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功刀 康太の遺跡探訪、時々お祓い ~女難あふれる退魔伝~  作者: GOM
第二部 第一章 功刀康太はダンジョン攻略をする
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第71話 康太は迷宮探索をする:その24「チエさんとお食事:その3」

「そういえば、リタちゃんの話の途中だったね。話の腰を折ってごめんね。続きをお願い」


 俺はリタちゃんに謝って話す様、促した。


「うん。ちえおねえちゃん、おともだちになってくれるよね?」


 そういえば、チエさんからの答えがマダだったね。


「うむ、もちろんじゃ。今後とも宜しくな、リタ殿。で、さっきのビームの件は教えてもらえんかのぉ」


 チエさん、少し恥ずかしそうにしながらも嬉しそう。

 良かったね、チエさん。


「うん、あれは『ななおねちゃん』と『まさとおにいちゃん』につくってもらったつえ(ステッキ)の『ちから』なの」


 リタちゃんはチエさんに魔法の(ステッキ)を見せる。


「うむ、その(ステッキ)の力なのかのぉ。如何にも魔法少女系アイテムに見えるがどういう仕組みなのじゃ?」


 そこで、ナナが助っ人説明をする。


「ここからはボクが説明しますね。この(ステッキ)には数種類の九十九神(つくもがみ)さんが中に居て、リタちゃんの力を変換したり強めたりしているんだ」


「それで色んな魔法を撃ち分けていたのじゃな。しかし、魔法の補助に使い魔として九十九神を使うか。発想の転換じゃな、うむうむスゴイのじゃ!」


「スゴイでしょ。元はボクのアイデアだったんだけど、コウ兄ぃの友達のマサトお兄ちゃんが居てくれたので、ここまで凄くなれたんだ」


「それで『(ナイト)』のバカが一撃だった訳じゃな。氷結攻撃にしろ、さっきのビームにしろ見事じゃ。使い方次第でワシも滅ぼしかねないわい」


 滅ぶ発言を聞いて、リタちゃんがチエさんに聞く。


「ちえおねえちゃん、わたしのこと、こわくないの? おねえちゃんをきずつけられるよ、わたし?」


「ん、そんな事ないぞ。第一ワシの事、リタ殿は怖くないのかい? 今だって油断させて情報収集しているのかも知れんのだぞ?」


 あれだけ泣いておいて演技だったら、アカデミー賞主演女優賞モノ。

 まー、それは無いよね。

 だって、実際にそうなら今ネタバラシする意味無いし。


「うん、こわくないよ。だって、ちえおねえちゃん、やさしいんだもの」


 何処に敵の事心配する悪魔がいるのやら。

 そんな変り種はチエさんで十分だよ。


「リタ殿がそう思うなら、それで良いのじゃ。そういうリタ殿だからワシも怖くないぞ」


 ニッコリとリタちゃんに笑い返すチエさん。

 いやー、笑いあう女の子達っていいなあ。


「では、今度はこちらからお聞きしていいですか?」


 説明が終わるのを待っていたマユ姉ぇがチエさんに聞く。


「うむ、いいのじゃ。ワシが知っているの事なら何でも答えるのじゃ!」


 無意味にドヤ顔のチエさん。

 さては説明したくて仕方がなかったな。


「まず、時系列毎にお聞きします。最初に私達の前に出てきたのは「騎」戦の時でしたね。あの時、レッサーデーモン入りの人質を私達に差し向けたのはどういう意味だったのですか? あれで私達が困ると思っていませんでしたか?」


 少し真剣な表情で聞くマユ姉ぇ。

 確かに、俺達は策を練っていたので問題が無かったけれど、一歩間違えば大変な事になっていた。


「あれか、あの時マユコ殿達が策を練っていたのは知っておったのじゃ。大分焦れていたのを見ておったし、中途半端なタイミングで「騎」が人質を投入されてもイヤじゃったので、あのタイミングで声かけさせてもらったのじゃ。すまんかったのぉ、手間を増やさせて」


 チエさんの謝る姿を見て、マユ姉ぇは納得した表情をした。


「いえ、こちらの策を見抜いていらっしゃっての行動なら良いんです。タイミングとしてはベストに近いタイミングでしたので、ザコを一掃しつつ人質の奪回が出来ましたから」


「その侘びと言う訳でもないのじゃが、今意識不明になっている者達を救えるかもしれん方法があるのじゃ」


 チエさんの答えにマユ姉ぇを含めて全員が驚く。


「え、魂が磨り減った者達を救う方法があるのですか?」


「うむ、大分時間は掛かるし、磨り減り具合によってはダメかも知れんが、救える者がいるのは確かじゃ。その術方法については、後から『御山』等に開示するから皆で共有化して活用するのじゃ」


「どうも、ありがとうございます。これであの事件も本当に終わる事が出来ます」


「いや、我々悪魔(デーモン)仕出(しで)かした事なのじゃ。ワシが出来るのはこのくらい、罪滅ぼしにもなるか分からんのじゃがな」


 感謝されて照れくさそうなチエさん。

 この術が入手できただけでも俺達が迷宮(ダンジョン)で頑張った意味があるね。


「次にですが、この迷宮(ダンジョン)を男子禁制にしたのは、私をおびき寄せる為ですか?」


「うむ、その通りじゃ。その為に尼僧2人には迷惑をかけたのじゃ。後は男共がいっぱい来るのは、むさ苦しくてイヤだったのじゃ」


 最初の理由は分かるけど、男がムサいとは見も蓋も無いぞ。

 でも、じゃあ俺は最初から予定外だったのかな?


「そうそう、コウタ殿については計算どおり『次元石』が働いてくれたし、マユコ殿達がピンチになれば考えずに突撃してくれると思ったのじゃ」


「じゃあ、俺の行動も全て計算済みと」


「うむ、じゃからマンマとウォシュレットの罠に嵌ってくれたのは爆笑モノじゃたわ」


 ぎゃはは、という感じのチエさん。

 俺、悲しいぃ、全部行動読まれていたとはねぇ。


「でも、その後の『むせるクン1号』退治の際の策をワシは全く読めなんだ。だから、そうしょげる事もないのじゃぞ、コウタ殿」


 今度は真剣な表情で話すチエさん。

 悪魔に慰められる俺、困ったモノだ。

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