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功刀 康太の遺跡探訪、時々お祓い ~女難あふれる退魔伝~  作者: GOM
外伝:ナナとリタの学園退魔伝
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第144話 ナナは生徒会長になる:その3「生徒会長って忙しい:3」

「だって、蜘蛛女って私の事だもん」


 ぼろっと言っちゃうルナちゃん。


「えー!!」

「きゃぁ!」


 大声を出して驚く副会長、三木君。

 女の子のような声を出して気絶する庶務の森川君。


「あーあ、言っちゃったよ。ルナちゃん、後が大変になるよ」


 ボクとリタちゃんは、気絶した森川君を2人がかりで持ち上げようとする。


「う、重い。これ80kg超えていない?」

「おねえちゃん、もういいよね。まほう、つかってもちあげるね」

「もう、しょうがないね、良いよリタちゃん」


 リタちゃんは両手を合わせて念を込める。

 すると風も無いのにセーラ服のスカートの裾が舞い上がり、全身が光りだす。

 その光が森川君へと移り、彼は空中に持ち上がった。


「え、え、一体何が? あ、リタさんその耳は?」


 リタちゃん、複数の魔法を同時展開するのが苦手らしい。

 だから何か魔法を使うと幻影で誤魔化しているエルフ耳が明らかになっちゃうの。


「もう全部説明してあげるから、話をちゃんと聞きなさい。会長命令よ! それと絶対に口外厳禁! 誰かに言ったら公安から怖いお姉さんが来るからね」


 うん、嘘は言っていない。

 公安から、怖いけど綺麗なアヤメお姉さんが来るから。


  ◆ ◇ ◆ ◇


「そういう事だったんですね。まさか身近にこんな不思議な話があるなんて」

「オレ怖いの苦手だけど、リタちゃんの事なら怖く無いし信じているから」


 なんとか気絶から復活した森川君を加えて2人の男子達にボク達の事情をざっと説明した。

 お母さんやコウ兄ぃ、チエ姉ぇの事は殆ど話してないけどね。

 第一、ボク達の話で一杯一杯だろうに、チエ姉ぇが加わると話がもっとややこしくなるもん。


 なかなかオカルト系の話は信じない人には説明しづらいけど、リタちゃんという生きた見本、それも絶品の美少女がいると話は早い。

 特にオトコ共は元々リタちゃんに撃墜されているから、敵に回る心配が無いのは良いよね。

 まあ、別の意味(笑)では危ないけど。


「エルフ耳って現実だとこうなんですか。しかし、お父様を亡くされて地球に逃げてきたなんて、大変だったんですね、リタさん」

「おお、オレ、絶対リタちゃん守るんだ!」


 あらあら、「リタ姫親衛隊」の増員確定ね。


「わたし、だいじょうぶだよ。こうにいちゃん や おかあさん、おとうさん、ななおねえちゃん、ちえおねえちゃん、るなおねえちゃんがいるもん。それに、ゆきおにいちゃん や かずやにいちゃんもね」


「ああ、健気な」

「おー、オレ泣ける!」


 こいつラ、本当に大丈夫なのかな?


「えーっと、私の話どこかに行っちゃいましたね。ナナちゃん、ごめんなさいね、話をややこしくして」


「もう良いんだって、ルナちゃん。でもこれで、ここでもオカルト系の相談できるから良かったよ」


 ルナちゃんの件はリタちゃん程インパクトが無かったのか、案外へーって感じで受け入れられた。


「私としては、イジメ撲滅に協力してくれれば後はどうでも良いけどね」


「いえ、卑怯なイジメは我が校でも撲滅対象ですから」

「うん、オレ部活でもシゴキとイジメは注意しているから」


 ウチの場合は、元々ボクが締めていたから、問題は少なかったんだけどね。


「という訳で、まだ未確認の7不思議を確認するわよ! まずは理科室ね。なんか嫌な予感するのよ」


  ◆ ◇ ◆ ◇


「これが人体模型クンね。到って普通、んじゃないよ、これ?」


 関節部に妙に抵抗があるし、背中から配線が外に飛び出している。


「えーっと、LEDとか仕込んでいないし、電源が必要な事は普通無いわよね」


「ナナちゃん、これもしかして……」


「会長、僕は昔ラジコンで遊んでいたし、最近ではドローンも興味があって勉強しているから分かりますが、……」


「おねえちゃん、らじこんってなに?」


「オレ、機械そんなに得意じゃないし、コレ怖いんだけど」


「色々と分かったわ。さて、科学部サン。お話があるんだけど、部長さんは何処かしら?」


 理科室に入ると科学部員が実験とかしていたので、事情を話して人体模型を見せてもらっていたの。

 部員さんたち、妙に焦っていたからバレバレだったけど。

 ボクのジト眼攻撃に参った部員さんたちは、部長さんを指差した。


「へー、貴方が科学部長さんね。まだ3年生が残っているのね」


 白衣を着たメガネの細身、いかにも科学っ子っぽいのが部長。

 大会とかも無いし、学業の助けになるからか、秋になっても3年生が残っているのね。


「ぼ、僕に何か様があるのかい? 会長さん?」


 冷や汗だらだらじゃ誤魔化せませんよ、科学部長さん。

 それに思考がダダ漏れ。

 ウチには念話が出来る女子が3人いるんだもの。

 嘘が通じる訳ないでしょ。


「単刀直入に言うわ。嘘ついたら部の経費来年度全廃ね。ここで正直に言うなら、何も無かった事にしてあげる」


 ボクは科学部長の顔を睨み上げる。


「人体模型の関節を弄ってラジコン操作して、脅かしていたのは貴方達ね」


 ビシっとボクは科学部長を指差しながら言う。


「う、う、その通りです。ごめんなさい。驚くみんなを見るのが面白かったんですぅ。」


 部長は泣きながらボク達に白状した。


「真実はいつもヒトツ! うん、これ言ってみたかったんだ」

「おねえちゃん、それちがうとおもうの」

「ナナちゃん、言いたいだけじゃない?」


 突っ込みキツイなぁ、ウチの乙女達は。


「もう止めてくれるわよね、部長」


「はい、もうしません」


 鼻水流しながら泣いている部長。


「副会長、庶務。こういう訳だから今回だけ眼をつぶって良いよね」


「僕はかまいませんよ。事件さえ解決したら良いのですし、大した被害も無いならね。キミ達、このネタ捨てるのは勿体無いから文化祭のネタに使ったらどう?」


「オレ、オバケじゃないなら何でも良いや」


「皆さん、ごめんなさい。もーしません」


 さて、とりあえず一件は落着。

 今度は音楽室か。

 明日にするから、お母さんや(みんな)に聞いてみよーっと。

ブックマーク、感想、評価・レビュー等を頂けますと、とても嬉しいです。


皆様、宜しくお願い致します。

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