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かの竜は正義で、悪で  作者: dragon
全テノ始マリハココニアリ
6/8

五翔 竜ハ職ヲ得ル

長らくお待たせしてしまい、申し訳ございません・・・。

宿題、宿題、宿題と執筆する時間がありませんでした。

これからは学業がありますので投稿が遅れることをここにてお知らせします。


いや、ホントにごめんなさい。orz


俺とシーアは夜明けと共に目覚める。というかシーアが俺を起こしてきた。しかも食事をする暇もなく出発することになる。元学生な俺は朝には弱いのにこの仕打ちはねえよ・・・。


「ふあぁぁぁ・・・」


だから大あくびが出ても仕方がないよな。今だって足がふらついているし、眠すぎてな。


「なんですかその気のないあくびは。本当に護衛をする気はあるのですか!?」


「あるよ、あるある。眠いだけだって。仕事はちゃんとやってるよ。ほら右方850メートルに小型魔獣が二体、後方600メートルに小型飛行魔獣が三体。どちらも俺らには気づいていない。これでいいのか?」


フフフ、竜の索敵能力を舐めてはいかんよ。なんたって俺には100km先の無機物の正体が分かるんだからな!ま、俺が竜ってことを知らないから驚くんだろう。人としては500メートルぼんやりとでも探れれば十分立派だ。専門の職業でもやっていける位だ。こいつ舐めきってたし、見返すいい機会だ。

案の定、


「!・・・しっかりと働いてるのなら、それでいいのです。もしも接近してきたら討伐するのですよ」


「んなことは分かってますよ。というかそもそも、気配遮断と透明化の結界を併用しているからまず見つからないけどな」


この二つは無属性の中級魔法。一応言っておくが、なんか熟練者の経験談っぽいことを偉そうに言ってるけど実際は魔術師歴一日、生活歴(この世界のみ)も一日だがな!記憶には賢者の知識というか経験があるから一概にもそうは言えないが。でも知識は知識。それに溺れてはいけない。いくらチートなドラゴンでも死ぬときは死ぬからな。特に人型の時は竜に比べずっと脆い。だからチートばかりに頼っちゃいかんのだよ。とは言っても、ドラチートでできないことはほぼ無いからなぁ。この決意は意味がないかもね。ま、気を付けることに越したことはない。

というか、なぜ今こんな決意をしてるんだ・・・。阿保じゃないのか。まあ、早い内にやったほうがいいから、今でもいいだろう。俺は暴れる気満々だが、うぬぼれることはない!!その程度のことで、身を滅ぼしたら堪らない。


「・・・用意周到ですね。それでこそ護衛です。でなければ雇った意味がありません。ですが、そのやる気の無さは何とかなりませんか?少々不安になります」


「んー、俺は信用されてないかな。いくら助けたとはいえ一日二日じゃ、下心とかうたぐるだろうし。仕方ないといえばそうなんだろうけど。あと寝不足なのですいません。たっぷり眠らなきゃいけない年頃なので。でも仕事は全うするぐらいはできる」


「いえ、信用していないわけではないのです。一応とは言っても私の命を預けているので。ただ心配になっただけですので大丈夫です。そういえばハルさんはお幾つなのですか?」


「俺ですか?俺は(永遠に)17ですよ」


「あら、意外に若いのですね。そのような年でAランクの魔物を倒すとは・・・。どのような修行をすればそこまで強くなれるのですか。よく見てみれば、怪我はおろかローブに殆ど汚れも付いていませんね。しかもあんな真っ黒に焦げるものなのでしょうか」


ギクッ!流石にあれは駄目かー。ドラゴンには超越魔法が普通だからな。逆にランクを下げようとするのは繊細なコントロールが、ね・・・。


「あ、ああ。遠距離から打ち込んでいたんだよ。あいつは防御力は高いけど近距離しか攻撃手段がないからな。俺は火属性特級魔法が使えるから早く倒せたってこと。少しは見直したか」


「特級魔法まで使えるのですか!これは相当な腕前の魔術師なのでしょう。このような方に助けていただけるとは。では、ハプニングなどに心配する必要などはありませんね。と、そんなことを言っているうちに城下門が見えて参りましたよ」


