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功刀 康太の遺跡探訪、時々お祓い ~女難あふれる退魔伝~  作者: GOM
第二部 第二章 功刀康太はインチキ教祖をとっちめる
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第80話 康太の新たなお仕事:その4「諜報活動!その1」

「そういえば、マサミちゃんのご両親は、今回の件で娘さんを救出する事に同意をしているの?」


 俺はふと気になった事をコトミちゃんに聞いた。


「その件については、近日中にご両親にアポを取りまして先輩と直接話が出来るようにします」


 いくら成人済みとはいえ、嫁入り前の娘さんだ。

 ご両親の許可無しに作戦は行えないよ。


「では、早速作戦会議じゃ! まずは情報集めからじゃな。コトミ殿、お主には噂レベルで構わぬから教団の情報を集めてはもらえぬか?」


 早速チエちゃんから当てにされたコトミちゃん、


「はい、お姉様。それはお任せください」


「ワシは、デジタル方面から情報を収集するのじゃ。少々怪しい手法も使うが、かまわんよな、母様(かあさま)


 戸籍取得以来、叱られたので大きな事をする際には必ず誰かの意見を聞くようになったチエちゃんである。


「ええ、オンナノコの敵に容赦はいらないわ。警察や医療機関からの情報は私に任せてね。 後、『御山』にも聞いてみるわ」


「うむ、では教団への潜入捜査は『(おぼろ)』、お前に任せるのじゃ」


「御意!」


 さりげなく現れる「朧」さん。

 その突然の登場にびっくりするコトミちゃん。


「はわー、生でイケメン執事様を見られるとはぁ」


「コトミ様、今後とも宜しくお願い致します」


 そう言って、また消える「朧」さん。


「え! まさかあのイケメン執事様って?」


 コトミちゃんの疑問に答えるチエちゃん。


「そうじゃ、ワシの配下にして諜報大悪魔(グレーターデーモン)の『朧』じゃ!」


 とまあ、何だこんなで作戦は開始されたのだ。


  ◆ ◇ ◆ ◇


 数日後、情報を集めた俺達は再びマユ姉ぇの家に集まり、今後の作戦方針決定会議を行った。

 なお、今回からマサトも科学系参謀として話に加わっている。

 アケミちゃんからの話を聞いていたし、チエちゃんがマサトと話したがっていたからである。

 因みにアケミちゃんには、コトミちゃんからもう大丈夫だから教団には近づかないよう話をしている。


「では、お互いの情報を公開しあうのじゃ! では、まずコトミ殿からどうぞなのじゃ!」


 何故か会議を仕切るチエちゃん。

 まー、実年齢的にも実力的にもリーダーやってもらって問題ないんだけど、見た目幼女が仕切っているのがビジュアル的にナニなだけ。


「はい、お姉様。教団についてですが……」


 教団、正式名称「光輝宗(こうきしゅう)」。

 ここ数年急速に力をましてきている新興宗教法人。

 代表は、黒田 光道(くろだ こうどう)こと光男(みつお)

 43歳、2年前に妻を血液系のガンで失い、小学四年生の1人息子、翔太(しょうた)君との2人家族。

 教団設立前は、辻占い師だったらしいが3年程前からカウンセリングセミナーを開催するようになり、その後セミナーを宗教法人化したとの事。

 なお、教団は古代仏教、神道、ヒンズー教など等をごった混ぜにした、新興宗教にありがちな経典を用いてるんだとか。


 ふむ、ここまでのプロフィールを聞くに、3年くらい前からナニかがあった様だね。


 コトミちゃんの報告は続く。


「教団にある噂ですが、……」


 教団では、高額なお布施を宗徒・信者から集めている。

 生活費以外全てを教団に捧げる事、そして教祖に帰依し教えを広める事を生活の全てとするように教えられているんだとか。

 後は、数名の女性信者が教祖と怪しげな関係らしい。

 なお、急激な教団の成長には、とある地元与党国会議員の関与があるとの話もあるとか。

 この国会議員が、「(ナイト)」事件の被害者、内藤(おう)と関係がある人だそうで、実に世間の狭さを感じる。


「それはかなり悪質だよね。確かにヒトにとっては信仰は大事だけども、信仰の為に全てを捧げるのは違うと俺は思うね」


 俺の意見に同意してくれたのが、以外にもチエちゃん。


「そうじゃ! 惑星(ほしぼし)や国々を多く見てきたワシじゃが、いくら元の教えが正しかろうと、思考停止してその教えに全てを捧げるようになった際の悲劇は山ほど見ておる。中には教えをゆがめて自分に都合よく伝える愚かモノすら居るのじゃ! ヒトは思考してナンボなのじゃ! 疑い、考え、改める事も時には必要なのじゃ。そして相談し、お互いの意見を組み入れてこそなのじゃ! 全てのモノは違うのが当たり前、違いを認め合い尊重しあってこその世界なのじゃ!」


 まさか、悪魔に全否定されているとは、当の教祖も思うまい。

 しかし人生経験(?)長いからこそ言えるのだろうけど、実に深い意見だよね。

 これだから拝まれても可笑しくないんだよ、チエちゃん。


「まあ、宗教的な事はおいておいて、話を続けましょうね」


 マユ姉ぇがうまいこと脱線しはじめた話を戻してくれる。


「すまん、母様。つい暴走してしまったのじゃ。ここまでの情報はワシがデジタル方面で集めた情報と完全に一致しておるから間違いないのじゃ! 噂レベルからここまで情報を纏め上げるとは、流石(さすが)コトミ殿じゃ!」


 チエちゃんに褒められたコトミちゃん、嬉しそう。


「いえ、お姉様にはかないませんから」


「では、次は母様。宜しくお願いするのじゃ!」


 チエちゃんはマユ姉ぇに話を振る。


「それでは、まずは警察方面のお話からしますね。生活相談として警察に教団の事で相談があるのは確かで、ここ一年は急増しているそうよ。相談内容はお布施関連が大半だそうね。後、医療関係では信者の方が意識不明になった事例が数件あるみたいね。私もその患者さんの一人を『診て』見たけど、思考力や生命力が低下していて、魂も磨り減っていたわ。明らかに何かが憑依していたと思うの。この治療にはチエちゃんから教えてもらった方法を使うように手配しておいたわ。『御山』側からの情報だと、教祖は一時期『御山』に修行にきていた時期があって、強くは無いけれど『力』持ちだったのは確かみたいね」


 これもコトミちゃんからの事前情報と一致しているね。


「中村クンからは、応援や支援は公には出来ないけど、オオゴトにならない限りは見ないことにしてくれるって言ってもらったの」


 中村警視、またマユ姉ぇにムリな「お願い」されちゃったのね、困ったもんだ。


「では、『朧』よ。報告を頼むのじゃ!」


 チエちゃんの呼び出しで、イケメン執事姿で顕現して報告を始める朧さん。


「はい、我が主人(マイマスター)。私が教団内部に潜入して得た情報ですが……」

ブックマーク、感想、評価・レビュー等を頂けますと、とても嬉しいです。


皆様、宜しくお願い致します。



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