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第陸章~新しい門出~

第陸章~新たな門出~


~模擬戦~


「はっ!!」

朋和は海人に縦切りをした。

だが、海人はそれを後ろにはねてよけた。

朋和の武器は長剣だ。

剣自体が長く長さは約1m強。

重さは10㎏。

一応両刃ではあるが剣自体は細い。

風を切る音と共に海人は持っている刀のついた拳銃≪ガン・ブレード≫で撃った。

海人は、朋和とは対照的に刀のついた拳銃≪ガン・ブレード≫を使っている。

これは、刀もついているがそこまで長くはない。

付け根から約15㎝。

普段は刀は隠れている。

ちなみにもともとこれは両手武器だ。

拳銃自体は1つで10㎏以上する。

それを2丁となるとかなりの重さだ。

それに拳銃自体はとても長い。

長さは、約50㎝強。

攻撃力は高いものの重く扱いが難しいためあまり使われていない。

「やぁぁぁぁああああああああああぁぁああぁ」

朋和はそのまま縦横斜め右下から上に切り上げた。

朋和は音速とも取れるかのような速さで切った。

だが、海人はそれを全く気にとめず全部片手にある拳銃で受け止めた。

正直止められると思っていなかったのか朋和は戸惑っていた。

その隙に海人は数発撃った。

海人が撃ったのは魔弾。

魔弾は、魔法の宿った銃弾。

銃弾の代わりに自分の魔力で銃弾を創りそれを撃つ。

魔弾には普通の弾とは違いいろいろな能力をもっていたりする。

能力は人さまざまだ。

ちなみに海人のつけている能力はスピード。

ちなみに平均的なスピードに比べると2倍ほど早い。

だが、その分魔力の消費が早い。

1発で普通の中級魔法と同じ魔力を使う。

効率は悪いが一番当てやすく他の能力に左右されない点を持つ。

しかし、それでも朋和はそのスピードに追い付き剣で撃ち落とした。

「…その程度のスピードならとうに見てるよ」

朋和は剣で真空波をだした。

「そっか…そろそろだな」

海人はそういうと真空波を避けて朋和に撃ち続けた。

朋和はそれを撃ち落としながら言った。

「…魔力の無駄だよ」

朋和はそれを避けずに撃ち落とし続けた。

一方そのころ…観客席では…。

「えっと…あれ本当に九十九か?」

「ありえないな」

外野はほかにも…「ハッタリか?」とか「八百長じゃ?」などと口々に言っていた。

でも、

「うるさいわね!!あんたらも悔しいんだったらあんだけのことやってみなさいよ!!」

その外野を黙らせたのが希海だった。

希海は目をキラキラ輝かせて二人の試合を見ている。

「…ありがとうございます」

そこに麗華が来た。

「あなたは…確か……」

「私の名前は九十九 麗華です。

 海人の妹です。ついでに剣術1年です」

麗華がそう言うと希海はそういえばあなたがと相槌を打った。

「でも、なんでお礼を?」

「…いま、兄さんのことを褒めていたじゃありませんか」

麗華は一回後ろを見てからもう一度希海を見た。

「褒めてたって言ってもそんなでもないわよ?どこに褒めた言葉がはいってたのかしら?」

希海は試合を真剣に見つめ麗華に問いかけた。

「今、さっき『あんだけのこと』って言いました」

麗華は試合を見つめながら答えた。

「勘が鋭いのね?」

「そうでしょうか?」

二人は笑いながら試合を見ていた。

二人の試合はある意味圧倒的だった。

普通に見れば互角…なのだが力があるものが見ればどう考えても試合の結果は決まっているのだ。

「海人は…あれで本気なの?」

希海は麗華に問いかけた。

「おそらく、本気はだせてないでしょうね」

それを聞いて希海は目を丸くさせた。

「それは、わざとなの?」

「いえ…これは、兄さんの精神的なものとあとは魔法による呪いなので…なんとも」

そう、海人は7年前のあの日。

琺瑯者に言われた。

『君にはもう力は必要ない』

その日から海人は魔法が使えなくなった。

魔弾や強化魔術それから物質の転送はできるのだが他の一番有名な魔法が一切使えなくなった。

「…そう、でも彼は少なくとも今出せる限りは出してるんでしょう?」

「わかりません…兄さんですから」

「ご尤も」

そう言い合って二人は笑った。

一方そのころ浩太と励は…。

「で?海人が来たがどうするんだ?」

励は試合を見つつ床に寝そべりながらうめき声をあげる浩太に声をかけた。

ちなみに、浩太が寝そべっている理由は簡単だ。

数分前こいつは集団のお嬢様の群れにこういった。

『一緒に…夢の国に行きませんか?』

浩太はあほで気づいていなかったらしくとりあえず全員に腹パンを喰らって今に至る。

「…そうだな…よ…そうど…うりだ」

途中、途中にごばっだのぐべっだのが入ったが見苦しいので励は聞き入れないことにした。

「でも…7年前のことは消えないもんな」

「…そうだな」

励は真剣に言った。

それに答えるかの様に浩太もさっきまでとは違い真剣な顔つきだった。

でも、すぐににこっと笑い。

「あ~ぁ…あいつは本当に強いよな~」

浩太は笑いながら言った。

「だ…な」

励もそれに答えるかの様に笑って答えた。

「…試合は、もう決まるな」

浩太が唐突に言った。

そこでは、もうほとんど決着がついていた。

「さて…俺らももっと精進せねばな」

「だな」

二人は笑っていた。

その笑顔は本当に眩しかった。

