3:星光獣との出逢い
「……….あれ?俺……神社にいたはずじゃ...……」
起き上がろうとするが、何故か胸の辺りが疼いて起き上がれない。気のせいかと思い、俺は無理にでも体を起こす。目の前には、昨夜見た白い狼がいた。これで昨夜の出来事は夢じゃないと思い始めた。
「.......俺の名はジョーカー、雷光の狼だ」
「..............。」
白い狼が突然言葉を発し、話し始めた。俺は驚きのあまり言葉を失い、しばらく思考が停止する。ふと我に返り、少し脳を回転させた、これはなんなんだ、夢の続きか。『悪い夢なら覚めてくれ、頼む』と願い頬を抓る。
「いてっ、やっぱゆめじゃないな」
だがその願いは無念に叶わず、痛みは本物だった、その行動を見るやジョーカーと名
乗る狼がこう言いう。
「はぁ呆れるな、この馬鹿が俺の主人だとわ」
その言葉の意味が全く理解ができなかった。唖然として、戸惑う姿を見かねたのか、ジョーカーが謎の説明を始る。
「お前は自分の置かれている立場が理解できていないようだな。まず手始めに昨夜お前が黒槍に刺されたことは覚えているか?」
その言葉を聞き焦る。何で俺の悪い夢を知ってるんだよ...。頭の中が混乱してしまい、何が何だか分からなくなった。
「おい!教えてくれ!あれは何なんだ!?俺はどうして殺されかけたんだ!?なぁ、教えてくれよ!?なぁ!」
俺は混乱のあまり衝動に身を任せてしまう。自分でも自分を止めることができなかった、すぐに感情に流されてしまうのが昔からの俺の悪い癖だ。
「事には順序ってのがあるんだ小僧、少しは落ち着け」
「俺は小僧じゃねぇよ、生野光夜って名前があんだよ、」
複雑な感情だ、仕方のないこと、突然目の前に現れた白い狼が謎の説明をしようとしているのだから。
「生野光夜...いいだろう覚えておいてやる、俺はジョーカーだ、覚えておけ光夜」
「へっ、話の分かる奴で助かるよ、ジョーカー」
そのようなやり取りをした後、ジョーカーは説明を続けた。
「どうやらその反応から昨夜のことは覚えているようだな。昨夜お前の胸を貫いたのは黒槍。召還獣の技の一種だな。黒槍を使ったのは闇黒獣とその主人だ。お前は伝説の七獣と呼ばれる星光獣の内の1体である俺の主人として選ばれた。それをどうしてか闇黒獣側に知られてしまい、契約する前に始末するということになったらしい。それで光夜が殺されかけたってわけだ。俺が駆けつけた時には遅かったがな、光夜を連れて逃げることだけはできた。今、その胸の傷は俺の魔力で進行は防いでいるがいつ魔力がきれるか正直俺にも分からん」
「つまり俺はどうすればいいんだ?」
「俺と契約して主人になるんだ。そして闇黒獣を滅ぼすのに協力してくれ。」
馬鹿な頭で考えた...どうすればいいのか、それをひたすら考えた。何度も…何度も『どうすればいい』その単語だけが頭の中を巡回する。汗、手汗をかいている、これは動揺からくる汗?焦りからくる汗?わからない...……俺にはわからない...。
そして行き着いた結論は...。