギャグかましたからか、「は?」っと硬直していた。


「いくぞー!」


 俺は「うっかりサン」にされたくない(笑)ので、せっかくのタイミングを逃さす、雷撃(スタン)付与「光の盾」を右手側に展開して突撃した。

 カレンさんもチエちゃんから貰ったアイテムを起動して突っ込む。

 さあ、戦闘の開始だ!

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