第弐章~出会い~
こんにちわredeyesです。
新年あけましておめでとうございます。
今回は、少し長めで書かせていただきました。
まぁ、前書きで特にお話することもないので本編のほうをごゆるりとみてください
第弐章~出会い~
この世には、無と有がある。
それと同様に、生体と死体がある。
ある少年が言った。
『なんで君は包帯をしてるの?』
質問された少年…いや年齢としては青年だろう。
その青年は自分の包帯を触りながら言った。
『別に、理由はないよ』
少年は聞いた。
『だったら邪魔じゃない?』
青年は、少年の頭の上に手を置いて言った。
『君もいつかわかるよ…自分の…本当の味方はだれかって』
青年は去って行った。
いや、消えたというほうが正しいかもしれない。
突然、あらわれ突然消えた。
少年は青年の言ったことが分からなかった。
~<入学>学校前~
黄葉台護衛教育学校。
ここは、剣士、魔道士、武道家の3つに分かれてそれぞれの腕を上げる学校だ。
その中でも最近人気なのが魔道士だ。
基本的にここに入学するの人たちは、基本的な武道はやってはいってくる。
しかし、魔法というのは特別な環境でしかできない。
なので、全員魔法に行ってしまう。
ただ、この学校では希望すれば必ずというものではない。
魔法といってもそれに適応した『エーテル』という魔法原動力が必要だ。
基本的には誰もが生まれながら持っている。
特にここに入学するものはみんな生まれながらの『エーテル』の量は他の人を超越する。
しかし、だからと言ってみんなを魔道士にしてしまえば剣士と武道家に人が来なくなってしまう。
なので、ここでは一定量以上の人のみが魔道士になれる道を選択できる。
ただ、近年だんだんと『エーテル』をその一定量まで持たない人が多いらしい。
その辺は追々分かっていくだろう…
この、黄葉台護衛教育学校ではもう一つ最大の特徴がある。
それは、実践戦闘訓練があるということだ。
普通の学校では、本物の刀や銃それから鈍器などを持って戦いあったりしないだろう。
しかし、この学校ではあくまで『護衛する為の技術を学ぶ』為に来る所だ。
たまに自分の腕を磨きたいがために来るやつもいるらしいが、長く続かず早急に学校を辞めると聞く。
黄葉台護衛教育学校では実践戦闘も行うがおもにそれは大きな試合で用いることが多い。
この学校では、訓練でも本物の武器を使ってもいいが基本的にみんな大きな試合が控えているので訓練では偽物が多かったりする。
ただ、大きな試合の時は別で、春の新人戦、夏の夏火戦、秋の秋暁戦、冬の冬凍戦。
この4つの試合では本物の武器を使い戦う。
試合はまず3ブロックに分かれる。
剣士、魔道士、武道家。
この3種で1ブロックづつ戦い上位4名が第2試合に上れ
その、第2試合では3ブロックの選ばれた上位でタッグを組み全部で6チームで試合をする。
基本このチームは剣士は剣士の4名で1つのチームを作る場合が多い。
極稀に他の学部と手を組みタッグを組むこともあるらしい。
そして、この第2試合で勝ち残った1ペアが優勝となり勝ったチームの学部の人たちには次の試合まで大目に資金がきたりと次の試合まで色々困ることのなくなる生活が続く。
逆に負けると、資金は多少減り次の試合まで色々狭苦しい思いをすることになる。
ここはエリートの為の学校…
つまり、ここには必ずみんな何かしらの異能があったり得能があったりする。
たとえ…それを、隠そうとしても…
「ここか…」
海人はまじまじと校門を見ながらつぶやいた。
校門にはでかでかと
『黄葉台護衛教育学校』と書かれていた。
九十九 海人17歳。
この物語の主人公。
健康的な肌に紅蓮の眼そしてなにより一番の特徴が…
「よっ!チビ助」
海人の頭をたたきながら声をかけてきたのは朝日 浩太17歳。
主人公の昔からの旧友だ。
浩太は海人と違い真っ黒い肌に黒い目それから超がつくほどの筋肉体質。
その為背は今年で198㎝を越したとかなんとか。
ちなみに、主人公の背は155㎝。
歳にしては背がかなり低い。
「いい加減俺の頭から手をどかせ」
海人はそう言いながら大股で学門をくぐった。
「まぁ、ピリピリすんなってホントにぎょめんよ」
浩太は『噛んじゃった…テヘッ』とか言いながら気持ち悪くついてきた。
「なぁ、返事くらいくれよ~」
海人はとりあえず浩太を眼中に入れずにそのまんま歩き続けた。
少し歩くと浩太が後ろから
『修業がたらんのか!!』
とか言いながら何かをたたく音がした。
とりあえず基本的に浩太を無理してそのまんま下駄箱に来た。
(しかし、1年の靴はどうするんだ?)
