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第伍ノ章~戦い~

こんにちは。

今回、第伍を書くことが出来ました。

今回から、さらにヒートアップするので楽しみに見てください!!

第伍ノ章~戦い~


~7年前出来事~

海人の目の前で幼馴染が死んだ。

海人はそのころ10歳。

まだ、親元で暮らす時期。

でも、海人は親とは疎遠しそのころはその幼馴染の所で引き取られた。

引き取られたのは正確には海人が幼馴染にあった時だ。

海人はなるべくその家族には関わらなかった。

海人の幼馴染…名前は遠野 春香≪とおの はるか≫。

茶髪に右に青、左に赤という世にも珍しオッドアイの子。

海人の初めての親友でもあった。

…でも、殺された。

7年前…その日は雪が降っていた。

遠野家は毎年この日になると決まってパーティーを開いていた。

海人はそれに参加しなかった。

遠野家はお金持ちだったがこの日に限っては家族でパーティーをしたからだ。

そのため海人は必ず何らかの方法で風邪をひいた。

最初は冷たい水を頭からかぶって表で4時間座ってた。

次の年は熱湯をかぶった後外で気づかれるまでいた。

そして次の年も…そのまた次の年も…。

そして、今回初めて海人は風邪をひけなかった。

海人は仕方なくそのパーティーに参加した。

規模は大きくなくどこの家庭でもやりそうな内容のパーティーだったが海人には懐かしかった。

自分の父が堕落してからこんな思いはしたことがないからだ。

海人の父はその後はずっと暴力の嵐…。

それに耐えられなくなった母は妹をつれて逃げた。

でも、海人は逃げられなかった。

海人は自分の父親を見捨てることはできなかった。

でも、結局は見捨ててしまった。

遠野家に来てしまった。

海人は少々ながら自分のしたことに反省した。

「海人君、今日はご馳走がたくさんあるからね」

春香の父は海人に優しくいった。

それは海人にとってとてもうれしく懐かしくあった。

「あ…りがと…う」

海人はしどろもどろになりながら春香の父にお礼をした。

「ほら、たんとお上がり」

春香の母が海人にお皿を渡した。

海人はそれを照れくさそうに受け取った。

海人は嬉しかった。

こんなふうに受け入れてもらえるのが。

今までの苦労がまるでなくなるかのようだった。

「そうそう…あの、励君と浩太君も招待してるからあと少しでくると思うよ」

春香の父はそう言って海人に優しく笑った。

春香も俺に優しく笑った。

それが海人はくすぐったかった。

…でも、幸せは続かなかった。

「あははっ…こんばんわ~」

窓から突然見知らぬ男の声が聞こえた。

「誰だ!!」

すぐに春香の父がそれに応戦した。

男は笑いながら。

「あははっ…無駄だよ。ちなみにボクの名前は

 う~ん、そうだな琺瑯者≪ピエロ≫なんてかっこよくないかい?」

窓から入ってきた男は海人たちの目の前に現れた。

男の格好は道化を思わせる格好をしていた。

頭には包帯をつけその上からピエロのような仮面をつけている。

「…無反応、つまらないな~……そうだ!!」

琺瑯者と名乗った男は突然両手を広げ。

「ショーーーーーーーーーーーーータァイム!!」

そう言った。

すると、突然春香の父はその場に座り込んだ。

「な…に……をする」

春香の父はとぎれとぎれになりながら言った。

「あははははっ…ちょっと黙ってもらったのさ。

 そうだな、誰が死ぬべきかな?」

そういうと男は目の前に一人の少女を出した。

少女は目隠しこそされてるが誰かは見分けがついた。

海人の妹だ。

「さぁて、運命の選択だよ?どっちを選ぶ?」

「…それは、俺に聞いてるのか?」

「あははははっ…海人君君しかいないよ」

琺瑯者は楽しそうに嗤った。

「誰と誰を選ぶんだ?」

海人が聞くと琺瑯者はくすくす嗤ってから。

「時間切れ~さて、ここにいる君以外……」

琺瑯者は楽しそうだった。

目の前で人が倒れていった。

海人は赤い瞳でその様子を見た。

もどかしかった…腹ただしかった。

抗いたいのに抗えない…。

何故か動けない。

だけど、海人は抵抗した。

次々に倒れていく。

最初は春香の父。

次に春香の母。

そして、次に春香…。

みんな、何も言えずに死んでった。

それが、一瞬だったか…数時間だったかはわからない。

ただ、その場で全員殺された。

例外なく海人の妹まで。

いや…実際はみんな生きている。

でも、おそらく間に合わない。

手遅れ。

琺瑯者は嗤った。

『皆殺し…海人君……君にはもう力は必要ない』

海人はそのあと意識を失った。

その後、励と浩太の話だと。

二人が入ったら突然血まみれの部屋で急いで救急車を呼んだらしい。

その時はなぜか海人の妹と春香の父と母と海人の姿しかなかったらしい。

海人の妹と春香父と母は一命を取り留めた。

海人の妹はその後すぐに迎えが来たらしい。

海人はその時病院にいたからだ。

春香の父と母はわざとだか当たり所が良かったのか大きな血管のみ切れていなかったらしい。

しかし、警察の調べによると春香は助からないらしい。

今の状況でDNAを調べた結果。

春香の血と思われるものが1ℓ以上検出された。

それは、平均的にヤバい状況にいるらしい。

それに、いないということはさらわれたか自分で逃げたかだ。

でも、おそらくどっちにしてももう手遅れだ。

海人はそういわれた。

春香の父と母は海人に優しく笑った。

海人は、それ以降笑えなくなった。

そして、赤い瞳はさらに紅く紅蓮の瞳と呼ばれるようになった。



~教室~

「…えっと、いいか?」

励は申し訳なさそうに言った。

ちなみに、今は午後7:00。

学校も終わり寮に帰ってるところだ。

「なんだ?」

海人は励を見ずに聞いた。

「…今は、あの約束をしてから何日たったかしってる?」

ちなみに、あの約束とは前回の模擬戦のことだ。

「えっと、今日で1週間と5日かな?」

「そうだよ!!あんた、何もしてないよ?!」

励は海人に訴えた。

「俺はでない」

海人は短く答えた。

「…模擬戦はそうもいきません!!

 これは俗に言う新人戦みたいなものなの!!

