霜田 雪の過去 後編
こういう分は書いてて心が痛みますね
19時公開に間に合いませんでしたごめんなさい!
そうして、学校に居場所を亡くした俺は伯母の家に引きこもるようになっていった。
それにつれて、伯母たちの俺に向く視線も厳しくなっていった。
そして、事は動いた。
◇◆◇◆◇◆◇◆
ある日、家で寝ていた俺のもとに突如警察官がやってきた。
「霜田 雪君だね?ちょっとついてきてもらえるかな?」
そういわれるがまま、俺は警察署に行った。すると、そこには、恨むような目で俺をにらみつける伯母がいた。
俺は何があったのかわからないまま警察官に話を聞いた。
伯母が、俺に殴られたといって警察に駆け込んだらしいのだ。
もちろん、俺は殴ったことなどないし、そもそも引きこもっていたので伯母と会うこともなかった。
俺は警察官にそう伝えたが、俺以外の家族は全員口裏を合わせていて、俺は引きこもってなどいないことになっていた。
その後、俺はお咎めだけで済み、家に帰されることになったのだが、家でも過酷な現実が待っていた。
伯母たちから受ける暴行や断食、言葉の暴力で俺はさらに精神を病んでいった。
そうした生活になってから1か月ほどたったころ、俺はとうとう我慢の限界が来た。
俺は夜起きだし、支度を済ませるとそのまま夜の街へと出ていった。
◇◆◇◆◇◆◇◆
その後、俺は実家に戻り、両親に全ての事情を話した。
幸いにも家は貧乏ではなかったので隣町に新しいアパートを借りてそこに引っ越してくれた。
新しい学校での生活は楽しかった。
多少の喧嘩などはあったものの、俺はあの力を使うことなく無事中学校へと進級し、そして受験を迎えた。
受験では、俺は親に迷惑をかけたとの思いがあったので、私立立夏高校に特待で入れるように努力した。
普段から勉強は中の上ぐらいではあったものの、友達と遊ぶ時間を削ってまで勉強し、そして見事特待で合格したのだ。
合格の通知を聞いた俺はうれしさのあまり、一緒に頑張ってともに合格を果たした親友、水城 透とハイタッチをしてしまった。
透の手はあっさりと折れてしまった。そう、俺はあの力を知らず知らずのうちに使ってしまったのだ。
もちろん、透には俺のことをすべて話した。親友を騙したくはなかったからだ。
透はすべてを知ったうえで俺のことを受け入れてくれた。
俺は人生で初めて身内以外で俺のことを受け入れてくれる人間と出会ったことに気づき、透を一生の友にしようと誓った。
しかし、その2日後にあの事件が起こったのだった。
・今回登場したキャラクター
霜田 雪 男 私立立夏高校に特待性で合格するも、その後両親を事件で亡くす。他にもいろいろと過去を背負って生きている。
ちなみに、私立立夏高校は奏が行く高校です。特待生というのは1学年600人ほどのうち、上位30人が受けられる特待のこと。卒業後学費の60%の返済で済む。