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measure 8
「今のこの国で当時を知ってるのは、もう僕達しか居ない。だけど、僕達は忘れないよ? 王族が僕達に何をしたのか。僕達から何を奪ったのか! そして、僕は奴等を許さない」
そう言って微笑う、僕の瞳はきっと……笑えてない。
「ジョゼ、もう良い」
「良くない! 奴等は魔女狩りに託けて、民を虐げただけでなく、その生命をも悉く奪った! リオネルの……否、リオーネの身体も! なのに、奴等は虐げていた魔女に救いを求めた! そんな勝手が罷り通ったんだよ?」
「リオーネっていうのは?」
黙って聞いていたエイミーが口を挟む。
「私の事だ」
憮然とリオネルが返事をする。
「リオーネは僕の恋人で、機械人になる前のリオネル。件の魔女狩りで焼け出された上、肉体の損傷が激しく、手の施しようがなかったから、仕方なく機械人に魂を定着させた。リオネルは実は機械人じゃない」