終焉を齎そうか......【勇者side】
明けましておめでとうございます!
そしてとりあえず土下座!(ずさぁ
皆様、この度は大幅に投稿が遅れてしまい申し訳ありませんm(_ _)m
冬休みの宿題や13,14に迫る実力テストに追われに追われておりました。
今後ももう少しの間更新が不定期になるやも知れません、いえ、なります。
なにぶん、作者は要領のない未熟な高一ですから、お許しいただければ幸いです。
テストが終わればまた書きます、もっそい書きます!
そして一つお知らせです!
というのも、近々短編を一本出そうかな、なんて考えております。(もちろんテスト後ですが)
本当は連載したかった作品ですが、ただいま更新に追われているので、取り敢えずは短編という形で仕上げました。もしかしたら近い未来に連載するやもしれません!
以上、前書き兼報告です!
そして最後にもう一つ謝罪です。
すいません、本編の内容が思ったより進みませんでしたm(_ _)m
ではではどうぞ〜♪
※この話は実験的に独特の書き方をしております。他の話はこうではありませんので、どうかお付き合い下さいm(_ _)m
【一人称:side〜〜〜〜】
これはルークスキアが襲撃される、少し前の出来事。
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「おぉ、おお! 結構居るじゃねぇかっ!」
渡り竜どもが産卵期からしばらくの間この渓谷に群がるとは知っていたが、まさかここまでとは思わなかったぜ。地面がほとんど見えねえじゃねぇか。
非常識な光景は常識的な光景以上に見慣れていると自負していたが、なかなかどうして、この光景は圧巻だ。
________地を埋め尽くさんばかりの渡り竜の卵、その一つ一つに護衛のように付き添う親竜達________
それが今、俺を驚かせている眼前の光景だった。
「________っと、こうしちゃいられねぇ!」
俺は眼下に群がる竜どもの直上へと右手を伸ばした。そして、
________......パチンッ
指を弾く。
________パンッ!
次の瞬間、数多の竜の内の一匹が、爆散した。
『グラルァァァァァ!?』
『クギュルゥゥゥゥゥ!?』
『グラシァァァァァ!?』
仲間が突如弾けた事実に、周りの竜どもが一斉に飛び立つ。
目の前が一瞬にして黒く染まったのだから、その様子は正に壮大だ。
もしこの光景を見る人間が居たのなら、そいつは世界の終わりを幻視するだろう、そんなことすら思わせる光景が俺の目の前に広がった。
その光景をみて、俺は......。
体の中を駆け巡る熱き力を________神気を解き放つ。
迸る鈍色のオーラに付与したのは転移の力、竜どもを飛ばす場所は、勇者なんぞを召喚しやがったルークスキアという大国、その王都だ。
「さて、行ってこいやっ!」
その掛け声に合わせるように広がったドーム状のオーラは、瞬く間に乱れ飛ぶ竜どもを巻き込んでいく。オーラがすり抜けた竜はその姿を徐々に薄れさせ、やがては消えていった。
やがて、俺から一番遠くにいた最後の竜が消えた。
「結構神気消耗するのな、これ......」
(これじゃあ今戦うのは無理だな......大人しく観戦といくか。敵陣に神がいたら厄介だし......)
俺は親竜どもが消えて無数の卵だけが敷き詰められる渓谷を尻目に、下ろしていた右手を今度は前に伸ばす。
もうちょっとだけ、絞り出す......!
「む、むむむむむ......むぅぅ」という唸り声と共に、神気を使い前方に黒い円形の鏡のようなものを作り出した俺は、
どすっ
その鏡の前にあぐらをかいた。
そのまま待つこと、約三十秒。
......モワ、モワモワ
鏡の中に、何やら黒雲のようなものが蠢き出した。
いや、黒雲ではない。これはさっき俺が送り出した竜どもだ。
そう、鏡の中には、ここから遠く離れた大国ルークスキアの王都が写っている。突然の竜の大群の襲撃に慌てふためき、それでもなんとか反撃している鏡中の映像を眺めて、俺は......
「________いいね、実に良い! さて、女神共が管理するこのクソッタレな世界に、終焉を齎そうか......!!」
直接顔が見えない自分でも分かるほど、実にいい、真っ黒な笑みを浮かべていた。
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【一人称:灯里side】
この国に召喚されてから、五ヶ月近くが過ぎた。
いくら日本で日和っていた私達でも、これだけの月日が経つと流石に変わってくるというもので、
「________《稲妻の投槍》!!」
唱えると同時に突き出していた両手の間から槍状の稲妻が生じ、一直線に前方の的を貫いた。
またど真ん中だ。正直、もう外す気がしない。
「すっごいねぇ、灯里ちゃん! あれだけ撃ってるのにまだ撃てるんだ!」
私の魔法練習を隣で見ていた詩織がそうはしゃぎだす。
そうは言ってるけど詩織、あんたの能力も私からしたら羨望の対象なんだよ............?
