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功刀 康太の遺跡探訪、時々お祓い ~女難あふれる退魔伝~  作者: GOM
第四部 功刀康太はようやく遺跡探訪して、神器争奪戦をする
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第186話 康太は冒険者になる:その35「遺跡攻略10:そろそろ帰還!」

「康太君、こちらの方は話が纏まったよ。共同調査及び遺物の取り分。康太君の提案通り、遺物に関してはこちらが60%という事になったよ」

「アタシに掛かれば、商談も上手くいきますよ。どうせ先輩なら55%も取れなかったでしょうし」


 調査隊同士の話し合いについては、無事に纏まったらしい。

 コトミちゃんの言う通り、俺なら55%でも多いかなと思っていたけど、お互い納得して6割になったのならイイや。


「で、先輩。そっちも何か意味アリよね。後でアタシに教えてくださいね」


 コトミちゃんは自分が役立ったという事をアピールしたいのか、腕を横から抱いてくる。

 えーと、それ胸押し付けているんですが。


「あー、コトミお姉ちゃんずっるーい! コウ兄はボクとリタちゃんのモノだよぉ」

「うん、ことみおねえちゃん、こうにいちゃんを とらないでぇ」


 今度は、ナナがコトミちゃんを俺から引き離し、リタちゃんと一緒になって両側から「小さな胸」を押し付けるようにサンドイッチされる俺。

 喜んでいいのか、困ったらいいのか複雑な心境だ。


「えー、ナナちゃん達ずるいです。アタシ、せっかく先輩に褒めてもらおうと思ったのに。後、先輩ソレ喜んでいたら『ロリ』疑惑流しますよ」


 あー、怖い。

 オンナ同士の火花溢れる戦いが俺の目前で行われている。

 いかな幼くてもオンナはオンナ。

 俺は、SAN値直葬便(さんちちょくそうびん)になりそうに精神を削られた。

 どこの世界に神話生物よりも正気度を削るオンナの戦いがあるのでしょうか。


  ◆ ◇ ◆ ◇


「なるほど、チエちゃんが生き別れの妹に会ったという事なのね」


 コトミちゃんは、やっと落ち着いて俺の話を聞いてくれた。

 あのまま(オンナの戦い)では埒があかないから、俺が3人の頭ナデナデを5分以上したけどね。


「さて、どうします金子先生? もうだいぶ時間が経過しました。アメリカ軍の方々はイラク時間で動いているようですから6時間強は我々の方が進んでいます。今日これ以上の探索は厳しいですから、続きは明日で良いですか? マユ姉ぇ、今回はこれで良い?」


「はい、私共としてもアメリカ調査隊との繋がりが出来たので、今日の成果としては十分です。すでに少々情報も得ましたし」

「そうね、私も十分暴れられたから満足ね」


 金子先生のお答えは良いとして、マユ姉ぇが毎度ながら怖いよ。


「では、今日はここにポータルを置いて帰りますか。あ、騎士団の事忘れてた! チエちゃん、あっちどうなっているの?」

「向こうは(おぼろ)がちゃんと接待しておるのじゃ。まあ、1人(師範代理)だけは、縛って転がしておるがな」


 どうやら騎士団の方々は1名除いて、丁重に扱われているらしい。


「じゃあ、彼らの事海兵隊に任せちゃう? それとも日本の公安にまかせて母国に強制送還してもらう? 確かグリーンランドに繋がる『門』はあるだろうけど、向こうには騎士団、最悪マスターとやらがいるよね。このまま向こうに返したら、彼らは酷いことになるだろうし、そうじゃなくても俺達の敵を増やすだけだよね」


 話しぶりを見るに騎士団調査隊の大半はフランツ君同様騙されてマスターとやらに従っていたっぽい。

 ある意味被害者だから、騎士団に帰ってマスターに酷い目にあわされるのは可愛そう。

 その上、再度洗脳とかされて俺達に敵対されても困る。

 向こうの戦力を削ぐ意味でも、騎士団調査隊はこっちで確保したい。


「うむ、全員アメリカ国籍なら、海兵隊の方が都合よかろう。彼らには自国民の保護義務があるからのぉ。今回、海兵隊に大きな被害が出ておらんのだ。それくらいバチ被ってもらおうか」


 それはフランツ君に確認だね。


「コウタ殿、ちなみにその辺は既に確認済みじゃ。騎士団の本部はアメリカじゃし、確認したところ、全員アメリカ国籍じゃったぞ。後、やっぱりフランツ殿同様『アレ』仕掛けられておったから除去もしておいたのじゃ」


 あら、チエちゃん。

 仕事がとても速いことだ。

 しかし、「アレ」とは何だろう?

 フランツ君の時も教えてくれなかったし。


「チエちゃん、『アレ』って一体何? 前教えてくれるって話だったよね」


 俺はチエちゃんに疑問を問いかけた。


「コウタ殿は知らない方がイイ事じゃ。決して気持ち良い話では無いからのぉ。今回の事態が解決したら教えるのじゃ!」

「そうね、アンナ事、コウちゃんが聞いたら激情しちゃうもの」

「先輩、普段は冷静なのに案外簡単にすぐにキレますからねぇ。まあ、ナナちゃん関係なら即だけど」

「え、そうなんだ。コウ兄ぃ、ボクの事大事にしてくれているんだね」

「わたしもだよね、おにいちゃん!」


 どうやらチエちゃんはマユ姉ぇに相談済み。

 そして俺が怒り狂うような事を騎士団のマスターとやらがしているらしい。

 俺は再び妹達の頭をナデナデしながら、これ以上気にしないことにした。

 どっちにしろ、マスターとやらとは何れ戦うんだろうけど。


  ◆ ◇ ◆ ◇


 俺達は騎士団の方々の処遇を海兵隊に任せた。


「オマエら、どこまでお人好しなんだよ。元に返した方が良いんじゃないか?」


 大尉(グレイさん)は、俺達の意見を聞いて呆れる。

 まあ、自分達の仕事が増えるから、嫌がるのも分かるけど。


「そうなると、再び俺達に敵対するかもしれません。敵の戦力を削ぐ意味でも効果的ですから。それに俺達、そろそろ帰ります。俺達に彼ら全員を養う余裕なんてありませんから」


 俺の反論を聞いて苦笑するグレイさん。


「そりゃそうだがな。俺達も国民を放置する訳にもいかんし、しょうがないか。判った、彼らの身元は引き受けよう。ただし、衣食住はホテルとかじゃないから、それは納得しろ」


 刑務所送りとかじゃないなら良いんじゃないの。


「それと、帰るってドコに帰るんだ? お前たちベースキャンプ無いって言ってたよな」

「はい、ですから日本に帰ります。そうそう、明日もまた来ますから宜しくお願い致します」


 俺は普通に答える。


「え!!!! それはどういう事だよ!」


 あ、そうか。

 普通の人達には、テレポートとか転送門とかイメージ思いつかないんだ。


「ですから、『門』作って帰ります。大尉達も『門』通って来ましたよね。あれと同じなんですけど?」


「はぁぁぁ!!」


 大尉の大声で、色んな人が大尉のいるテントに武装しながら飛び込んできた。

 うん、しょうがないけど、「門」については理解して欲しかったね。

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