少し昇降口で立ち止まっていると、
「久しいね、海人」
眼鏡をかけたいかにも理系そうな男が立っていた。
関口 励17歳。
励は、背が少し高く179㎝で茶色い目に少し青い髪をしていていかにもINドアという感じの人物だ。
励も海人とは昔からの付き合いである。
昔といってもそんな昔ではない、ほんの3年前だ.
実質海人も浩太も励も出会ったのは13年前になる。
ちなみに黄葉台護衛教育学校で3つの学科があるが海人も浩太も励も一応全員魔道士に立候補したのである。
「で?俺ら3人は仲良く魔道士行きか?それとも誰か省かれたか?」
海人が励にそう言うと励は
「一応全員魔道士に合格してはいるが…」
励はなんとなく言いにくそうにしている。
「どうした?頭でもいかれたか?」
海人のボケに高速で「いかれてねーよ」と突っ込んだあと真剣な顔つきで励は、
「それが順位が可笑しいんだよ」
「は?」
順位…それは、テストでその結果が張り出されるようなものである。
これは入学当初の身体能力を数値化し張り出したものだ。
「で?どこが可笑しいんだ?」
海人が励に言うと励は上のほうを指さし言った。
「九十九海人は特待生だとよ」
「はぁ?!」
海人は驚いて紙を見た。
そこにはでかでかと書いてあった。
特待生 九十九 海人
そのあと、教室に3人で行きつまらない担任紹介とHRがあった。
~HR終了後~
海人は机に突っ伏していた。
正直訳が分からなかった。
特待生と言っても、これまで海人は全く真面目に勉強すらしてこなかった。
「海人が特待生扱い…なんかすげぇな」
浩太は海人の前でにやにやしていた。
「俺は何にもしていない、それに魔力数値だって3桁すれすれだ
励や下手すると浩太の方が高いんだぞ?」
海人は浩太の頬を右から左につねりながらそう言った。
励は「確かに数値だけみればな」といい顎に手を当てて考え始めた。
「ちょ…いたっ…ごめ…ほ…ん………と……いて!!」
浩太は声になってんのかわからない声で助けを求めた。
しかし、それを励は無視して、
「昔の業績はないな、とりあえず、あんまり言いたくはないが
海人は褒められるようなことはしてないし悪いこともしてない
それに、ここに来る前の学校ではお前は学年で最下位だったしな
正直、いきなり特待生はありえなさすぎる」
励の意見は尤もだ。
海人はこの学校に入学が決まる前の学校では学年最下位の成績だった。
もちろん、そこでも護衛に関する授業がメインの学校で授業のほとんどが訓練だった。
「一つ聞きたいんだけどさ…海人」
励は海人に真剣かつ真面目な態度で言った。
「海人さ…今まで訓練でも本気だしたことないよな?」
海人は浩太の頬をつねるのを止めて立ち上がり「さあな」と言って立ち去った。
残された二人はその立ち去る海人を呼び止めることができなかった。
~13年前~
「てめぇ…また、こぼしやがったな?」
そう言われ少年は何度も殴られた。
少年は誤り続けた。
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい
何度、謝ってもその暴力は止まらなかった。
少年は最初こそ泣いていた。
ただ、泣くと必ず「うるせぇ」と殴られた。
いつしか、少年は泣かなくなった。
すると、そいつは今度「生意気な餓鬼だ!!」と言って殴った。
それでも、少年は泣かなかった。
泣かなかったんではないかもしれない。
少年は泣くことが出来なくなってしまったのかもしれない。
少年はいつしか声を出さなくなった。
何か言うことで「五月蠅い」と言われ殴られたからだ。
殴られても少年は逃げなかった。
何故か?
