第255話 康太の魔神退治:その46「強襲前日ブリーフィング!」
リタちゃんが誘拐されて40時間強が経過した今、「リタちゃん奪還計画」の前日ブリーフィングがマユ姉ぇ宅で行われている。
今回は、グレイさんも病院を抜け出しての会議参加だ。
「なるほど、毎回こういうブリーフィングして作戦練っていた上に情報もバレバレだから俺達は勝てなかったのかよ」
「まあ、そういう事じゃ、グレイ殿。しかし、今回はグレイ殿も味方じゃ。ワシが存分に戦える舞台を提供するのじゃ!」
「そうか、前も言っていたよな。河岸を変えぬかって。本格的に変えるつもりはないが、仮入隊って事で宜しくな」
「こちらこそ、なのじゃ!」
海兵隊で特殊部隊中隊長までしているグレイさんの加入は非常に心強いよ。
「まずは、部隊分けについてじゃ。今回の主目的は、リタ殿奪還じゃ。そして副目標が、『将』兄上の撃破若しくは生け捕りじゃ!」
目標確認、だけど今更だよね。
ここに来ている人たちは全員リタちゃんを救う事を願って死地になるかもしれない異星へ向かおうという人達なんだから。
「次は部隊分けじゃ。今回は実戦部隊が2つに後方支援じゃ! 第一部隊:リタ殿奪還隊、部隊長をグレイ殿頼むのじゃ!」
「了解した、総司令さん」
分隊レベルの人数だけど、隠密活動を主だから海兵隊で類似任務をこなしているグレイさんが隊長に相応しいだろうね。
「副隊長、場数を踏んでおる御爺様お願いするのじゃ!」
「おうさ、孫救出に行くのじゃから、今回は出し惜しみなしだ。生涯最後の大暴れだぞ!」
爺ちゃん、これが最後って言うけど今回みたいな大規模戦闘は別にして、小さな戦闘は今後も色々やってそう。
「同じく副隊長を御婆様、頼むのじゃ。御爺様の暴走を止めるのは御婆様以外には居らぬのじゃ!」
「ええ、私も頑張るわね。孫の顔だけでなく曾孫の顔も見たいし」
あれ、婆ちゃんの視線が俺に向いている。
というか、ナナが俺にくっ付いているのを凝視している。
チエちゃんも司会しながら分身体が器用にハイビジョン撮影しているのは、もう何も言うまい。
「他の面子じゃが、アヤメ殿、ススム殿、カレン殿、コトミ殿。そして『朧』、お願いするのじゃ!」
「はい! タクト君は、そっちでしくじらないでね」」
「今度こそアリサを助けて頂いた借りは返します」
「ぱぱぁ、がんばってぇ」
「マユお姉様、お任せを」
「先輩、まっかせてー!」
「御意! 皆様の安全はお任せ下さい」
総勢8名と、ちょうど分隊規模だね。
「次が第二部隊:囮隊 隊長は母様に頼むのじゃ! 部隊を存分に暴れさせて、『将』兄上をぎゃふんと言わせるのじゃ。あ、母様自身は大人しくのぉ。杏殿を無事出産せねばならんのじゃ!」
「ええ、まかせてね」
最近は俺が指揮する時も多いけど、場数の数や後方から支援技や大規模攻撃出来るマユ姉ぇが指揮をしてくれた方が俺もやりやすいよ。
「魔神将枠としては、ワシ、『槍」、『調』&クロエ殿、カズヤ殿宜しくなのじゃ! ワシが副隊長と奪還部隊との連絡係を兼務なのじゃ!」
「おうさ!」
「お姉様、はいですぅ」「よろしくてよ!」
「僕、頑張るね」
総勢4人の魔神将。
圧倒的な戦力を誇る彼らが居てくれれば、『将』も無視できずに囮部隊に大戦力を投入せざるを得まいて。
チエちゃんが「朧」さんとはリンクがあるから情報も随時入るし安心だね。
「そして、ナナ殿、コウタ殿。ここで後腐れない様に出し惜しみ無しじゃ!」
「うん! 頑張ろうね、コウ兄ぃ!」
「そうだね。魔剣すーさんも頼むよ」
「御意じゃ!」
爺ちゃんに何個か技教えてもらったし、すーさんからも大技を一つ教えてもらった。
ナナやマユ姉ぇ、チエちゃんが一緒なんだ。
どんな敵でも切り払ってやる!
