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功刀 康太の遺跡探訪、時々お祓い ~女難あふれる退魔伝~  作者: GOM
第四部 功刀康太はようやく遺跡探訪して、神器争奪戦をする
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第187話 康太は冒険者になる:その36「遺跡攻略11:今日も日本へ帰還!」

「では、騎士団の方々の事、宜しくお願い致します」


 俺達は、海兵隊の方々に騎士団の方々を渡した。

 騎士団の方々にも事情を説明して、とりあえず納得はしてもらった。

 取調べとかあるだろうけど、命の保障があってちゃんと家に帰れるのなら文句はあるまい。

 1人文句があるだろう師範代理については、厳しい取調べの後それなりの刑罰が与えられる事だろうけど。


「しかし、本当にそんなモノで帰れるのか?」


 グレンさんは興味深そうにポータルを見る。


「そんな便利で不思議なもの、アタクシも使ってみたいですわ」


 俺達がポータルで帰ると聞いたクロエさん、仕事を放り出して飛んできた。

 クロエさん、理論物理学者さんらしいから空間跳躍を行うアイテムに興味津々らしい。

 クロエさんが専門外の遺跡探索に参加したのは、「門」の機能解明のためらしいし。


「まあ、その辺りはワシにお任せなのじゃ! CP(コマンドポスト)、聞こえるかなのじゃ!」


 チエちゃんはポータルから本部にいるマサトに連絡をする。


「はい、こちらCPマサト。今日は定時報告があったから安心していたよ」

「ナナちゃん、げんきー!」


 あら、今日もルナちゃん来ているのね。


「はーい、ボク元気だよー! ルナちゃん、面白い事あったからいっぱい話すね」

「うん、楽しみにしてるよ!」


「よし、通信もちゃんと通じておるのじゃ! ん? 何が不思議なのじゃ、大尉殿?」


 グレイさんが不思議そうな顔をしてCPと通信をしているのを見ていた。


「だって、ここは地下遺跡だろ。どうやって電波を飛ばしているんだ? 俺達は『門』を開きっぱなしにして有線通信しているのに」


「このポータルは『ドア』生成の他に、通信機能も持っておるのじゃ。だって、ここは南極にある異空間じゃ。普通の通信機なぞ繋がるはず無いのじゃ。ならば『ドア』を作る要領で小さな穴あけて電波を飛ばす超空間通信をするのじゃ!」


 チエちゃんはグレイさんに説明する。


「おい、ここが南極だって?! それはどういう事だ!」


 ほう、少なくとも海兵隊の方々は、ここがどこか知らないんだね。


「それに関しましては調査隊の方々と情報共有致しましたので、ご確認下さい」


 金子先生が、グレイさんを宥める様に話す。


「なら、後から学者さん達に聞くぞ。しっかし、お前らどこまで規格外なんだよ」


 諦めというか呆れ顔のグレイさん。


「まあ、それについては追々お話しますわ。さあ、帰りましょ」

「はーい!」


 マユ姉ぇが話を纏める。


「ねえ、もし良かったらアタクシもその『ドア』とやらを通っても良いかしら? 原理とかに興味ありますの」


 クロエさんが、少し恥かしそうに自分も「ドア」を通りたいと話す。


「まあ、それは構わんのじゃ。もし良ければ、今晩ウチに泊まるかのじゃ? リドル殿、お主日本文化にも興味ありなのじゃろ。そうじゃのうて、普通ここまで日本語を堪能にはならんのじゃ」


 チエちゃんがクロエさんを引き止めるように話す。

 クロエさんの中の「調(サーチ)」さんと話したいのかも。


「え、宜しいのかしら。アタクシ、別に貴方方の仲間でも無いですし」


 なんかモジモジとしだすクロエさん。

 この感じ、どうもクロエさん自体が日本に行きたいという雰囲気だぞ。


「別にいいのじゃ! 母様(かあさま)、女性一人なら泊めてもかまわんじゃろ」


 チエちゃんはマユ姉ぇに許可を取る。


「ええ、良いわよ。他ならぬチエちゃんの『オトモダチ』ですもの」


 マユ姉ぇは意味深な笑みを浮かべて話す。

 グレイさんが知らないであろう、サーチさんの事も含めての話であろう。


「あ、ありがとうございます。今から荷物取ってきますから、皆様お待ちくださいな」


 そう言うとクロエさんは飛ぶように走っていった。


「チエちゃん、良かったね」


 俺はチエちゃんの頭をナデナデしながら、話した。


「うみゅぅ、ナデナデは気持ちいいのじゃが、子供扱いなのは少し心外なのじゃ」


 結局、クロエさんが帰ってくるまでの10分間、俺はチエちゃんをナデナデしていました。

 だって、止めるタイミングなかったんだもん。

 いつもなら嫉妬するナナやリタちゃんが、逆にチエちゃんを褒めてあげろって言うんだもの。


  ◆ ◇ ◆ ◇


「では、私は一度文科省に事情説明に行ってきます。今晩は、私からの慰労ということで、一緒に食事しましょう。私のポケットマネーですので、回るお寿司で良ければですが」

「はーい!」


 今は少し早めの16時、いつもなら一旦CP(マユ姉ぇ宅)に帰ってから、各々の家にあるポータルへ別途門を開いて帰宅するのだけど、今日は金子先生がおごってくれるという事で、一旦解散はするが夜に再集合という事になった。