それは、少年がどこかで思ってたんだと思う。
『もう一度…あの頃の輝いていた父さんが見たい』
少年の父親は昔ボディガードだった。
しかし、ある任務で大きな失敗をして退職になった。
退職になる前の父親は少年の憧れだった。
少年の父親は必ず少年に言っていた一言があった。
『お前が生まれたとき、お前は泣いて俺らは笑ってた
本当にうれしかったからな
…でもさ、お前が死ぬときは、お前の周りが泣いて
お前が笑えるような人生を送れよ
例え、どんな困難や挫折があってもそれをお前は忘れるな』
少年はこの言葉を何度も聞かされた。
毎日、毎日聞かされ少年は飽き飽きしていた。
それに、少年はその意味がわからなかった。
でも、少年はそんな父親に憧れその職に就きたいと思った。
でも、現実は甘くはなかった。
父親の失敗によりまず最初に少年は家を失った。
そして、次に友達を失った。
そして、次に母親を失った。
そして、次に義妹を失った。
そして極めつけは憧れの父親すら失った。
少年は何時しか自分の父親のところを抜け出し公園にいた。
理由なんてなかった。
ただ、いたかった。
ただ、一つだけわかるのが、少年は公園に来たのに遊ばず
ただひたすらに木陰で泣いているということだけだ。
一体、いつぶりの涙だろう。
少年自身自分が何時泣かなくなったのか分からなかった。
それに、少年は泣き方も忘れてしまった。
どうすればいいのか、どうなけばいいのか。
実際泣き方なんてない。
でも、少年には普通ならわかる『子供の泣き方』がわからなかった
少年はそこで涙が枯れるくらい泣いた。
気づくともう夕暮れだった。
少年は涙を拭いまたあの家に帰ろうとした。
その時、少年の前には3人の子供がいた。
自分と大して歳の差もない少年少女。
男の子2人に女の子1人が走り回っている。
少年はその姿を見て懐かしいと思った。
少年が立っていると突然その中の女の子がこっちに走ってきた。
女の子は言った。
「いっしょにあそばない?」
少年はどうこたえていいのかわからなかった。
少年が下を向いてると残りの二人も寄ってきて。
「なにやってんだ?はやくつづきやろうぜ」
「そうだよ、つづきしよう」
二人の少年は少女に言ったが少女は首を横に振り言った。
「みんなであそんだほうがたのしいよ」
そう言って少女は少年に手を伸ばした。
少年はすごくそれが眩しかった。
少年はその手を掴もうとした。
しかし、掴むことはできなかった。
少年は体中ボロボロで正直立つのすらやっとだ。
歩くのも喋るのもどこかしらの体の一部が痛くなる。
そんな状態で走ったりできるわけがないと思った。
少女はそんな少年の手を見て言った。
「きづだらけだけど、きれいなてだね」
少年の手はお世辞にもきれいとは言えない。
傷だらけだしそれに泥だらけだ。
でも、少女はそれでも『きれいなて』だと言った。
少女は、少年に言った。
「あなたのてはとてもきれいです」
ほんとうに?
少年は声にならない声で言った。
「うん」
でも、きずだらけだよ?
少年の問いかけに少女はこう言った。
「だって、まるで―――――」
『おひめさまをまもるおうじさまみたいなてをしてるんだもん』
これは13年前のお話。
子供が子供でいられる最大の時間。
それは、限られている。
時間は限られていてそれでいてその時間は短い。
時間を作った人は偉大で、どこまでも優秀かもしれない。
でも、時間を作った人たちはある意味残酷なことをしたのかもしれない。
~教室~
「海人が本気をだしてない…か」
浩太はどこか遠くそれでいて近い女子の太ももを見ながら言った。
「浩太は残念だな」
励は、浩太の視線の先を一度見てそのあとため息をついて言った。
「浩太、一つ言っとくとさ
ここは前みたいな普通の女子は通ってないの!!