 だから1年はみんな強制参加」

励は声を張って海人に訴えるのには理由があった。

それは、さかのぼること1週間前…。


~回想~

「…ただいま7日過ぎました」

励は海人に告げた。

海人は出ないの1点張りだった。

ちなみに、最初の3日はいろいろな準備で授業はなかった。

が、4日目から授業があった。

ちなみに、最初の授業は魔法の基礎。

それで1日が終わった。

5日目も同じ。

そして、6日目には実践が少しありみんな魔法を使ったのだが…。

海人のみ、一切、魔法が使えなかった。

術も魔力も足りてるのになぜか発動しなかった。

そして、7日目の今日今からまた実践がある。

今日、発動できなかったら色々と困る。

昨日校長がそいつ魔法使えるよ~みたいなこと言ってったからである。

ちなみに、本人≪かいと≫は使えないと言っている。

励は迷っていた。

海人は出ないというが少しは出る気にならないとあのお嬢様が大変なことになる。

この学校の目標はお嬢様を護ること。

だからこそこの学校の目標を護るために励は頑張っているのだが。

海人は全然動く気配がなかった。

この学校の女子の10分の1は全員お嬢様でそのお嬢様たちは基本的に違うところで授業を受ける。

お嬢様たちは基本的に護られる側に就くまでの間…。

優雅な時間を過ごしたり護衛者≪ボディーガード≫の授業を見ていたりするという。

この学校では自分のことを護衛してほしい人は模擬戦のあとに申し出がくるらしい。

ちなみに夏の大会までにいないと強制的に退学になる。

励はそれだけは避けたかった。

おそらく、この試合に負けたら(なにもせず)お嬢様たちは誰一人海人を選ばないだろう。

そして、希海はこの前。

「もし、海人が負けたら退学してやるわよ!!」

と言っていた。

つまり、実質…海人は退学になってしまう。

それが励は嫌だった。

「どうにか…な?」

励がそういうと海人は…。

「わかった。少し頑張る」

…結果、一つも使えなかった。

簡単な属性のないエーテル魔法の一つすら使えないのだ。

先生たちからは使えないのではなく使わないのじゃないかというのもでてきた。

海人は、それでも焦った感じではなかった。

これが1週間前の出来事…。


~教室~

「…で?今に至るのだが…。明後日なんだが試合」

「俺は出ない!!」

海人はガッツポーズをした。

「頼む…でてくれよ」

「無理…俺武器ないし」

海人は適当そうな理由を言った。

「ちなみに、武器があったらでるのか?」

励が海人に聞くと海人は。

「は?なにそれ…でるわけないじゃん」

海人は当たり前のように言った。

励が何か言おうとしたところ…。

「あの~俺そろそろ喋っていいか?」

浩太が割り込んできた。

浩太はちなみに、罰ゲームにより喋るの禁止令が発令された。

「…まぁ、いいんじゃない?」

励は適当に浩太をあしらった。

「そう?じゃあ…言わせてもらうぜ☆」

浩太は指を立てた。

そのあと真面目そうな顔をして立ち止まって言った。

「海人…」

海人もその雰囲気を感じ取ったのか立ち止まった。

「逃げんのか?」

「何のことだ」

「わからないのか?」

浩太は後ろ向きの海人に向けて言った。

「とんだ、お笑い草だ…お前何も変わってないな」

「突然変わったらこえぇよ」

海人はそれでも適当そうに言った。

浩太にはそれは言い訳に聞こえた。

「ふざけんなよ?」

「は?」

初めて、この二人がぶつかった。

今まで、浩太は海人に何も言わなかった。

でも、今回は口を出した。