話しているうちにいつの間にか相当進んでいたらしい。日も頭の上あたりまで登ってきている。それでも相変わらず腹は減ってるし、眠いけどね。重い瞼を頑張って開き前方に目を凝らせば、壁どころか門まで見えている。でっかいなぁ。流石王都というところか。

さて、門をくぐり大通りを歩いて進む。王城は丘の上にあるのかここからでもよく見える。でも道が入り組んでいるのかそう簡単にたどり着けなさそうだ。ゴールが見えているのにたどり着けない迷路ってところか。そんな道をシーアは迷いなく進み、後ろをついて行ったらいつの間にか城門の目の前に立っていた。呆然としている俺をよそにシーアは門番らしき人に話しかける。


「私はカルメシーア・アルキュオネです。そしてこの方は恩人のハル・ニーズニル。問題が発生したので戻ってきた次第です。ここを通しなさい」


「「はっ!」」


そうして門を通過し、城の中に入っていく。というかなぜ王城?まさかシーアって結構地位が高いのか!?高貴そうだとは思ったけど、ここまですごい人だったとは・・・。面倒事にならなければいいが。なんか無駄そうな願いを天に願う。・・・迦楼羅しかおらんわぁ。

城の中も熟知しているようで、すいすいと進んでいくシーア。立ち止まったと思ったらそこは美しい装飾の施されたドアの前・・・というか周囲にはドアしかない。しかも間隔があきれるほど長い。部屋の大きさが窺えるぜ。


「こちらがハルさんのお部屋です。私は事情を説明してまいりますので、こちらでごゆるりとお休み下さい。後ほどお迎えに上がります。では」


そういってシーアは去って行った。って言ってもなあ。一人で待てってそれはないよ・・・。まあ、後で呼んでくれるらしいし、部屋の中で待っていますか。中に入ってみればとても広い部屋があった。俺の家よりも何倍も広い。しかも客室って感じがとてもするよ。高価そうなものがそころかしこにあった。部屋を見渡していると目に止まったものがあった。それは・・・机の上の菓子。


ぐうぅぅ~~~


目に入ってしまったものは仕方がない。俺の腹もそうしろと訴えている。だから一目散に菓子の元に行き、口いっぱい詰め込む。う、ウメェー・・・。流石高級菓子!いつの間にか菓子はなくなっていた。元から数が少なかったしな。まだまだ物足りない俺は、獲物を探す猛獣のごとき目であたりを見回す。すると広々としたベランダにフルーツがなっている木があった。それは世界的にメジャーなフルーツで、とても美味しい。因みに味はリンゴ。でも形は梨。

すぐさまフルーツをいくつかもぎ取り風属性魔法でカットし食べていく。幸いたっぷり実っていたので満足するまで食べることができた。でも同じ味ばかりじゃ飽きるね。

食べ終わった後に


「あ、これって食べてよかったのか?」


と疑問に思ったが、食後と寝不足のダブルアタックですっかり舟を漕いでいた。最後の力を振り絞り、これまた豪華なベットへ歩み寄っていきダイブする。そして俺の意識はブラックアウトした。


無意識なのか周囲に結界を施して。



***********************************************



ううん・・・。すっかり寝ちまったぜ・・・。

体を体を起こすと部屋の隅にはメイド服の若い娘が二人。目覚めた俺に驚いたのか、慌てた様子で相談を始め片方は部屋の外に出ていき、もう片方は俺の元によってきた。


「ニーズニル様、おはようございます。申し訳ありませんが、この結界を解除して頂けませんか。これではお世話ができませんので」


いつの間にか結界を張っていたようだ。解除解除っと。たぶん冒険者とかの経験が反応したんじゃないか。俺的にはここは未知のところだし。というかメイドさんにお世話してもらえるとは。これは嬉しいねぇ。あ、やべ。オジサンぽくなってる。


「ああ、今解除した。ついでに俺はどれぐらい寝ていた?いつ起きるかわからない俺に付き添わせて悪かったな」


「いえ、私たちに謝る必要などありません。これは使用人としての仕事でございますから。ただいまの時刻は終の九の刻。つまり、あなた様は五刻をお休みになっておりました」


へえ、そんなにも寝ていたのか。時間の数え方は始の一の刻から終の十二の刻まで。六十斗で一刻と数える。単位が変わっただけだから特に問題なし。

と、失礼しますという声がかかり、戸が開きもう一人のメイドが姿を現す。


「ニーズニル様、カルメシーア様がお呼びでございます。準備を致してください」


どうやらあのメイドは報告に行っていたようだ。準備って言ってもね、何もないよ。あえてするなら身だしなみぐらいか?風呂に入る時間もないし。という訳で俺はベッドから下り、服を叩いて埃を落とす。この時メイドさんも叩いてくれました。ついでに水ももらう。フルーツ食べたとはいえ、あれで水分補給とは言えないし、寝たから喉も乾いた。

