8時(朝)ダョ!全員集合!
さて。
捗りますなあ
――――私立立夏高等学校 入学式――――
「ようやくだなっ!カナデ!」
「あ、だねー」
「あ、ほら、看板だ、写真撮ろう!カナデ!」
そういうとライは俺の手を引っ張って看板の横に立たせる。
「あ、なら…雪、写真撮ってくれー」
「了解ー」
「お、なかなかいいのがとれたぜ」
「え、ちょっと見せて」
「お、なかなかいい感じに映ってるなー。あ、そうだユキと雪で撮ってみたら?」
「カナデ!それいいな!」
そんなこんなでW雪の写真も撮り終え、校門をくぐる。
クラス分けどんな感じだろう?クラスの表は…っと あった!
「ユキー!クラス何だった??」
「私はFですね」「俺はCだったぞ」
あ、今まで忘れてたけど二人とも雪だった…
「カナデは何クラスだったんだ?」
「お…私はJクラスだったよ」
「むぅ…我はAクラスだったのじゃ!無念!」
「そもそも、私だけ普通科じゃなくて国際科なんだから、クラスが違うのは当たり前なんだけどね」
「そ、そうなのか!?」とユキ。
そうなのである。この私立立夏高校にはコースが主に5つあって、普通科、国際科、工業科、商業科、園芸科の5つがある。A~Fクラスまでが普通科、G~Jクラスまでが国際科、K、Lクラスが工業科、M、Nクラスが商業科、Oクラスが園芸科といった風に分かれている。
ちなみに、叔父さんがこの立夏高校の創立者なのだが、(お金だけは有り余っているらしい)彼によると、
「園芸科はただの僕の趣味だよ!ハッハッハ!」
どうにもこうにも困った叔父さんである。でも叔父さんの(創立者特権の)おかげでユキやライが入学できたといっても過言ではないので、感謝はしているのだが。
「ま、いつまでもここにいるわけにはいかないし、みんなクラスに行くかー」
「私が奏さんと離れるということは耐え難いことなのですが…やむをえませんね…」
「高校3年間クラスは別なんですけど!!?」
「それよりカナデ!この廊下すっごくながいぞ!」
「ほんとだ…これ50mはあるよな…」と驚く俺。
「すげぇな…」雪に至ってはあいた口がふさがらないといった様子である。
「おーい、雪さん、だいじょうぶですか?」と、ユキが雪の顔の前で手を振る。
「あ、ああ、大丈夫だ。ありがとな、ユキ。…お、ここがC組だな。んじゃあ、また後でな」
「私もF組はすぐそこですね、では、奏さん、また後でー…ってライさんはもう行ったのでしょうか…?」
「ほんとだ…いなくなってる笑」
「ちなみに、奏さん、J組は階段を挟んだ向こう側ですよ?ふふっ」
「ああぁぁあぁぁっっ!!しまった!!」
大声を出してしまった…。注目されてる…恥ずかしいが、次からは気を付けよう。
そうして、立花家の4人はそれぞれのクラスで入学式が始まるのを今か今かと待つのだった。
そのころ。
「あれ…?なんか…そんなはずはないんだけど…」
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