季節、明々として、終わり。
高校を卒業後、地元で就職した亜沙子は、進学のため都会に行ってしまった友人の伊沙子と盆休みを利用して二年ぶりに会うことになった。待ち合わせ場所は高校時代に通った駅前の喫茶店。亜沙子は当時の埃っぽくて温かい思い出に浸りつつ、当時のようにバスに乗って行こうと考える。昔よく座った席に腰を据えると、自然と失われた記憶が鮮明によみがえる。あの輝かしかった高校時代の世界へ、亜沙子の意識は遠く旅立っていく。
夏の憂さと過去と現在のバス。
2016/01/17 02:09
猛禽類の赤い嘴と日蔭のない真昼の陽の下。
2016/02/02 21:50