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功刀 康太の遺跡探訪、時々お祓い ~女難あふれる退魔伝~  作者: GOM
第五部 功刀康太の女難たっぷりな退魔伝
244/272

第244話 康太の魔神退治:その35「思考回路はショート寸前!」

「そうだ、私のお腹に女の子がいるの。まだ霊的受胎していないから、アンゲリカちゃんウチの子にならない?」

〝は?〟

「えー!」


 場の空気を詠まず、悲しみと怒りに暮れていた雰囲気をぶち壊すマユ姉ぇ。

 毎度ながら、破壊力ありすぎ。


 思考回路はショート寸前、今すぐ会いにいきたいよ……って会いたいのはリタちゃんにだけど。


「マユ姉ぇ、一体ナニ言い出すの? そりゃアンゲリカさんがこのまま消えるのは悲しいけど」

母様(かあさま)の発言は、毎度ギガトン級じゃな。まあ分からんでもないが」


 オレとチエちゃんは2人して突っ込む。

 他の人達は驚きすぎて声すら出ていない。

 ポカーンとしている人ばかりだね。


「えぇ? だってリタちゃんとご縁があって星の海を渡ってまで来た子でしょ? だったら、私がご縁を繋いであげても良いじゃないの」

「そりゃ、そうできれば良いけど、そんな事出来るの?」


 俺の質問に、首を傾げつつ、右頬に人差指を当てて色っぽく答えるマユ姉ぇ。


「そうねぇ、アンゲリカちゃんが望んで来てくれるのなら出来そうよ。記憶とかは無くなっちゃうけど、魂の本質はそのまま引き継がれるし、今度は姉妹でずっと一緒よ」

「まずは、父親になる正明さんに意見聞こうよ」

「あら、そうね。正明さん、どう? この子良い子よ」


 正明さんをほっぽって話を進めるのは危険だ。


〝あのぉ、わたくしの立場はどうなるのですか?〟

「ごめんなさいね。まず貴方のお父さんになる正明さんに話を聞くわ」


 点滅が激しくなりつつも、話の腰を複雑骨折させて別の骨に接合させる様なムリヤリ展開に付いていけそうもないアンゲリカさん。

 ごめんね、ウチのノリはマユ姉ぇとチエちゃんが決めているんだよ。


「そうだねぇ。ウチはリタちゃんと縁があった時点で宇宙規模な話になっちゃったしね。チエちゃんともそうだし、このまま宇宙家族ってのも良いかもね」

「じゃあ、ボクだけ普通なのぉ?」


 おい、ナナや。

 キミも十分普通の範疇越えているからな。

 しかし、正明さんの懐の大きさは宇宙規模まで広がったんだね。

 じゃあ、俺もイイや。

 また妹分、いや年齢的には娘的な立場だけど祝福しなきゃね。


「という事で、アンゲリカちゃんどう?」

〝本当に宜しいのですか?〟

「ええ、どうぞ。私達の娘になってね。そうね、今から名前考えなきゃ。アンの響きは残したいわよね」


 今から娘の名前を考え出すマユ姉ぇ。

 その様子に苦笑いの正明さん。


「正明さん、なんかどんどん大変な事になっちゃってますね」

「それはコウタ君こそだよ。もう後戻りは不可能だね、お互い」

「それはしょうがないのじゃ! でもこういう家族だからワシも気持ちよく居れるのじゃ!」

「ウタさん、ウチにまた宇宙孫増えるんだな」

「まあ、めでたい話じゃないの」


 笑いながら話す正明さんの明るい表情に安堵する俺。

 チエちゃんもニッコリだ。

 爺ちゃん、婆ちゃんも嬉しそうだ。

 さあ、後はリタちゃんを救い出してしまえば、ハッピーエンドだね。


「あ、そうだ! (あんず)ちゃんってどう? 正明さんもいいかしら?」

「可愛くて良い名前だね。アンちゃんというのも共通だし」

「うん、ボクの妹。岡本 杏ちゃん。いいね!」

「うむ、その響き。実にいいのじゃ! 後はリタ殿取り返して4姉妹じゃ!」


 さっきまでのお葬式寸前の雰囲気ぶち壊し。

 これがマユ姉ぇとナナの「ひまわり」効果。

 この笑顔がある限り、俺達に敗北は無いよ!


「ということで、アンゲリカちゃん、いえ杏ちゃん。私の中へようこそ」

〝ありがとうございます。お父さん、お母さん〟


 そしてアンゲリカさんはマユ姉ぇの中に吸い込まれるように消えた。


「次に会うのは、秋かしら。元気で生まれてきてね、杏ちゃん」


 そうお腹をさすりながら話すマユ姉ぇの表情は慈愛溢れる女神様だった。


「さて、次はリタ殿奪還作戦じゃ! 敵は10日待つと言うておるが、それよりも早く強襲して招待準備が揃う前にぶちのめすのじゃ!」

「おー!」


  ◆ ◇ ◆ ◇


「さて、ココからは時間との勝負じゃ! 向こうに攻め入るメンツの選抜、物資・武具の準備、移動方法・脱出ルートの確保、大義名分の取得。色々とやる事は山積みじゃが、ワシらに悲観しておる時間は無いのじゃ!」


 戦闘終了後、保養施設の大広間を借りて夕食を食べながらの作戦会議。


「チエ姉さん、リタちゃんはいつまで大丈夫と思うの?」


 ルナちゃんは心配そうな顔でチエちゃんに聞く。

 マユ姉ぇのところで家族同然に居たルナちゃんにとってリタちゃんは妹同然。

 学校でも生徒会で一緒だから、心配してしまうのも当たり前だ。


「ええ、リタさんの安全が最優先ですからね」

「おー、俺も力さえあれば助けに行きたいぞー!」


 生徒会の男子メンバーも吼える。


「嘘が自分自身の存在に係る悪魔族(デーモン)じゃ。兄上の10日という発言に嘘はあるまいて。ただ、その時点でリタ殿の精神が無事かどうかは別問題じゃ。だから少しでも早く奪還する必要があるのじゃ!」


 どうせ碌に人質を大事にしないんだ。

 早く取り返すのが一番だよ。


「後、アンゲリカ殿の発言で、兄上が既に手に入れておるアルフの秘宝の起動キーが王族の血にあると判明しておる。じゃから、意識を奪って操り人形(クグツ)にする危険性はあるが、命の危険性は低いじゃろう」


 とにかく時間勝負だということは確かだね。


マユ姉ぇの爆弾発言、困ったモノです。

初期プロットと違う方向で、ハッピーエンドに持っていく。

チエちゃんといい、アル意味似たもの親子ですね。


そうそう、思考回路ショートネタ、海兵服美少女戦士主題歌です。


では、ブックマーク、感想、評価・レビュー等を頂けますと、とても嬉しいです。

皆様、宜しくお願い致します。

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