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功刀 康太の遺跡探訪、時々お祓い ~女難あふれる退魔伝~  作者: GOM
第四部 功刀康太はようやく遺跡探訪して、神器争奪戦をする
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第192話 康太は冒険者になる:その41「神器争奪戦5:古のものとの交流2!」

「色々聞きたい事はありますが、まずお聞きしたいのは何故今貴方は起きられたのですか? あ、すいません。いつまでも『古のもの』サンと呼ぶのはいけませんよね。我々でいうなら『人間』サンって言われているのですから。俺は功刀康太と申します。」


〝そうだな。ソナタ、コウタの言う通りだ。我の事は、うむ、『ヒラム』とでも呼ぶが良い〟


 後から調べて知ったけど、ヒラムはソロモン王に親交が深かった隣国ツロの王の名前だそうな。


「では、ヒラムさん、最初の質問にお答え願えますか? 俺達がこの部屋に入ったのが貴方が起きた理由ですか?」


 俺の質問に「古のもの」ヒラムさんが答える。


〝そうだ。この部屋は聖櫃(アーク)等の聖遺物が収められている。それを預かるのに相応しい人間がこの部屋に訪れた時に、我が目覚めるようになっておる〟


 つまり俺達の誰かが秘宝を使えるという事だ。

 一体誰がその資格があるのだろう?

 霊力的に考えれば、マユ姉ぇ、チエちゃん、ナナ、リタちゃん、タクト君くらいか?

 俺は今、カグツチ様と契約したタクト君以下の霊力しかない。


〝我はモーセ、ソロモン、その他歴代の継承者から誰が相応しいのか判断する役目を頼まれておる。まったく困った頼みだが、人間ではいく数千年も生きる事は適わぬ。なれば、寿命という概念が無い我らが行うしかあるまい〟


 なんか、ものすごい壮大な話になってきたんだけど。

 そういえば、さっき候補に出した人全員キリスト教等の一神教を信じていないぞ。

 じゃ、ダメじゃないの?


〝もともとこれら神器は、人間が我らに製造管理を依頼して作ったものだ。我らが扱うには不都合な形からもそれは分かるだろう〟


 うん、あの杖とかヒラムさんが触手で触るのは似合わないよね。


〝我らが邪神共との戦いの後、さらに憎っくきミ=ゴ共との戦いの後、南極や各所の海底・地下都市にて深い眠りに入ったのは知っておるな。その後、世界の状況を定期的に観測する為に眠りから起きるものがおった。そして、我らは人類と接触したのだ〟


 確か恐竜が跋扈するジュラ期に宇宙より襲来したミ=ゴとの戦いに敗れたと聞いている。

 ミ=ゴは人類とも敵対する存在で、今も人類内にスパイを置いているとか。

 更にジュラ期には「イスの偉大なる種族」も地球にいたそうな。

 しかし、地球は神話生物から見てどんだけ魅力的だったのだろう。


 そういえば、邪神神話に「星の戦士」という善なる旧神がいらっしゃって、時々地球にもいらして邪神どもと戦っているとか。

 彼は、なんでもオリオン座に存在するM78散光ガス星雲から来ているらしい。

 そう偶然にもアノ「ウルトラの星」がある星雲からなのだ。

 確か、平成シリーズのウルトラマンで邪神ガダノゾーアと戦った(ティガ)がいらしたし。

 彼はウルトラの星出身じゃないけど

 うん、やっぱり日本では、邪神はヒーローに倒される運命なんだね。


 と、脳内で3秒ほどヨタ話している間に、ヒラムさんの話は続く。


〝それはソナタ達がいう中東・バビロニア近郊でだ。調査隊はそこで初めて人類と接触したのだ。まだ都市国家にもなる随分前であるがな。最初我らは、人間が我らが飼育していた家畜に似ていたので、かなり警戒をしていた。今思えば人間側も見たことが無いバケモノを見て、警戒していたのであろうな。一触即発の状態のとき、しかし彼らの中にいた幼子が我らを怖がらずに花を持ち接触してきたのだ〟


 ヒラムさんは5つの眼を右上に向けた。

 どうやらその調査隊員がヒラムさんだったっぽい。

 それは人間であれば明らかに過去を思い出すしぐさだから。

 

〝その幼子は大人達の制止を振り切り、我に近づいて小さな手で花を差し出したのだ。『お花どうぞ』と言いながら〟


 あ、やっぱりヒラムさんが、初めて人類に接触した「古のもの」なのね。


〝その時は人間の表情など分からなかったが、後に思えば恐怖と興味と好意が混ざった笑顔だったのであろう。我は、敵意を全く感じないその幼子から花を受け取ったのだ。すると幼子は笑ったのだ、『受け取ってくれてありがとう』と言いながら〟


 ヒラムさんの目に何か光るものが見える。

 どうやら眼球の保護機能と感情が連結するのは、人類も「古のもの」も同じらしい。


〝今も昔も人間の子には我らは敵わぬ。それ以降、我らは人間と友好的な環境を築き上げたのだ〟


 ヒラムさんは、ナナやリタちゃんを見下ろしながら話す。

 あんまり話が分かっていないだろうナナやリタちゃんはきょとんとしながらも、笑顔をヒラムさんに返した。

 1人の幼子が一歩間違えば虐殺になっていた人類と「古のもの」との関係を取り持った。

 まさしく、今ナナがヒラムさんを守ったように。


〝その後、バビロニアやハイパーボリア等の建設が行われたのだ。そこで我らと人間で様々な取り決めが行われたのだが、我らに頼まれたのが聖遺物の管理だったのだ。〟


 確かハイパーボリアってグリーンランドにあったという超古代文明都市だよね。

 氷河期の始まりで人間がいなくなったと聞いている。


〝ハイパーボリアの首都、コモリオムは文明の粋を極め、我らの科学技術の一部をも再現させた。その都市内の王立工房で我ら協力の元生まれたのが数々の神器だ。そこなる聖櫃、杖などもそうだし、お主達が知る神話の武具遺物も大半がそこ製だ。お主、コウタとか言ったな。お主が使った神剣のオリジナルもコモリオム工房製だ。分霊されたとはいえ、本来の後継者でないコウタが使うには厳しかったであろう〟


 えー!!

 なんかスゴイ話になってきたぞ!

 草薙剣のオリジナルが超古代文明の遺物だという事はなんとなく思っていたけど、「古のもの」絡みの超アイテムとは思っていなかったよ。

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