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功刀 康太の遺跡探訪、時々お祓い ~女難あふれる退魔伝~  作者: GOM
第五部 功刀康太の女難たっぷりな退魔伝
233/272

第233話 康太の魔神退治:その24「説明責任はあるよね」

2020年最初の更新です。

では、今年も宜しくお願い致します。

 俺達の目の前に、一年以上前に倒したはずの「(ナイト)」が現れた。

 正確には「騎」が憑依していた内藤和也君が人間としてそのままの姿で。

 もちろん、服は着ているぞ。


「チエちゃん、マユ姉ぇ! 一体これはどういう意味なの!?」


 直接戦ったナナ、リタちゃんは大きく動揺して、俺にしがみ付く。

 その小さな手は震えていた。

 何せ、「騎」は俺達が初めて意識して「ひとごろし」をした相手なのだから。


「今は時間が無いから詳しい事は後でじゃ! 簡単に言うと、これは『騎』の身体を借りたカズヤ殿本人じゃ!」


 え?

 確かカズヤ君の身体に憑依していたのが「騎」だったよね。

 で、今度は「騎」の身体にカズヤ君が憑依って事??


「皆さん、色々ご迷惑をかけて、また混乱させてごめんなさい。今は僕の事を信じてください」


 そうカズヤ君らしい彼は頭を深く下げる。

 どこまで信じていいのか。

 チエちゃんやマユ姉ぇが確認しているんだから大丈夫だとは思うけど、このタイミングで急に信じてと言われても、頭は納得していても感情はそうもいかない。


「ふーん、確かにオーラが『騎』とは全然違うよ。コウ兄ぃ、今は信じてあげたら?」


 さっきまで震えていたナナがカズヤ君を「視て」、その結果を俺達に教えてくれる。

 確かにカズヤ君は人類としては大きな魔力量だけど、アストラル体の形はヒトのモノだ。


「おにいちゃん、しんじてあげる? ちえおねえちゃんのことは、ぜったいしんじているよね」


 リタちゃんもそう言うし、基本信じてから動くのが俺の信条。

 騙される事も結構多いけど、後悔はしていない。

 だって、信じなきゃ何も始まらないからね。


「じゃあ俺は信じるよ。けど、3人とも後からゆっくりと説明してよね。マユ姉ぇの件といい、カズヤ君の事といい、終わってからが楽しみだね。特にチエちゃんには日頃の事もあるから沢山と聞かなきゃね」

「ありがとうなのじゃ! 後からちゃんと説明するのじゃ!」

「うん、ありがとう! コウタ兄ちゃん」


 チエちゃんとカズヤ君は俺と妹達に頭を下げた。


「ごめんね、チエお姉ちゃんがまだ早いからって僕の事言わないんだもの。それにコウタ兄ちゃんとナナちゃんのキスシーン撮影を何回も僕に手伝わせるし、困ったもの」

「こりゃ! いらんこと言わんでもいいわい、カズヤ殿!」


 うん、チエちゃんお説教決定!

 

「チエちゃん、後から逃げないでね。こりゃお説教コースかな」

「うん、チエ姉ぇ! 沢山話聞かせてね」 


 俺とナナはチエちゃんをジト眼で睨む。


「う! 母様、なんとか助けてくれなのじゃ!」

「ごめんなさいね。覗きの事は私も聞きたいしね」

「あう、困ったのじゃぁ!」


 とても強敵相手の前の会話じゃないけど、ヘンに緊張するよりいいんじゃね?

 なお、事情を知らない尼僧組とタクト君、ススムさんはポカーンとしてました。


  ◆ ◇ ◆ ◇


「つまり元敵だったという事ですね」

「正確には敵が乗っ取っておったのを乗っ取り返したのじゃ!」


 今、俺達は邪神がいるフロアーへ進入したところ。

 チエちゃんがカレンさんに、簡単にカズヤ君の事について説明していた。


「じゃあ、僕は目の前のバケモノ、吹っ飛ばしたら良いんだよね」

「そうじゃ! カズヤ殿の身体は高速移動が得意なのじゃ。 戦線を混乱させてくれたら後はこっちで相手するのじゃ! 出来れば秘宝とやらを回収してくれると助かるのじゃ!」


 今は簡単な打ち合わせ中。

 お互いの役割を決めておく事は辺り前。

 特に新規加入のカズヤ君の動きを他の人が知っておくのは重要だよね。


「じゃあ、俺は前衛で暴れ回るよ」

「コウタ殿、ワシも前衛に行くが、オヌシと魔剣殿が勝利のカギじゃ。蹴散らすのじゃ!」

「おー!」


 俺達はスライム状になって沢山分裂している邪神もどき達に突撃した!


  ◆ ◇ ◆ ◇


「ふー、片付いたのじゃ! 皆お疲れ様でしたのじゃ!」

「チエちゃんもお疲れ様でした。本気モードのチエちゃん、やっぱり強いね」


 カズヤ君がソニックブーム付きで突撃。

 チエちゃんは悪魔モードで牽制したところに俺が踏み込んで魔剣でばっさり。

 細かいのは、ナナの九十九神(ビット)乱舞にタクト君の爆裂球。

 マユ姉ぇは、カレンさんやススムさんと一緒に時々あぶれた敵を撃破。

 トドメに秘宝は、そこに群がる敵ごとリタちゃんの絶対零度。


 以上、身もふたも無いゴリ押し戦法。

 どうやら俺達は少々の相手では苦戦もしないっぽい。

 まあ、油断は大敵だけどね。


「では、コトミ殿のところへ合流して帰るのじゃ!」

「じゃあ、チエちゃんは後からゆっくり取調室へGOだね」

「うん、チエ姉ぇ。忘れてないよね」

「私もチエちゃんには色々と聞きたい事あるのよ。どうして正明さんに知らせる前に皆に言っちゃうのよ」


 早速皆に攻められるチエちゃん。


「あ、えーっと。そうじゃ。ここのポータルは回収せねばならぬから、ワシが後でテレポートで帰るから、話は後でじゃ!」

「チエちゃん、逃げたらチエちゃんがとっておきにしているチーズケーキ、皆で食べちゃうから、早く帰ってね」

「う、う、ごめんなさい。許してくださいなのじゃ」


 いくら無敵のチエちゃんも胃袋をしっかりと握っているマユ姉ぇには勝てない。

 さあ、ゆっくり話しを聞かせてね(笑)。

ナイショごといっぱいなチエちゃん。

いくら事情があっても説明義務はありますよね。

ではブックマーク、感想、評価・レビュー等を頂けますと、とても嬉しいです。

皆様、宜しくお願い致します。



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