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功刀 康太の遺跡探訪、時々お祓い ~女難あふれる退魔伝~  作者: GOM
第四部 功刀康太はようやく遺跡探訪して、神器争奪戦をする

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第156話 康太は冒険者になる:その5「剣山遺跡に潜む謎!」

「それでは、今回の議題について説明するのじゃ! コウタ殿、宜しくなのじゃ!」」


 チエちゃんコールから始まる会議。


「はい、今回については俺から説明します」


 議題が議題だけに、俺が説明しないといけないよな。


「議題は、四国剣山遺跡探索への参加についてです」


 俺は、集まった全員の顔を見回す。

 ナナとかリタちゃんはピンと来ない様子、そりゃ関東から四国の話は理解できない、特に異星人エルフのリタちゃんに理解してというのがムリだよね。


「詳細は、後から国立考古学研究所所長の金子先生から説明していただきますが、俺からは剣山遺跡について簡単に説明します」


 うむ、いつも学会発表の練習しているから、こういう説明はうまくいくね。


「では、お手元のパンフ見てください」


 俺は突貫で作ったA4用紙4枚程度のパンフレットを提示した。

 こういうの作るのも、学会発表ではいつもの事だ。

 最近ではパワポで作るから、昔からすると楽になったそうだね。

 昔は、いちいちOHPシートに手書きしていたそうだし。


「まず場所から。遺跡が発見されたのは、四国は徳島県三好市祖谷(いや)、西日本2位を誇る霊峰剣山(つるぎさん)周辺です。昨年の西日本豪雨被害の際に国道が路面崩壊し、崩落した山腹から遺跡の一部が露出されました」


 パンフに書かれた地図を示しながら説明する俺。

 うん、今のところ、うまく説明できてるね。


「ここ剣山は、多くの伝説、逸話があります。その中でもっとも有名で怪しいのが『古代イスラエルのソロモン王の秘宝が隠されている』というものです」


 うん、皆あっけに取られるよね。

 なんで、日本は四国に古代イスラエルの秘宝があるんだって。

 俺も噂を初めて聞いたとき、首捻ったもの。

 これは、オカルトネタ雑誌「ムー」でもよく注目されるネタだ。

 「かごめかごめ」の歌詞がキーとか。

 そういえば「ムー」は最近とある大物アニメ映画監督ご用達だね。


「あまり信じられていない説ではありますが、古代イスラエルの失われた10支族という何処に行ったのか不明な人々が居て、その一部がアジア、そして日本にまで来たというのがあります。これが明治時代に日ユ同祖論、つまり日本人とユダヤ人が同じ祖先を持つという論になりました。まあ、実際にはシルクロードを通じてユダヤの文化が伝播したというところでしょうけど」


 皆の表情を見るに、ある程度納得してくれたようだ。

 まあ、古代中国へユダヤ系の人が来た事実はあるし、文化というのは伝播していくものだからね。


「しかし、今回問題なのは、見つかった遺跡が『次元石』を使用した転送門らしきものだったのです。そしてそこに書かれていたのが古代イスラエルの文字、古ヘブライ文字で『聖櫃アークへの扉』と書かれていたんです」


 びっくりする皆、そりゃそうだろね。

 次元石は、リタちゃんを地球へ連れてきた、そして教祖を操り、ルナちゃんを蜘蛛女と変え、リブラという邪神を作り上げたモノ。

 今も危険だからと、公安からチエちゃんが預かり保管している。

 残り1個は、今も俺の胸元で輝いている。


 そして「聖櫃アーク」といえば、一神教の秘宝。

 映画の題材にも使用される有名物だもの。


「コウ兄ぃ、アークってあのアーク?」

「ナナ、お前が何言いたいのか、分からない事もないけど、インディジョーンズシリーズ第一作目に出たアレだよ」


 それで納得するナナ。

 もう大分古い映画だけど、有名だしね。


「では、ここから先は金子先生から、現場の状況の説明お願い致します」


「はい、今回皆様にご無理申しましたのは、遺跡の危険性についてなんです」


 金子先生は、いつもの福々しい表情を険しくして語る。


「我々調査隊が、現地に入り調査開始する数日前でした。突然遺跡が起動して異界への門が開いたのです。そしてそこは地獄でした」


 恐怖に顔が歪む金子先生、どんな地獄が見えたんだろう?


「遺跡での門は、ただ門が存在するだけで、どこにも繋がっていませんでした。しかし石が虹色に輝き遺跡が起動した際、門は別の場所に繋がったのです」


「それって、ドラちゃんの『どこでも……』?」


 マユ姉ぇの突然の質問に、それまで厳しかった金子先生の表情は緩む。


「ええ、そういう事ですね。まあおそらく繋がる場所は固定なんでしょうけど」


「と、いうと今まで複数回起動があって、毎回同じ場所に繋がったと?」


 俺は苦笑いしていた金子先生に聞いた。


「はい、そうです」


 金子先生の表情は硬いものに戻る。


「すいません、話の腰を折って。お話を続けてくれませんか?」


 俺は金子先生に謝って、話を続けさせた。


「ええ、最初は工事関係者が門の起動に気がついて、中を覗いたんだとか。そこは薄暗い都市だったそうです。写真もありますので、ご覧下さい」


 俺達は金子先生から提示された写真(タブレットに拡大されたものだけど)を回し見した。

 それは巨石による石作りの家らしきものが多数並ぶ広大な都市遺跡だった。

 天井らしきものも見えたので、もしかすると地下都市とかの(たぐい)か?

 そういえば、剣山のヨタ話の中に、地下都市を発見し多数のミイラ化した遺体があったという記事が過去に地元新聞に掲載されたとかいうのがあった。

 実際には、ミイラ化したような枯れた土壌が地下深くに埋まっていたというものだったと言われている。

 しかしまさか、それが事実で地下都市とは「門」から繋がった先だったとは……。


 しかし、恐怖はこれだけじゃあるまい。


「そして中に踏み込んだ作業員は、『テケリ・リ!』と叫ぶ粘液状の生物に飲み込まれたのです!!」


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皆様、宜しくお願い致します。


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