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十七話

 色々あった自己紹介の日から三日目。今日は日曜日である。

 普段だったら昼間でゴロゴロしている筈なのだが、今日は朝から逢に起こされ学生警察へと連行された。

 日曜くらいゆっくりさせろっつーの。

 文句を垂れつつ学生警察へと行き、午前中は逢と一緒に見回りではなく事務作業をさせられた。

 と言ってもそんなことやったことも無いのでできるはずもなく、早々に邪魔者扱いされた俺は、彗華に言われ学生警察内の掃除をさせられた。

 俺がやったのは主に倉庫整理とゴミ出し、後は力仕事全般。

 何か良いように使われてる気がしたが「それくらいしかできないだろ?」と言われれば反論のしようもなかった。



 昼に休憩を挟み、また掃除を始め、午後四時になったところで前半のグループと交代で見回りに行くことになった。



 そして現在。とある公園の木の下に俺と逢は立っている。

 別にサボってる訳じゃないんだからねっ!

 ……いやホントにサボってるわけじゃなく、これにはちゃんとした事情がある。

 見回りを始めて一時間程経った時に突然雨が降ってきたのだ。

 多分夕立なのだろうがなかなかに激しい雨で、俺達はすぐに雨宿りしようと辺りを見回したが回りには雨をしのげそうな建物はなく、仕方なく俺達は近くにあった公園に生えていたそこそこにでかい木の下に避難することにしたのだ。


「……雨、止みませんね」

「そうだな」

 ここに来てからかれこれ10分程経っているが雨は一向に止む気配がなかった。


「くしゅっ!」

 不意に逢がくしゃみをした。


「寒いのか?」

 逢の方を見ると微かに体が震えていた。

 春とは言えこの時間はまだ肌寒い。それに加えて雨で服が濡れせいもあり体が冷えたのだろう。


「いえ大丈夫です」

 逢はそう言ったが、どう見ても強がりにしか見えなかった。

 俺は自分の着ていた制服のブレザーを逢の肩にかけた。


「表面は濡れてるけど中までは届いてねぇからそれ羽織ってろ。多少は暖かいだろうから」

「い、いいですよ別に! それにこれじゃあ先輩が寒いじゃないですか」

「いいから黙って着てろ。俺はこの位の寒さだったら慣れてる」

 そう言って俺は逢に無理やりブレザーを羽織らせた。


「……先輩って意外に強引ですね」

「その言葉だけ聞くとなんかエロいな」

「そう言う意味じゃありません!」

 その後もからかってる俺に文句を言っていたが最後にぽつりと逢が言った。


「……ありがとうございます」

 そう言って逢はそっぽを向いてしまった。


「……どういたしまして」

 そう返し、俺達はまた言葉少なく雨が止むのを待った。



 その後、二十分程経ってようやく雨が止んだ。

 正直、午前中の力仕事と雨に濡れた服のせいで俺はもう帰りたかった。

 だがそう言った俺に対し逢は、


「駄目です。仕事なんですから最後までしっかりやり通さないと」

 そうすげなく断られ、俺は渋々最後まで見回りを続けることになった。

 あんま張り切るとろくなことにならないんだけどな……



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