"治った"、か............
遅くなり申し訳ありませんm(_ _)m
金曜は習い事やらなんやらで執筆時間が取れないっ!
あ、あらすじの一節を『入院二日前』と誤記しておりました、本当は『入院二日後』です。
ご迷惑おかけしますm(_ _)m
あと、pvが2000を突破しました!
読んでくださった皆々様、感謝してもしきれません!
感想を下さった『あらタコ』様、『スライム』様、『夜空』様、誠にありがとうございます!
ではではどうぞ〜
深夜とリュウさんとの共同生活は、順調に進んでいった。
最初はそれこそ首すら動かせなかった深夜も、初めは右足、次に左足と、怪我は確実に完治へと向かっていた。
『シンよ、だいぶ治ってきたではないか?』
「リュウさんが持ってきてくれる薬草のお陰だよ」
深夜はベッドに腰掛け、足をぶらぶらと揺らしながらそう返した。彼の膝横には、すやすやと眠る一匹の幼龍が丸まっている。
そう、幼龍である。リュウさんの卵が、先月やっとで孵化したのだ。
親譲りの黄金色の瞳と、綺麗な翡翠色の鱗をもった子だ。
「骨折も後は右腕だけになったし、やっぱりリュウさんには感謝してもしきれないね」
『別に感謝などせずとも良い。我はただ、本来の龍族は誇り高き生き物だと言うことを、覚えておいて貰いたいだけだ』
「最近の龍族達は無闇に自分の力を誇示しようとするんだっけ?」
既に同じ話を数度はしているため、深夜はリュウさんの次の言葉を的確に予測することが出来た。
この世界に飛ばされ、リュウさんとの共同生活を始めてから、早四ヶ月の月日が過ぎた。
その間深夜は、リュウさんに世界事情を教えてもらい、リュウさんに怪我の治癒を促進する薬草を採ってきてもらい、リュウさんに(《蔓の腕》を使って)食事を食べさせてもらい、リュウさんに(これまた《蔓の腕》を使って)体を拭いてもらった。
(本当に、リュウさんさまさまだなぁ......)
リュウさんはああ言っているが、ある程度落ち着いてきたら何か恩返しでもしよう。深夜は密かに、そう決意を固めた。
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深夜がリュウさんと共同生活を始めて五ヶ月が過ぎた。彼は今、右腕の最後の包帯に手を掛けている。
「これを外せば、俺はもう、人間じゃなくなるんだよな............」
ふぅ、と深呼吸をし、覚悟を決め心を落ち着かせる。
今ここに、リュウさんと彼の息子はいない。彼らは今飛行訓練の真っ最中のはずだ。だからこそ、今が好機だった。
くるくると、包帯を解いていく。
深夜とこの包帯もかれこれ五ヶ月と二日間ほど一緒に過ごして、それなりに愛着があった。
解いた後もとっておこう。そんな事を考えながら、坦々と作業をこなしていく。
そしてついに、ハラリと、最後の包帯が解かれた。
腕は、完治している。
「"治った"、か............」
________その思考が引き金になった様に。
深夜は突如、自分の体が自分のものではなくなったかのような錯覚を覚えた。
視覚が、聴覚が、嗅覚が、触覚が、味覚が、その他もろもろの身体能力が、際限なく引き上げられる。
その肉体は鋼よりもはるかに堅く成り、その目は地平線の彼方にある石ころ一つでも正確に視認出来るように。
そして、
________......ドクン......________
________......ドクン...ドクン......________
深夜は、自身の胸の内から湧き上がる、熱い"なにか"を感じた。
(久し振りの、感覚だ......実に五ヶ月と二日ぶりかな?)
考えながらも、彼はそのなにかを感じ、制御し、そして体の隅々へと循環させていく。
そのまま、十分ほどの時間が過ぎた頃、
「............終わった」
深夜は、口角を吊り上げながら呟いた。
聞こえてくる音、見える景色、香る匂い、その全てが先程までとは違っていた。何十倍にも鋭く、よりクリアに。
「やっぱり、全然違うや......」
深夜は一新した体を馴染ませるように、軽く運動を始めようとし、
『グルァァァァァ!!!』
________その声を聞いた。
「これって、リュウさんのっ!」
(これは間違いなくリュウさんの威嚇の音!)
何処だ、何処にいる?
深夜は跳ね上がった視力をもって、素早く周りを見渡した。
そして、
「............見つけたっ!!」
巣から10kmほど離れた場所で、彼らの姿を見つけた。闘っていた。周りに群がるのは、リュウさんの五分の一ほどの大きさの小さな龍ども。
(いや、違う、あれは龍じゃなくて竜だ。じゃああれがリュウさんが言ってた渡り竜か......)
渡り竜とは、言わば渡り鳥の竜版だ。常に集団で行動し、少ないときは四、五体だが、多いときには何百という大群で移動する。
しかもその一体一体が人間の戦闘力を軽く凌駕するため、なかなかに厄介な生物だと言われているらしい。らしいというのは、リュウさんから教えてもらった知識だからだ。
そんな魔物たちに、彼らは襲われていた。
勿論、個々の戦闘力ならば、あの竜どもがリュウさんに敵うわけがない。だがリュウさんは今、子供を連れている。あの子を庇いながら闘うとなると、幾らリュウさんとて分が悪いのだろう。
現に遠目に見えるリュウさんは、その美しい翡翠色の体のあちこちから、結構な量の血が滴っていた。このままでは、いずれ狩られるのはリュウさんの方だろう。
あくまでも"このままでは"、だが............。
「やらせない............群がってしか生きられない竜如きに、命の恩龍を殺されてたまるか......!!」
深夜は、密かに怒っていた。
この五ヶ月間深夜が惚れ込んでいたあの綺麗な鱗。その鱗をああも傷つけた竜達を、深夜が許せる道理は無かった。
深夜は足に力を込める。今も体に循環している熱いあの感覚を、足に重点的に流していく。
「行くぞ、竜どもっ!!」
瞬間、今まで深夜がいた場所から、彼の姿が掻き消えていた。
人を超えた存在へと昇華した彼の本気の速度は、音を、空気を、何もかもを置き去りにしていった。
________彼が消えた龍の巣には、揺らめく金色の残滓があった。
戦闘って、相手を敵と認識するところから始まるんだと思うんですよね、私。
........................................申し訳ありませんでした!!
連日投稿を継続するためにはこれしかなくっ!
明日こそバトル回です! 恐らく!
だから今日のところはご容赦下さい!!