「Nice to Meet You! 始めまして、僕はコウの友人でCP担当をしています伊藤(いとう) 雅人(まさと)と言います」


 マサトはクロエさんにご挨拶をする。


「アタクシは、Chloe(クロエ) Riddellリドル。専門は理論物理学なの。このゲートシステムを開発したのは貴方? これどうやって操作しているの?」


 クロエさんは、マサトに対して質問攻めをする。


「これはチエちゃんが基本設計をしたので、僕は殆どわかりません。次元石の空間制御を利用しているとは聞いています。操作に関しては、このPCから操作します。それぞれのポータルにはMacアドレスを割り振っていまして、こちらのメインゲートと一対一で接続するようにしています」

「そうなのね。わざとポータル同士を繋がないようにしているのは混線防止、もしくは悪用をされないためなの?」

「はい、そういう事です。ゲート生成は、ポアンカレ予想やブレンワールド理論を用いて……」


 マサトは自分がわかる範囲でクロエさんに説明している。

 俺には理解しづらい高度な会話を始めた。


「では、リドル殿はマサトに任せておいて、全員ひとっ風呂入るのじゃ! この人数じゃ、スーパー銭湯へGoなのじゃ! アヤメ殿、車の手配よろしくなのじゃ!」

「はい!」


「あ、ジャパニーズお風呂はアタクシも行きたいです!」

「ナナちゃん、私も一緒に行くの!」

「私も日本の風呂とやらには興味がある。是非とも同行をお願いしたい」


 あらあら、ルナちゃんの他にクロエさんやフランツ君まで同行することになるとは大変なことだね。

 ということで、総勢16人の大人数になってしまいました。


  ◆ ◇ ◆ ◇


「ふぅぅ、なんか冒険よりも疲れたぁ」

「うん、ボクもそうだよぉ」


 風呂上りの休憩所で、2人してため息をつく俺とナナ。

 日本の大衆浴場というものが始めての海外の方を連れて行くという事がどれだけ大変なのか。

 リタちゃんはナナと数回スーパー銭湯に行っていたから問題は無かったけど、フランツ君はお湯が熱くてのぼせ上がるし、クロエさんは妙に興奮して暴走しそうになるし。


「男湯の方まで声聞こえていたけど、英語だからリドルさんだよね。なんか『ジャパニメーションで見たのは本当だったのか?』みたいな感じだったけど」

「うん、どうもあのお姉様、重度のオタクっぽいの。所々の会話を聞いていたら、どっかで聞いたアニメネタばかりだもの」


 そうか、クロエさんが日本に来たかった理由が分かったよ。


「じゃあ、ナナ。リドルさんは今晩と明日の朝、たっぷりとアニメ接待してあげてね」

「うん、多分そーなると思ったの。あのヒト、腐女子傾向もあるっぽいからボクのレパートリーで満足するかなぁ」


 ナナのレパートリーはどっちかというと男の子向けが多い。

 一応美少女モノくらいは抑えているけど、腐女子向けは少ないはず。


「そこは任せるよ。その分、サーチさんがチエちゃんとお話できるからね。あ、『虎とウサギさん』のバディモノならいいんじゃない?」

「アレなら受けそう。うん、ボク頑張るね」


  ◆ ◇ ◆ ◇


 その後の「回るお寿司」も海外勢は大興奮。

 お安い価格で楽しんでもらえたのなら、今回のスポンサーの金子先生も助かったと思う。

 だって、最終的に19人分の支払いだもの。


 なお、クロエさん、俺お勧めのアニメやその後深夜アニメから日アサ時間まで存分に堪能していました。


「あー、コテツ様ぁ。キリトくんも良いのぉ。プリティでキュアキュアもいいわ。イケメンライダーもさいこー。何でこれをアメリカでリアルタイムで見えないのかしら。是非とも研究所に日本アニメを見れる環境を作らないと。そうだ、確かネット回線経由で海外の放送を見る方法があったわ。真由子様、すいませんがお願い聞いてくださいませんか?」


 うん、効果抜群すぎて怖いよ。


「ボクもそう思うの。このお姉様、凄過ぎなの」


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皆様、宜しくお願い致します。


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