第玖ノ章~始終~
第玖ノ章~始終~
~???~
「どうだ?」
学校の教師のような恰好をした男は黑ずくめの男に聞いた。
男は言った。
「準備は出来ているあとは……」
そう言って男は何かを渡した。
「そうか……あと一つ聞きたいんだが……」
教師のような男は息を吸ってから言った。
「ここにあの3人がいるのは本当か?」
黑ずくめの男はくすくす嗤って言った。
「問題ない……彼らは、まだことを起こせない」
教師のような男はそれを聞いて安心したのか去って行った。
去って行ったあと黑ずくめの男はつぶやいた。
「この程度のハプニングどうにか対処してくれよ。
無限の魔法所持者……九十九 海人君」
黑ずくめの男は嗤った。
そして、
黑ずくめの男は音もなく消えた。
~数時間前~
これは、朋和が来る少し前の話だ。
つまり、新しい先生のこと。
全ての学科に1人ずつ新しい先生が加わった。
まず、剣には執事のような服を着た青年、名前は霧崎 刀≪きりさぎ かたな≫。
そして、武道家には煙草を毎回吸っている渋い感じの男……名前は死銃≪しじゅう≫。
最期に魔道士には、金髪の不気味な人形を持った少女だ、名前はドール。
それぞれで1名だけ性と名がある。
あとの二人に関しては名前しか言われていない。
そして、海人たちの所に来たのはドール。
ドールは毎回ニコニコしている。
普通に見れば笑っているように見えて微笑ましい。
そう……普通にみれば…………。
~現在 教室~
「……で、授業が終わったんだが―――」
励は海人の席に行き言った。
「なんで護衛対象者が梓乃なんだ?」
励は梓乃を指さした。
梓乃は笑いながら海人に手を振った。
海人はそれを無視して励に言った。
「超、ド、ン、マ、イ」
励≪はげ≫ますようなかつ馬鹿にしたような言い方だった。
「…………」
励は極めて普通にかついつもより笑顔だった。
それは、すべてを悟ったようなそんな笑顔に近かった。
そして、励が席に戻ろうとしたら……。
浩太がいきなり吹っ飛んできた。
そして、海人と励は浩太を見た。
浩太には特に外傷はない。
とりわけ目立つのはとりあえず下半身と上半身の曲がり方が異様なことだ。
「……死んだのか?」
海人は席を立ち浩太の頬を引っ張った。
浩太の反応はゼロ。
ちなみに、ほかにも殴る、蹴る、叩く、抓る、を試したが1つも反応しなかった。
そして、しばらくすると海人と励の後ろから声が聞こえた。
「授業中にねないで……」
それは静かでおとなしそうな声だった。
海人と励はほぼ同時に振り向いた。
そこにいたのは浩太の護衛対象者だった。
みると片手に何か持っている。
ちなみに、この人の名前は朝露 霞≪あさつゆ かすみ≫。
髪は少し青く目は右に緑左に青。
オッドアイの珍しい目の持ち主。
また、霞は性格は浩太とは違いおとなしく落ち着きがある。
言わばTHEお嬢様である。
ちなみに、梓乃をお嬢様と見た場合。
霞は皇帝陛下に値する。
それほどの差がある人物だ。
ちなみに、その人物に海人と励は睨まれている。
しばしの沈黙が教室を包む。
そして、その沈黙を破ったのは霞だった。
「……二人はそこの変態の友達?」
透き通ったようなきれいな声に驚いて二人は言葉を失った。
すると、後ろにいたはずの浩太が。
「いきなり吹き飛ばすとはいい度胸じゃないか」
なぜか、激怒していた。
寝起きに吹き飛ばされたら怒るのは無理ないが……。
「……寝たのが、わるい」
そう言って席に着いた。
浩太はそれに抗議をしていたがやがて自分の席で寝始めた。
海人と励は二人で顔を見合わせた。
そして、二人で言った。
「「あいつは、馬鹿だ!!」」
そうこうしているとチャイムが鳴った。
先生はドール…。
正直数名は期待した目で見てまた、数名は厭≪いや≫な目で見た。
そして、授業は始まった。
ドールは魔法の歴史について教えていた。
至って授業は普通だった。
そして、授業は終わった。
普通の授業だったしわかりやすくいい先生でもあった。
そして、その日事件は起きた。
学校の所々で爆発が起きた。
生徒たちはすぐに集会所に集められた。
そこでは、こういった説明がされた。
今の所しられているなかで何者かが爆発物を仕掛けたとされている。
ということそれと、そのものと思われる者から電話で一報があったらしい。
電話の内容は以下の内容だ。
諸君、私の名前はクルセイダー。
正義の味方だ。
私はこの学校が憎い。
そして、この学校は私は平和のためには無駄だと思う。
早々に廃校にしなければ神の鉄槌が下るだろう。
私の要求は早々に学校をなくすこと。
無駄なあがきはするな。
1時間後に、学校西部を破壊する。
以上だ。
この内容を聞き先生方はすぐに集会所に生徒を集めた。
この学校始まって以来のテロ行為だ。
そしてこれは海人と浩太と励にとって最悪の事件になるのだった。