…7年前、海人は浩太と励に言った。

『次は…護ると』

でも、次なんてあるわけがない。

海人はそれ以降どんどん落ちぶれた。

「お前は、逃げてるだけの餓鬼だ」

「ケンカ売ってるのか?」

海人は声を荒げ浩太の首を掴んだ。

体格差にして40㎝以上。

それでも、浩太の体はどこか浮いてるようにも見えた。

「お前…そうやって自分だけ不幸に思ってるのかよ」

浩太は続けた。

「今のお前は7年前のことをやり直したいと思ってるんだろ?

 すくなくとも7年でいいから戻りたい…戻ってやり直したいそう思ってるはずだ。

 でもよ、じゃあ今のことはいいのか?

 また、7年…いや5年かも下手したら1年かもしれない。

 やり直したい…そう思わないのか?

 そう思えないのか?

 だったらよ…今やり直せよ…。

 7年前が今戻ってきたんだよ!!」

浩太は海人の手をはたきながら言った。

海人は拳に力をいれて小さく弱く言った。

「…過ぎた時間は戻らない。

 たとえ、どんなに時を熟知しようと」

海人はそう言って歩き出した。

「…でも、意味のないことに迷う必要はない」

「俺は迷ってなんかない」

浩太の質問に海人はそう答えたが。

浩太は…。

「迷ってるよ…誰よりかお前がな」

浩太がそういうとそれに答えず海人は走り出した。

励と浩太はそれを見ていることしかできなかった。

「…あいつ、戻ってくるか?」

励は心配そうに言った。

「大丈夫…あいつは試合にでるよ。

 なんだかんだ言って約束を破ったことはないからな」

浩太と励は歩いて寮まで行った…。

次の日…。

海人は学校にこなかった。

そして、当日…。

この日は珍しく雨だった。

「海人はまだか?」

今の時間朝の12:30。

試合まであと10分だ。

この模擬戦は基本的にいっぺんに終わらせるのだが…。

この試合だけは別だった。

生徒会長と特待生の戦闘。

そして、その特待生は何もできてない。

この試合に興味を持たない者はいなかったため。

校長がすべてが終わった後にということになった。

それでも海人は来ない。

「呼んできますか?」

一人の男子が言った。

「いや…いい」

朋和は短く言った。

「時間に遅れたらそのまんま試合放棄とみなす」

そして時間は過ぎていく…。

「あと30秒…これは来ませんね」

ある先生が言った。

7人を除いて全員来ないものと思っていた。

校長…梓乃…希海…浩太…励…朋和…麗華…。

この7人だけはまだ来ると思っている。

そして、カウントダウンが始まった。

「10」

……………。

「9」

……………。

「8」

……………。

「7…」

7と同時に扉があいた。

そこには身長があまりにも低く紅蓮の瞳をした少年が立っていた。

「遅くなった…始めようや」

「来ると信じていたよ…九十九 海人」

会場が沸いた。

まるで、ライブのような盛り上がり。

「…始めるか」

朋和の声と共に外野は静かになった。

「ああ」

海人は短く答え二丁の拳銃を出した。

「それが君の武器かい?」

「そうだな…刀のついた拳銃≪ガン・ブレード≫だ」

そして、始まる。

「手加減はできないよ…海人君」

「しなくていい」

海人は短く答えた。

朋和は笑った。

そしてそれと同時に海人が言った。

「それと…」

海人は二丁の銃のトリガーに指をかけながら。

「俺も…手加減できねーわ」

…そして、戦いは始まった。


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