ここにはお嬢様とかご令嬢とか超有名人が付く女子も一緒に通ってるんだぞ?
だから俺らがいるんだわかるか?」
励は、わざと浩太の視線の先が見えないような位置に立った。
「そうかりかりすんなって
カルシウム足りないなら俺のプロテイン一本やるぞ?」
浩太は自分のバッグからプロテインをとりだし「おまち!!」と元気よくだした。
「カルシウムは足りてるわ!!」
2人で話していると突然。
「なんや?喧嘩かいな」
励は吃驚して後ろを振り向いた。
すると、そこには1人の女子が立っていた。
「そう警戒しなさんな
怖くて、うちしんでもーてしまうやろ」
突然の出現に一番おどいていたのは励で浩太は…
「なぁ、そこの…」
「笹岡 梓乃や」
浩太は「おおう」と言いながら今度は梓乃に視線を送った。
笹岡 梓乃 笹岡財閥の令嬢ながら気配を消す天才と言われている人。
見た目は、ショートで少しオレンジかかった髪に健康そうな肌。
そして、1番の特徴は言葉になまりあるということ。
梓乃自身は気づいていないらしい…
「まぁ、喧嘩するんはいいけどな
とりあえず、特待生はどこや?」
梓乃はわざとらしくきょろきょろしながらそう言った。
励は梓乃のことを一切見ず椅子に座り瞑想していた。
励はある意味悔しかったのかもしれない。
今まで訓練してきたのにここにいるお嬢様の気配すら気づけなかったことを。
「で、梓乃さんだっけ?」
「梓乃でええよ」
「ほう、では、梓乃よ~お前もお嬢様なのか?」
梓乃は少し頭に手を置いて考えてから「一応、おぜうやね」と言った。
「おぜう?」
「おお、すまん、すまん堪忍なおぜうっていうんはお嬢様のことや」
その言葉を聞いて浩太は「じゃあ、もしかしたら俺らの護衛対象者になるかもだな」
そう言ってくるくる回り始めた。
「浩太はん?いきなりどうしたんや?」
「いきなりでもないぜ☆まわりたいんだぜ☆」
「浩太は基本が馬鹿だからな」
浩太がくるくる回り始めたと同時に励は目を開けていった。
「かい…特待生なら校長室にいった」
励はそう言うとまた椅子に座り直し瞑想にはいった。
「おおきに、じゃあうちは校長室いくわ浩太はんも回りすぎんようきーつけや」
そう言って教室から出て行った。
「190…191…192…191…ってあれ?…そうだ!!」
浩太は突然回るのをやめて励に振り返った。
「励、あいつなんでこのクラス来たんだ?」
励はゆっくり目を開けて言った。
「しらん!!」
~校長室~
「で?俺が特待生の意味を教えてくれよ!!」
海人は校長室にノックもせずはいりいきなり怒鳴った。
「そう怒るりなさんな」
校長は紅茶を飲みながら言った。
「なんで、俺を目立たせた?」
「カルシウム足りてるのか?」
この学校の校長は最近着任したばかりだから相当若い。
噂によると二十歳になり立てだとか違うとか…
「俺はお前と約束したはずだ」
海人は校長の前に立って言った。
「俺は魔法科に――――――」
「それ以上は言うんじゃないよ!!」
校長は海人に一括した。
校長は静かにカップを置くと、言った。
「海人、お前に会わせたい人がいる」
「会わせたい人だと?」
海人はため息をつきながら校長室についてるソファに腰を掛けた。
「そうだ、お前に―――おっと、来たか」
校長が言いかけたところで静かめのノックがした。
「はいりな」
「失礼します」
そこにいたのは海人にとって懐かしい人物だった。
髪は腰あたりまであり黒い髪に黒い瞳それからこの礼儀だだしさ。
「麗華か」
それは、新たな出会いだった。
そのころ梓乃は、校長室の扉の前にいた。
「おもろいやないか…」
少しずつ、壊れた歯車が…
動きだした…