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功刀 康太の遺跡探訪、時々お祓い ~女難あふれる退魔伝~  作者: GOM
第五部 功刀康太の女難たっぷりな退魔伝
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第214話 康太の魔神退治:その7「状況説明会その1 アリサちゃんの秘密」

「どんどんぱふぱふ! 久方ぶりの捜査会議じゃ!」


 爺ちゃん()の襲撃事件から2日後、関係者を集めた会が毎度恒例のチエちゃんのオープニングコールで始まる。


「アタシ達をノケ者にしないで欲しいんですよ、先輩!」

「ええ、コトミお姉様! 私もマユお母さんやナナちゃんの事心配なんだから」


 なお、事件には関係していないけど、俺やナナに関係していると言い張るコトミちゃんとルナちゃんが押しかけている。

 この2人、すっかり仲良くなって情報関連でマサトと一緒になって色々動いているのを見る。

 まあ、こんな事態、ゴシップ大好き娘のコトミちゃんが逃すはずも無いだろうね。


「はいはい、分かったから静かにお話しましょうね。では、室長お願い致します」


 半分呆れ顔のアヤメさんが興奮状態の2人を落ち着かせながら、寺尾室長を促した。


「では、今回の事件の大まかな状況を説明いたします。2日前の夜22時、秋山正蔵さん宅を所属不明の武装集団が襲いました。武装集団はかなりの連度が高い重装備かつ狙撃兵まで配置するもので、総勢27名でした」


 たかが、老夫婦家庭を襲う部隊、それも銃規制が厳しい国ではありえない重装備。

 裏に某国の存在があるのは誰にでも分かる事だ。


「家屋内に進入した兵、及び周囲で待機していた兵達12人は秋山ご夫婦により全て無力化されました。一応、誰も殺していませんし、銃刀法上問題のある武器は使用されておりませんので、正当防衛となっています」


 寺尾室長の報告を聞いて、自慢げな爺ちゃんと恥かしそうな婆ちゃん。

 うん、普通12人で老人2人に襲い掛かって全員半殺しで返り討ちに合うとは思うまい。

 これが正当防衛でなくてナニが正当防衛か。

 まー、婆ちゃんが手足切断したのは過剰防衛って言われてもおかしくないけど。


「後、移動指揮車両及び周囲に詰めていた兵士8人は襲撃連絡を受けて到着したチエさん、ナナさんによって気絶、無力化されました」


「うわぁ、ナナちゃんすっごい!」

「えっへん!」


 寺尾室長の戦果報告を聞いてびっくりしたルナちゃんに褒められて、鼻高々なナナ。


「周囲に配置されていた狙撃兵及びスポッター(狙撃補助)6名は、(おぼろ)さんによりこれまた完全無力化されてます」


「お褒めに頂き、恐悦至極でございます」


 悦に入りつつも華麗に振舞う朧さん。

 彼は、その振る舞いから様式美に拘っているのでは無いか?

 まー、強いし頼りになるから良いんだけどね。


「最後に彼らはコントロールした魔獣を使って秋山さんを襲いました。既に疲弊していた秋山さんは魔獣を倒しきれませんでしたが、到着した康太君によって無事退治できました。魔獣コントロールをしていた者は半分精神崩壊状態ですが確保しています」


 アレ、危ないタイミングだったよね。

 多分、攻撃はスマッシュさんが防いでくれたとは思うけど、後方のアリサちゃん達まで守れたかどうかは不明だよね。


「今回の犯人達ですが、重傷者ばかりで全員県警の警察病院送りです。身元に関してはパスポートは所持しておりませんでした。現在、顔、指紋とDNAから確認中です。一応、リドル女史やヴトケ君からの証言がありますので、米国に問い合わせはしていますが、今のところ無反応です」


 所詮は雇われ兵士。

 本国からすれば、簡単に切り捨てられるのだろう。

 銃を持っていたという事は、空港から入国したのでは無く、米軍基地経由だろうしね。


「証言も満足に取れていませんが、おそらく襲撃理由と思われるものは分かっております。では、北条さん宜しくお願い致します」


 北条 進は、横に座る金髪ハシバミ色(ヘイゼル)の眼の幼女の頭を撫でながら話す。


「今回の事件は、私と娘が秋山先生の下へ逃げ込んで発生したと思います。襲撃時に犯人達が私達を確保しろと叫んでいたのを聞いていますから」

「ああ、俺もそう聞いている。そこの魔剣すーさんも聞いていたぞ」

「魔剣である我の証言が採用されるかは分からぬが、明らかにターゲットはその親子、正確には幼子であったぞ」


 ススムさんの証言を爺ちゃんとスマッシュさんが裏付ける。

 しかし、すっかり「すーさん」で決まったのね、愛称。

 本人(?)、そこまで嫌がっていないから良いかな。

 なお、しゃべる魔剣をルナちゃんがキラキラした眼で「かっこいい」って見ているのは意外。

 女の子は普通、ああいう武器に興味持たないのだけど。


「皆さんのおっしゃるとおり、敵のターゲットは私の娘、アリサです。彼女には生誕の秘密があり、とある国家機関に眼を付けられたのです」


 きょとんとした顔で父親(ススムさん)の顔を見上げる幼女、アリサ。

 彼女には圧倒的な所有魔力量と二重な霊魂を持つという秘密があった。


  ◆ ◇ ◆ ◇


「うわー、この子とってもかっわいい!」

「うん、すっごくかわいいね」


 ナナとリタちゃんがアリサちゃんの周囲に群がる。

 さっきまで戦闘中で怖がっていたアリサちゃんは、女の子に囲まれて少し安堵した表情をした。


「あれ、この子オーラが二重だよ。それにものすごい魔力持ってるの」


 ナナがびっくりしてアリサちゃんを見た。

 きょとんとしていたアリサちゃんだけど、一瞬幼女とは思えないしっかりとした表情をしてリタちゃんに抱きついて話す。


「Edelfräulen Rita!」


「え、いまのはしんせいご(ドイツ語)?」


 リタちゃんはびっくりする。

 しかし次の瞬間、アリサちゃんは幼女の表情に戻り、「もーねむいよぉ」と話した。


「すいません、北条さん。聞きたい事は沢山ありますが、アリサちゃんは日本語以外はどんな言語をお話しますか?」


 俺は両親の事を放置して、アリサちゃんの事を聞いた。

 彼女はリタちゃんに向かってはっきりとドイツ語で話した。

 そう「リタ姫様」と。

 今、エルフ耳を幻影で見せていないリタちゃんに向かって、ドイツ語で姫様と話すというのは不思議な話だ。

 それにナナがオーラが二重と言っている。

 それはサーちゃんが同居するクロエさんと同じ、つまりアリサちゃんに「ナニカ」リタちゃんと関係ある人物の霊魂等が憑依している可能性がある。


「アリサは英語と少しの日本語を話すだけです。今の言葉はドイツ語に聞こえました。こんな事は初めてです。一体、どういう事なんですか?」

「それは俺も知りたい事ですが、仮定でよければ話せるかもです」


 俺はチエちゃんの方を見た。


「そうじゃな、おそらくはコウタ殿の想像どおりじゃな」

謎の美幼女、アリサちゃん。

その身体や霊魂には秘密があるようです。

それにリタちゃんとも関係があります。

世間は狭いのでしょうか、それとも作者がご都合主義なのでしょうかw


では、ブックマーク、感想、評価・レビュー等を頂けますと、とても嬉しいです。

皆様、宜しくお願い致します。


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