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功刀 康太の遺跡探訪、時々お祓い ~女難あふれる退魔伝~  作者: GOM
第五部 功刀康太の女難たっぷりな退魔伝
250/272

第250話 康太の魔神退治:その41「魔神王との戦い!」

「さて、オマエらごときに全力で当るのも大人気ないわい。この分身体を相手するが良い。これでも魔神将(アークデーモン)なんかよりは圧倒的に強いぞ!」


 そういう魔神王(デーモンロード)は2mくらいのプチロードを作り出して、俺達の前に立たせた。

 まあ、これなら最悪ブチ殺しても問題はあるまい。

 ただ、俺の魔剣すーさん(シャドウ・スマッシュ)で切っちゃうと、本体も切れるんだよなぁ。


「すーさん、手加減モードで本体に影響なく分身体を切れない?」

「そこは、モード切替すれば大丈夫だぞ」

「なら、全力でぶった切れそう」



「おう、早く来いよ。ワシの力を見せ付けてやるぞ!」


 ぶんぶん腕を振り上げつつ準備運動をする魔神王の分身。


「じゃあ、『(ランス)』さん、チエちゃん、(おぼろ)さん。俺と一緒に前衛宜しくね! マユ姉ぇとナナは後方支援宜しく」

「おー!」「のじゃ!」「御意!」「ええ!」「うん!」


 「槍」さん、悪魔形態のチエちゃん、朧さん、そして俺は魔神王に飛び掛った!


  ◆ ◇ ◆ ◇


「ふぅふぅ。流石分身とはいえ、魔神王だよねぇ」

「ここまで父上強いのかよぉ。分身で即死技使わねーでコレとはなぁ」

「流石は王、お見事です」


 俺達は息を切らせつつ、眼の前の魔神王を見た。


「ほれ、まだワシは10%も力出しておらんぞ。これでおまえらの望みは適わないのだ!」


 まだ余裕綽綽(しゃくしゃく)の魔神王、俺達を右手人差し指でちょいちょいと挑発してくる。 

 くそうぅ。

 俺達はリタちゃんを絶対救わなきゃいけないのに。


「父上は流石見事なものじゃ! ただ、策はあるのじゃ!」


 そう言って俺に接触テレパスをする。

 ・

 ・

 了解!


「『槍』さん、チエちゃん、朧さん。10秒だけ前衛お願い!」

「お、おう!」「のじゃ!」「御意!」


 俺はステップバックしてマユ姉ぇとナナに触れた。


  ◆ ◇ ◆ ◇


「へー、ここが『すーさん』の中なんだ!」

「私は二回目ね。コウちゃん、さっきチエちゃんが策を教えてくれたのよね」


 俺は、マユ姉ぇとナナの精神を魔剣すーさんの作る異空間へ案内した。


「うん、そうなんだ。ここならゆっくり作戦会議できるからね」

「そうなのじゃ!」


 そこに急に現れるチエちゃん。


「チエちゃん! 一体どうやってここに来たの?」

「そんなの分身に戦わせておるに決まっておろう。こちらでは思考力だけあればイイのじゃ。あっちに魔力大目に残しておけば、一瞬で終わるのじゃろ?」


 チエちゃんのデタラメさには今更ながらだけどね。


「で、策なのじゃが、……」


 チエちゃんから驚愕な策が話される。


母様(かあさま)とナナ殿には負担掛けてしまうのじゃ!」

「相変わらず、身も蓋も無い作戦だねぇ」

「えー、チエ姉ぇ! えっぐーい! ボクは良いけど」

「そうねぇ。確かにそれならたぶん勝てるけど良いの?」

「まあ、父上は当分寝込むであろうなぁ。母上は爆笑するであろうよ」


 さあ、作戦開始だ!


  ◆ ◇ ◆ ◇


「ただいま!」


 俺はまた前衛に戻り、「槍」さんと朧さんに一瞬触れる。


「ヱ!」

「それはまた!」


 2柱は一瞬顔を顰めるも納得してくれたのか、防御気味に少し下がる。

 チエちゃんも防御の構えを取る。

 俺は彼らの前に進み、魔神王を睨む。


「ほう。今度は1対1を所望か。確かにオマエの魔剣は恐ろしいな。ワシの結界を越えて手傷を負わせておる。じゃが、使い手が未熟! それでワシに勝てるとでも?」

「そうだね、普通じゃ勝てないよね。そうそう動かないでよ。外したら死んじゃうよ!」

「ん?」


 次の瞬間、魔神王の頬から血が激しく吹き出る。

 それは戦っている分身だけで無く、本体もだ。

 そして分身体の後方にすさまじい魔力ソニックブームが起きた。


「なんじゃ、こりゃぁぁ!」


 魔神王は驚愕する。

 いヨシ!

 「将」にも決まった超接近技決まったぞ。


「良かったね。ヘンに動いていたら、首飛んで即死だったよ。もう少しじっとしててね。さあ、行くよぉ!」


 さて、これで足止め成功。

 1対1になったという油断を付いた攻撃を通して、恐怖を刻み込む。

 俺は、魔神王分身体の身体すれすれに連続で突きを打ち込んだ。

 邪神ですら掴みきれない魔剣の瞬間移動を使っての、超接近の突き。

 それは薄皮一枚ずつ魔神王の身体を削る。

 分身体だけでなく本体も。


「な、一体オマエはナニがしたいんだぁ!」


 恐怖に一歩も動けない魔神王。

 実は分身体消したら良いのに、頭が回らないらしい。


「俺の役目は足止めだよ。ではマユ姉ぇ、宜しく」

「ええ、まかせてね」


 にっこりとしながら魔神王の前に進むマユ姉ぇ。


「私、絶対娘を取り返したいのよ。だから負けてくださらない?」

「な、なんでワシが人間ごとき、それも若作りの子持ちババァに負けてしまわねばならぬのだ」


 はい、死亡宣告自分でしちゃいました、王様。

 王ともなると生体年齢を感知できるのか、マユ姉ぇの年齢見抜いたらしいけど、それが致命傷になりました。

 さて、俺突きしながら防御できるかな。


「すーさん、俺の前面に精神防御結界、5重の大き目でお願いね。女王、御付の方々。俺の後ろに来た方が良いですよ」

「ほいよ!」


「母上、急ぐのじゃ。マジでワシら消滅の危機なのじゃ!」

「え、はい」


 チエちゃんの叫びに女王、「槍」さん、御付の近衛上位悪魔女性が俺の後方へ移動した。


「だ・れ・が、バばぁ、ですってぇ!!!」


 そして、マユ姉ぇの怒りの全力殺気が放たれてしまった。


最初の策よりも最悪の結果を選んでしまった魔神王。

ご愁傷様です。

もしかすると女王は、ここまで読んでいたのかもね。


ではブックマーク、感想、評価・レビュー等を頂けますと、とても嬉しいです。

皆様、宜しくお願い致します。

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