「後方組としては、防御支援にシンミョウ殿。火力支援に遠藤姉兄妹、頼むのじゃ!」
「こちらこそお願い致しますぅ」
「タク、ここが男の見せ所だぞ。アヤメ姉さんにいいとこ見せたれや」
「姉ちゃん、こんなところで言わないでよぉ。兄貴、俺頑張るぞ!」
「お姉ちゃんもお兄ちゃんも無茶しないでよ。私お母さんから2人の事頼まれているんだから」
防御は、もうお馴染み、かつ鉄壁のシンミョウさん。
火力支援のタクト君達も安心の大火力、魔物達をコンガリと焼き払うことだろうね。
「ここから後がCPや支援組じゃ。CPに隊長が教授、オペレーターにマサト殿、フランツ殿、ルナ殿」
「本当は前線で戦いたかったのですが、今回は後方から戦術支援しますね。古今東西の戦術を駆使しますね」
「魔法に縁が無かった僕がこんな大役をおおせつかってしまいましたが、頑張ります」
「私も本当はマユコ達の助けを直接したかったけど、今回は後から援護するぞ」
「リタちゃんを絶対に取り戻そーね」
歴史分野が専門の教授の事、色んな策をチエちゃんと練ったに違いあるまい。
マサトもコントロールデッキ使いとして、落ち着いたオペレートが期待できる。
フランツ君、彼ともこんなに長い付き合いになるとは思っていなかったよ。
ルナちゃん、キミも敵として現れたけど、ナナやリタちゃんの良い友達だし、俺から見ても可愛い妹分だ。
「寺尾室長や中村警視は、警察関係の情報支援。豊原医師は医療支援を頼むのじゃ」
「銃火器持込に関しては見なかった事にしますから、無事に帰ってくださいね」
「もうマユコ君達は、どんどん私の手を離れていっちゃう。今度は宇宙戦争ですか? もう驚きもしませんから、ちゃんとリタちゃん連れて帰ってくださいね」
「ボクとしては、怪我人の持ち込み反対だからね。前回のコウタ君みたいな事は起こさないでね」
「う、すいませんです」
警察関係の情報を抑える事で、最悪撤退時にこちらに敵を呼び込んだ時の対応も楽だろう。
また医療関係者は、多いに越した事は無い。
マユ姉ぇ、アア見えて身重だもん。
「内藤翁殿、黒田殿。マスコミ、財界や政治関係の支援を頼むのじゃ! おそらく事態収集後、マスコミが動く可能性が高いのじゃ。事態は思ったより大きいからのぉ」
「おう、任せておけ。チエ殿達にはカズヤの事で大きな借りがある。ここで返さねばのぉ。カズヤ、お前は皆のお役に立つんだぞ!」
「うん、おじいちゃん!」
「チエ様や皆様からお受けしたご恩を返す機会です」
「すまん、頼むからワシを拝むのはやめて欲しいのじゃぁ!」
最初の「騎」戦の際の手際のよさを見るに、流石は地元大物。
味方に居てくれて助かるよ。
黒田さんも何かと支援してくれるのでありがたい。
「父様、カツヤおじ様。絶対皆を無事に帰すから、この家を頼むのじゃ!」
「皆が安心して帰れるよう、色々準備しておくね。マユさん、ナナ。くれぐれも無茶しないでね」
「ええ、貴方。吉報を待っててね」
「うん! おとーさん、だーいすき」
「おう、御熱い事。チエちゃん、俺は何も出来ないけど皆の無事を祈っているからな」
「ありがとうなのじゃ、おじ様!」
「おじちゃんも、だーいすき!」
一番心配しているだろう、正明さん。
そんな様子を隠しているけど、俺にすら判るんだ。
マユ姉ぇやチエちゃんはとっくに分かっている。
カツ兄ぃも心配だろうけど、絶対無事に連れ帰るよ!
ナナもその不安からか、2人に飛びついてハグしている。
まあ、年頃の女の子に飛びつかれたら大変だよね。
「残る若年層組、カオリ殿、ケイコ殿、三木殿、森川殿。CP組や他の方々のお手伝い、炊き出し、ショウタ殿、アリサ殿の面倒などをお願いするのじゃ!」
「先生達のお役に立てて嬉しいです」
「うん、先生。絶対リタちゃん連れて帰ってきてね」
「はい、ウチの生徒会長と会計をお願い致します」
「リタちゃん、絶対に助けてきてください」
「僕もマリと一緒に手伝いするね」
「おにいちゃん、おねえちゃん。りたおねえちゃん、ぜったいたすけてね!」
子供達も自分で出来る事をしてくれる。
これで全員の仕事は決まった。
さあ、勝負だ!
いよいよリタちゃん奪還作戦が発動されます。
総勢19名の戦闘部隊に後方支援17名。
今コウタ達の下に集う仲間達、燃え上がる展開です。
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