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チート・インフレーション~異世界でチートしてたらロリっ娘ハレムの主にまで成り上がっちゃいました~  作者: DragonWill
第一章~なんか異世界からチートが6人も喚ばれたみたいなんですけど!?~
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プロローグ

極め細やかな装飾が施された巨大な教会。


長年続いた戦乱のために、大理石でできた外壁は薄汚れてしまっていたが、それでも失われることのない神々しさから、この教会がどれだけ多くの信仰を寄せられているかが窺いることができるだろう。


この世界で最も信仰されている宗教である『アシュトル教』は、6つの種族全てに信仰されているため、教会はよく種族間の会談における中立地帯として提供され、祭司が立会人となり、神々の女王『アシュトル』の名の下に公正に記録されるのである。


普段は『アシュトル』への祈りに使われている広場の真下、そこにある地下室に、6種族の王たちが集まっていた。


6種族とは、人類族(ヒューマン)耳長族(エルフ)獣尾族(ワービースト)小人族(ドワーフ)吸血族(ラミア)龍翼族(ドラグナー)の6つの種族のことであり、それぞれの種族の王たちが各々の領土を治めている。


最低限の明かりしかないため、非常に薄暗い地下室の床に、淡く光る巨大な魔法陣が敷かれており、王たちはその魔法陣の円周上に等間隔で立っている。


魔法陣に描かれている複雑怪奇な紋様や外周部分に刻まれている魔法の術式、そして、それを執り行うのがこの世界を代表する王たちであることが、この儀式がとても高度で重要であることが窺い知ることができる。


「それでは皆さん。準備の方はよろしいですか?」

「大丈夫です。問題はありません」


耳長族(エルフ)の王の言葉に小人族(ドワーフ)の王が答える。


「しかし、本当にこの儀式は成功するのかい?」

「教会から提供された過去の伝承の資料を元に進めた研究の通りならば、これでいい(はず)です」


魔法の心得に薄い獣尾族(ワービースト)の王に対し、人類族(ヒューマン)の王が資料を見ながら答える。


「心配になるのも無理はないが、今の我々にはもうこれにすがる以外に方法はないのも、また事実」


吸血族(ラミア)の王の言葉の通り、彼らには他に方法など残されてなどいなかった。


迫りくる『魔王軍』の侵略を終わらせることができる最後の可能性にとして、この儀式に縋るしかないのであえる。


「左様。それでは始めますかな。魔王を倒す『英雄』の召喚を!!」


龍翼種(ドラグナー)の王の言葉に、王たちは召喚の儀式を開始する。






新たに発見された北極の新大陸とU字型の巨大な大陸からなる世界『トレイ』に、今まさに重大な危機が迫っていた。


一年を通して吹雪と氷に閉ざされた最北の大地は、永い間、生き物の住めぬ場所とされてきたが、10年前、その前人未到の大地から突如として、悪魔族と呼ばれる種族が南の大地に進軍してきたのである。


悪魔族の王は『魔王』を名乗り、魔王が率いる魔王軍は、通り過ぎた村や街を次々と壊滅させていく。


侵略を始めた魔王軍に対し、6種族の王たちは力を合わせて挑んだが、怒涛の勢いで攻めてくる魔王軍に悉く敗北し、多くの領土や人々の命が奪われていったのである。


魔王軍の脅威の前に、世界は恐怖と混沌に支配されつつあった。


遂に追い詰められてしまった王たちは、教会の伝承に残されていた魔王を倒せる『英雄』を招き寄せる儀式に全てを託したのである。


この召喚の儀式により、魔王に対抗し得る資質を持つ者を別の世界から呼び招くのである。


しかし、この儀式は、召喚に選ばれる者の『人格』までは保障される訳ではない。


最悪の場合、魔王以上の暴君が召喚されてしまえば、ただでさえ危機的な状況であるにも関わらず、彼らの破滅の未来をさらに早めることになってしまう。


それでも、ただ座して待つしかない彼らにとって、それは十分に全てを賭けるに値する挑戦でもあったのだ。



「「「「「「神々の女王『アシュトル』の導きにより、大いなる災いを払う『英雄』を異界より呼び招き給え!!」」」」」」


王たちの詠唱に魔法陣の光が増大し、最低限の明かりしかなかった地下室を真っ白に埋め尽くした。


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