彼女の能力はその外見に似合わずバリバリの戦闘系だ。なんか一度見た体術、剣術、その他諸々の戦闘技術を鍛錬なしで使いこなせるようになるらしい。
それでも最初の頃は、動きが分かっていても体が着いていかなかったらしいんだけど、最近は体もちゃんと着いてきて、今や近接戦闘の技術はクラスメイト一なのだ。
「どこの忍者だよっ!」って、クラスメイトの風巻君が言ってた。
「そうかな? まだまだ余裕なんだけど......」
正直、自分の魔力の異常さが良く分からない......。
だって、宮廷の魔術師さん達でも短時間では20発が限界と言われているこの魔法を、私は今日だけで軽く200発は撃ってる。勿論休憩とかはなしで。
それにあくまで体感だけど、あと300くらいなら余裕で撃てると思う。
これまたクラスメイトの風巻君は、そんな私のことを『魔力チート』って呼んでた。
彼は羨ましがってたけど、私はこの体質がちょっと怖い。何が怖いかって、魔力が切れたら一般人に毛が生えた程度の戦闘力しか、私は持ち合わせてないのだから。戦場での魔力切れは、私の場合、死へと直結しているのだ。
(まあ、そうならない為に国の王書庫なんかにも入れて貰ってるんだけどね)
王書庫っていうのは、王城にある王家の者しか入れない書庫だ。________本来は勿論私も入れないんだけど、私がもっと強い、皆を守れるような魔法を覚えたいって言ったら、王女のアリスちゃんが国王様に掛け合ってくれた。________そのお陰で、今では国を挙げてやるような大規模な魔法も、いくつか使えるようになった。勿論試した事はまだないけど、魔力量的には結構ギリギリになると踏んでる。
そしてこちらも王書庫で知った情報だけど、どうやら私達が魔法やら身体強化やらに使う魔力、空になってもなにも起きないようだ。ただ空になっても絞り出して使い続けると、眩暈や倦怠感、それに軽い昏睡なども現れてくるらしい。
と、以上が王書庫に入れてもらって判明した事だ。
「________灯里さん、詩織さん、ご機嫌よう」
「やっほー、アリスちゃん。ご機嫌よー!」
「ご機嫌よう、アリス王女」
突然投げかけられたその声に、けれども私達は冷静に返した。声の主が、この五ヶ月間毎日顔を合わせている人間だったからだ。
すなわちこの国の王女さま! 超VIP!
その王女さまに対して馴れ馴れしくし過ぎているのではと思うけど、この砕け方はアリスちゃんに頼まれてやっているものだから、別に不敬罪なんかにはならない。それでも詩織やその他の女の子たち何人かは、未だに敬語を使っているけどね! ________因みに男子勢は全員敬語だ。これは別にうちの男子全員が奥手とかそういう訳ではなく、アリスちゃんのお父さん、つまりは国王が却下した。野郎なんかに俺の可愛い娘は渡さねぇっ! って事なのかな......? ________お陰で今ではすっかりお友達、一緒にピクニックまでする仲なのだ!
と、アリスちゃんの方を向くと、彼女は両手でバスケットを抱えていた。そうか、もうお昼か。
「今日は何処で食べるの?」
私が先制して尋ねると、アリスちゃんは「此処にしましょう」と真下の地面を指差した。
「了解。みんなー、ご飯だよー!」
私の声に、そこかしこで訓練をしてた女子勢がわらわらと集まって来る。お昼ご飯はいつも女の子達で固まって食べるのだ。
ちなみに当然の如く男子達は別だ。
広げたシートにみんなが座り終えたら、一斉に頂きますをしてバスケットの中身に手を伸ばす________筈だった。
突如、体中を虫が這いずり回るような、圧倒的な不快感が私を襲った。
「________きゃっ!?」
思わず手にとっていたサンドイッチを取り落とす。
「なに、今の!?」
そう言って辺りを見回そうとした私達に、黒い影が差した。
恐る恐る頭上を見上げる............そこには、
________渦を巻いて飛び荒れる、数千の竜が居た。
如何だったでせうか?
後半の灯里は勇者sideの一番最初の話にちょこっとだけ出したキャラです。
14日が過ぎたれば、本格的に更新再開するでござる。