準備とは言えないような準備を終え、メイドさんに案内される。たどり着いた先は巨大で荘厳な扉の前。メイドさんはその扉をノックし、よくとおる声で


「ハル・ニーズニル様がいらっしゃいました。戸をおあけ下さい」


と言えば、ゴゴゴゴという音がしそうな感じでゆっくりと開く。メイドはこれ以上進めないのか、俺に向かって腰を折っている。俺は少し物怖じしながらも扉をくぐる。

部屋の中は一番荘厳で美しく大変金がかかっていることが窺えた。迦楼羅の私室とは違った美しさで、多少は成金っぽいがそれでも調和があった。いや、迦楼羅と違ってとても嬉しいよ。壁際には高貴そうな人がちらほらと。ど真ん中には階段があって、そのてっぺんには赤いふかふかな椅子があった。そこに座るはちょっとメタボな小柄なオジサン。典型的だな。その一段下にはシーアがそっと佇んでいた。え!?そこなのシーア!?

等とは言わず、ある程度進んで跪く。


「ハル・ニーズニル、ただいま参りました。私のせいでお待たせしてしまい、申し訳ございません」


「よい、面を上げよ、ハル・ニーズニルよ」


「はい。そのお心の広さに感謝いたします」


椅子に乗る王様っぽい人。というか王様だよね。


「我はメティーク・ケユクス。ケユクス王国の国王である。今回は我が婚約者、カルメシーアを救ってくれたな。例を言おう」


あ、やっぱ王様・・・ってええ!!シーア婚約者なの!?まだ妻じゃないんだ。あんな美人さんにこんなふとっちょはあわないだろう。なんかかわいそうに思えてきた。


「いえ、こちらも意図せず内にお助けしたまでです。なかなか手応えのある戦いでしたが、勝利を手にすることができました。こうして王の御前にあることができて嬉しく思います」


嘘、嘘、嘘。嘘ばっか!でもこうでも言わないと、報酬貰えないかも知れないじゃん。簡単に倒せたなら報酬はいらないだろーって。そんなことはないと思うけど、一応保険。シーアも疑るような視線をこっちに向けてるけど無視する。


「そうか、さて汝にシーアを助けてくれた礼をやろう。何を求めるか?内容によっては叶えてやろう。申すがよい」


キター!念願の報酬だぜ!もちろんあらかじめ決めてある。


「では、お言葉に甘えて。私は宮廷魔術師として登用させて頂きたく存じます」


暴れ回るも、職があったほうが何かと都合がいい。しかも宮廷魔術師とくれば相当な権力になるだろう。王様を始め、シーアや周囲の貴族は驚きの表情をしていた。


「むぅ・・・。それは少し難しいな。一応手配をしておくが、無理な場合に備え別の願いを考えとくとよかろう」


それは想定済み!そう簡単に国の中枢に入れてくれるとは思っていない。しかも助けたとはいえ、王様自身は俺の実力を知らない。上辺だけどな。全てを知れば宮廷魔術師では済まない。具体的には祀られる。


「では、試験を受けさせていただくというのはいかがでしょうか。見ず知らずの者を登用させるのはいささか不安でございましょう」


「うむ、それなら何とかなるであろう。分かった。その願い確かに聞き届けたぞ。今すぐ手配しよう」


「ありがたき幸せ。御身のため、頑張らせていただきます。受かるよう願っていただければ、とても励みになる故」


「そうか、では願うことにしよう。他にも願いはあるか」


「最後に一つだけ、お願いしたいことが」


「申してみよ」


わーい!どちらかといえばこっちの願いのほうが本命だったんだよね。今朝からずっと考えていて、さっき目が覚めた時その欲望が余計に強くなった。いまじゃもうそのことしか考えていなかった。ああ、早く欲しい。



「大量の食事を頂けませんか?」

ユニーク1000突破!有難うございます!


お詫びに短編をアップしておきます。

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