…でも、周りのお嬢様たちはその光景をみて。

「BLだ」とか「同性愛だ」とか言っていたらしい…。


そして、戦闘…。

二人の戦闘は続いていた。

優勢なのは見た感じ朋和だ。

全ての弾丸をはじき壁まで海人を押し寄せていた。

「これで…勝負あったね」

朋和は笑顔で言った。

「早く降参してくれないか?」

朋和は自分の勝ちを確信した。

本当は勝てないと思った。

でも、今は違う…。

この距離なら彼が撃つより速く剣を下ろすことができる。

その時点で自分の勝ちだと思っていた。

でも、海人は何も言わなかった。

ただ、下を向き笑っていた。

「…降参しないなら―――」

朋和が言い終わる前に海人は言った。

「お前の負けだ」

その声と共に目の前で剣が砕けた。

「なっ…!!!」

朋和はあまりにも驚き言葉を失った。

その間に海人は拳銃を変形させ刃を出して二つの刃で朋和の首をとらえた。

ちなみにこれは模擬戦…。

決して殺してはいけない。

そのため基本的に今のように壁に押し寄せるか、また武器を壊すかで決着がつく。

でも、今回はおかしかった。

いきなり、朋和の武器が破損した。

それも、たった一言で…。

朋和は下唇を噛みながら言った。

「…参りました」

その言葉と共に会場は五月蠅くなった。

みんな口々に海人を見直す声やまた他に生徒会長かわいそうなどと言った声も上がった。

でも、そのなかで一人の少女が前に出て言った。

「あ~…オホンッ…。

 こんにちは、みなさん、うち笹岡 梓乃いいます。

 今の試合見てたんやけど、質問ええか?」

海人の知らない人だった。

だが、励と浩太は知っている。

そう、彼女は笹岡 梓乃。

一応お嬢様だ。

「え~…今の試合見てて思ったんやけど不可解な点がいくつかあんねん」

「なんだ?」

海人はマイクをつかって喋る少女に向かって聞いた。

「まず…一番の疑問からやけど…。

 なんで突然かいちょーはんの武器が破損したんや?」

梓乃の疑問と共に会場から「そういえば」とか言う声が上がった。

「説明してもろていい?」

「構わねーよ」

海人はそういうと自分の武器を上にあげて言った。

「俺の武器は見たとおりだ。

 自分の魔力におおじてその威力に変化が出る。

 ちなみに、今回使った俺の弾は何かわかるか?」

海人は梓乃に聞いた。

梓乃はう~んと一度考える素振りをとってから…。

「スピードの出る魔弾ちゃうの?」

梓乃がジェスチャーをしながら答えた。

すると、海人は笑った。

「ムッ…何が可笑しいねん」

「…悪い、ただそれは大いに勘違いだ」

海人の声に周りがざわついた。

朋和も後ろでおどろいた顔をしている。

「俺が撃ったのは小さくてかたい魔弾だ。

 ここまで言ったら勘のいい奴は分かるんじゃないか?

 俺は、わざとこの生徒会長に当てなかった」

海人は拳銃を上向きに一回撃った。

すると、ものすごいスピードで天井を貫通した。

でも…その穴はものすごく小さいものだった。

確かに、天井が遠いせいもあるだろうがそれでも小さく感じるものだった。

「こいつは全部剣で受け止めた。

 そのときにこれは堅くて小さい…だから剣が少しづつ削れていったんだ」

「…つまり、受け止めるのがもとから狙いだったちゅーわけやな?」

「まぁ…そういうことかな。

 あとは、ご想像にお任せするぜ」

海人はそういうと自分の武器を腰に納めた。

「…じゃあ、最後に一つええか?」

「この際だ、なんだ?」

海人はその場に座り込んだ。

梓乃はふうと一回息を吐いてから…。

「なんで、体にあてなかったんや?」

その言葉に会場の全員が驚いた。

確かに言われてみればそうだ。

わざと外したということはつまり当てることもできなくわなかったということになる。

海人はこの試合の中で武器にはじかれる以外で会場に弾が飛んだことはなかった。

「なんでや?」

梓乃は含みのある笑顔をしながら言った。

海人は、一度息を吐いてから言った。

「お前は模擬戦で人を殺したいのか?」

海人は言った。

「俺は人を殺すためにここにいるわけじゃねーんだ。

 確かに今やってることは人だけでなく生き物すべてを殺すことを学んでるかもしんねーけどよ。

 もとは護る為じゃないのか?

 俺は護る為にここにいるからだよ」

海人はそう言ったあと立ち上がり。

保健室と一言いって立ち去った。

会場はしばらくのあいだ静寂だった。

でも、その中に数人笑顔の人物がいた。

「兄さんらしいですね」

「そうね」

二人意気投合しあう少女二名。

また、

「…吹っ切れたか」

「そうだな…俺らも少しは頑張ろうぜ」

肩を叩きあいながら友人の背中を見届ける少年が二名。

それに、海人に負けて地面に座っている男もそうだ。

「…護る為、か…考えてもいなかったな」

それぞれの思いが…会場にあふれていた。


そして、試合が終わるのと同時刻。

「あぁ~退屈だったぁ」

人形をもった少女が校門の前に立った。

「すみません…お嬢様、一応予定時刻より早く到着したのですが」

執事服の人は申し訳なさそうに頭を下げていた。

「まぁ~…いいわぁ、待ってなさいよ。

 九十九 海人!!」

少女は校門で静かにほほ笑んだ。


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