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功刀 康太の遺跡探訪、時々お祓い ~女難あふれる退魔伝~  作者: GOM
第五部 功刀康太の女難たっぷりな退魔伝
238/272

第238話 康太の魔神退治:その29「風呂の魔神将、そして恐怖の魔神将!」

「ふー、良い風呂だねぇ」


 今、俺はまったり露天風呂で入浴中。

 男湯は16人、女湯は18人。

 女湯の方からキャイキャイという声が聞こえてくる。


「すっかりあちらは賑やかですね」

「ええ、先生。ウチの娘達が多分一番賑やかでしょうね」

「まあ、今日は無礼講。貸切ですからお気になさらずに」


「ウチのタクト君以外は覗きに行きそうな子いないから安心ですね」

「室長、酷いよ。兄貴何か言ってよ」


「コウ、一緒に呑まない?」

「マサト君、キミいける口なんだね」

「コウタ、爺ちゃんと一緒に呑まないか?」

「オヤジ、コウタ呑めないんだって」


「これが日本酒というヤツか、実に旨いぞ!」


 爺ちゃん、教授、正明さん、黒田さん、寺尾室長、マサト、ススムさん、爺ちゃん、カツ兄きのオトナ組は、雪見酒と称して早速のんべモード。

 「(ランス)」さんは、珍しいもの見たさ食べたさで、強欲悪魔モード。

 タクト君は酒の肴扱いで弄られて、俺に助けを求めてくる。


「タクト君はアヤメさんにゾッコンだから他の女性に眼をくれないと思うよ。それにマユ姉ぇを敵に回した怖さは重々理解しているから、覗きなんて絶対しないよね」

「兄貴ぃ。それ褒めているのか、遊んでいるのか、どっちなのぉ」

「両方だよ」


「じいちゃん、背中流してあげるね」

「カズヤ、ありがとうな」


 内藤翁とカズヤ君は、なおも仲睦ましく過ごしている。


「ショウタ君、あんなオトナになっちゃダメだぞ」

「そうそう! コウタ兄さんなら見本になるけどな」

「うん、コウタ兄ちゃんは僕とお父さんを助けてくれたからね」

「確かにコウタはしっかりしているけど、見本とは違うような」


 中学生小学生組は、ダメなオトナ達を見て愚痴る。

 ただ、ステキなオトナ見本が俺というのが違うと思う。

 フランツ君も同意らしい。


「キミ達、俺はそんなに立派じゃないぞ。酒を飲まないのは、アルコールに弱いからだし、覗きとか言わないのもナナやマユ姉ぇが怖いからだし」

「そうじゃな、コウタ殿は、ナナ殿が据え膳でも手を出さぬ根性なしのお人好しだからのぉ」

「そうそう、……って、チエちゃん! どうしてこっちにいるの!」


 途中から自然に会話に加わるチエちゃん。

 空中に全裸で堂々と居るのは、ちょっと視線に困っちゃう。

 いかに幼い姿とはいえ、ウエストから下半身のラインとかは綺麗で女性らしさが見えるし、大股開きはナニが見えちゃうからやめて欲しい。

 思わず突っ込み返したけど、チエちゃんを見えないよ!


「だって、あちらで色々イタズラやったら追い出されたのじゃ! 大きな水蜜桃や桃尻見たら触りたくなるであろう。あちらには超ド級もおるんじゃ。この機会に触らんでどうするのじゃ!!」


 腕組みをして空中で脚を大きく開き、堂々と自分の性癖を論ずるチエちゃん。


 因みにド級とはもうおなじみ、イギリス海軍戦艦ドレットノート級の「ド」。

 カップサイズGを越えると言われるカオリちゃん、そして神聖なるマユ姉ぇ辺りは、ド級を越えた超ド級、史上最大の戦艦大和(ヤマト)級なモノをお持ちであろう。


 悪魔は欲望に純粋かつ貪欲と聞く。

 チエちゃんは、どっちかというと女の子が好きっぽい。

 「百合の花」咲かせたいのかも知れないが、こんな話小中学生組には聞かせられない。

 そう思ってそちらを見ると、


「あーん、見られたよぉ!」

「おい、副会長! しっかりしろ!」

「チエお姉ちゃん、恥かしいよぉ」

「キミ達しっかりするんだ。チエさん、やりすぎだぞ!」


 すっかりパニック状態。

 しっかりしているはずの三木君がナニ見られて困っている。

 他の方々も急いで浴槽に逃げて、自分の股間を隠している。

 情けないが俺もその一員だ。


「チエちゃん、さすがに今回はやり過ぎ。ちょっとは遠慮してよ」

「今日は無礼講なのじゃろ。遊ばなきゃもったいないのじゃ!」


 チエちゃん、頼むから俺に接近して、両腕を腰に当てつつドヤ顔で裸の胸張りながら、そのぽっこりとしたイカ腹を俺に近づけないで下さい。

 ピンクっぽいナニカとか、真っ白なお腹とおへそとか、綺麗に引き締まった「お尻」とか。

 それは猛毒、もう見ちゃダメなの。

 頼む、頼むから勘弁してよぉ!!


  ◆ ◇ ◆ ◇


「冗談じゃったのに、何で皆怒るのじゃ!」

「当たり前です。もー、チエちゃんのバカ」


 湯辺りした何人かがマグロ状態で横たわる大広間の中、浴衣でアグラをかくチエちゃんはタンコブが出来た自分の頭を撫でる。

 あまりにやり過ぎた罰に、マユ姉ぇからゲンコツを頂いていたのだ。


「しかし、一体なんで湯当たりするのじゃ?」

「バカなオトナ達は呑み過ぎね。お風呂で呑んだらあっという間にアルコール回っちゃうわ。他のヒトは誰かさんの為に浴槽に逃げ込んで出られなかったからね」


 チエちゃんから逃げ回ったヒトは、男女とも多数居た。


「そこまでワシがイヤだったのかのぉ」

「イヤとかそういう意味じゃないの。もう少しお淑やかさとか恥じらいとかを学んでよね」

「はいはい、母様(かあさま)。今度から学習するのじゃ」


 マユ姉ぇにこっぴどく怒られるチエちゃん。

 これも日常の風景だね。


「え!!」


 そう思っていた時、俺は強烈な悪寒を感じた。

 そしてその気配に覚えがあった。


「これは、この間の?」

「まさか『(ジェネラル)』兄上か?」


「こんばんわ、かな。諸君!」


 温泉施設の庭園に魔神将(アークデーモン)「将」と多数の異形なバケモノ達が現れた。


またまたチエちゃん暴走。

R15ギリギリシーンは筆者も困ります。

なんで、チエちゃん居たらこうなるんだろうか。


では、ブックマーク、感想、評価・レビュー等を頂けますと、とても嬉しいです。

皆様、宜しくお願い致します。


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