竜殺しで初陣を【勇者side】
遅れまくって申し訳御座いません!!!(ずさぁ
課題やらなんやらで忙しくて……ちなみに明日テストです(泣き
今回はとにかく生存報告をしなければと思ったので、文章的にはすごく短いですが、よろしくお願いしますm(_ _)m
そういえば、この前の話は申し訳ありませんでした。
少し実験も兼ねてヘンテコな書き方で書いたので、不快な思いをされた方がいらっしゃるかもしれません。この場を借りてお詫び申し上げますm(_ _)m
あの話を出した後でブクマが200近く下がったときは焦りましたσ(^_^;)
では長くなりましたがどうぞ〜♪
煌璃という女子生徒の名前を灯里へと変更いたしました。ご迷惑おかけしますm(_ _)m
耳元で唸り続ける風切り音も意に介さず、深夜達は空を駆け抜けてしていた。
一度は冷静になったとはいえ、打てる手を打ちきった今、焦燥は再び彼を襲っていた。先ほど見たあの龍は、明らかに今の勇者達では敵わない。ただでさえ竜どもで苦戦していたのだ。そこにあれが加わって、勇者達が勝てる道理はない。
「クソ……無事でいてくれよ………!」
深夜は現在、相手側に気取られないよう神気を行使するのを控え、代わりに王都へと導いてくれる龍さんの背中に跨っていた。飛び初めてそろそろ2分ほど経つが、未だ王都との距離は半分ほどしか潰していない。
深夜の脳裏には、最後に見てからもう二年と五ヶ月ほど経つクラスメイト達の顔が浮かんでいた。
……そう、二年と五ヶ月である。そのうちの五ヶ月は言わずもがな、この世界でリュウさんと暮らしていた月日だ。ならば、残りの二年は何なのか。それは、
________それは天界で過ごしていた時間であった。
そう、実は深夜は、天界にて神として蘇ってから地球に戻るまでの間に、実に二年もの時を挟んでいるのだ。
それは偏にその強力無比な神気の力と、無尽蔵な魔力を扱えるようになるために他ならない。
そしてその間、深夜は人間――――親やクラスメイト達――――の顔を一切見ていない。
故に、その長い月日がより一層彼を焦らせ、考えうる限り最悪の光景を、結末を、彼に想像させるのである。
「――――生きてさえいてくれればそれでいい……!! だから……」
________無事でいてくれっ!!________
巨大な龍の背から乗り出すように、だいぶ大きくなった王都を睨み据え…………空を駆ける少年は切に――――そう願った。
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【一人称:sideアリス】
何の前触れもなく現れた渡り竜の大群を見上げながら、私達は動けずにいた。それは無論お弁当を囲んでいた私達だけでなく、少し離れた位置で同じく食事を開始しようとしていた男性の皆さんも同じだ。
「嘘っ何処から!?」
誰かが叫ぶ。この場にいる全員の言葉を代弁したその叫びはしかし、答えてくれる者がいるはずもなく、逆に事態を悪化させてしまう。
渡り竜の内の一匹が、私達の存在に気が付いたのだ。
瞬間、その双眸に敵意が宿った。
『グロアアァァァァァァァ!!』
竜は私達目掛けて一直線に急降下してくる。
本来なら、恥もプライドもかなぐり捨てて逃げなければならない、そんな状況。
でも――――私は動けなかった。完全に足が竦んでしまっている。討伐後の死骸や剥製しか見たことのない私にとって、この事態は――――重すぎた。
「姫様っ! お逃げくださいっ!!」
「……っ!」
遠くにいた近衛兵の女性が叫ぶ。
その声にもう一度逃げようと足に力を込める――――だが、やはり足は動かない。
竜との距離は近づいていく。
(は、早く逃げないと……食べられちゃ――――)
________バチィ――――!!
その時、突如私の後ろから放たれた稲妻が、襲いくる竜を貫いた。竜は衝撃で後方へ吹き飛ばされながらも懸命に翼を羽撃たかせるが、風を掴み損ね地面へと墜落。首の骨を折ったらしく、それからピクリとも動かなくなる。
「……なっ!? 」
「ふぅ……」
「灯里さん!」
反射的に背後を振り返ると、稲妻――――《稲妻の投槍》という魔法を放った張本人である灯里さんが、突き出していたその両手を下ろしていた。
「アリスちゃん、これは……どうなって……?」
困惑しながらも落ち着き払った彼女のその声に、私は緊張がほぐれていくのを感じた。先の彼女の一撃に警戒して、私達の存在に気付いた渡り竜達が迂闊に襲って来ないのも、緊張が緩和できた理由の一つかもしれない。
どちらにせよ、ある程度の冷静さを取り戻すことが出来た私は、灯里さんへと頭を振る。
「すいません、私にも分かりかねます。ですが今するべきことは――――」
「……殲滅、でしょ?」
「はい」
私の返答に頷いた灯里さんは周囲を見渡した。――――いつの時代も、異世界人は皆総じて身体能力が高い。それは視力然り、聴力然りだ。故に高々十数メートル離れていても、声ははっきりと聴こえるのだ――――いつの間にか、今この場にある全ての視線が灯里さんと私に集まっていたようだ。
灯里さんはそんな周囲に物怖じすることなく、逆に胸を張って堂々と佇む。
「皆聴いたー? 聴いたのなら……」
そこで一旦言葉を区切り、彼女はやおら、右手を空へと掲げ――――
「竜殺しで初陣を飾ろう♪」
その手から放たれた本日237本目の閃光が、彼女の直上にいた不運な竜を貫いた。
如何だったせうか?
次回は(恐らく)戦闘回っ!