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第壱拾伍ノ章~過去の清算 ドール~

第壱拾伍ノ章~過去の清算 ドール~


朝から麗華と希海の機嫌は最悪だった。

ちなみに海人は理由を分かっている。

それは、朝にさかのぼる。


~朝~

「ふぁあぁああぁ」

海人は欠伸をしていた。

ちなみに、今海人は起きた。

しかし、海人は朝は滅法弱い。

「うぅ~」

海人は基本的にここで二度寝する。

そして、ぎりぎりで誰かに起こされる。

そして今日は……。

「おきてぇ~、かいとぉ~」

海人は眠い目を擦りながらおこしに来た人を確認した。

(えっと? 誰だ?)

海人はおこしに来た人を見て誰かわからなかったがそのまま無視してもう一度寝る体制に入った。

「むぅ~……せっかく先生が起こしにきたのにぃ~」

海人はその声を聴いて目を開けた。

そこには、ドールがいた。

海人はドールを確認してからもう一度寝た。

「……一緒に寝ちゃうよぉ?」

海人はほとんど寝ていた。

海人は基本的に朝は全くの意識がない。

ちなみに、ドールが海人のベットに忍び込んでいることにも気づいていない。

「かいとぉ~こっちむいてよぉ」

ドールは海人の頬をつっついた。

海人は無邪気な顔をして寝ている。

「……ほんとうにぃ、どこがあくまなのかなぁ?」

ドールは笑顔だった。

それは、いままで一緒にいた2人でも見たこのないような純粋な笑顔だった。

「すぅ……すぅ……」

海人は寝返りを打った。

そして、その先にはドールがいる。

ドールはとっさのことで反応できずそのまんま抱きかかえられるような形になった。

「え?」

ドールは困惑している。

はたから見たら完全に海人がドールを思いっきり抱きしめているように見える。

「あ、うぅ~」

ドールは赤面していた。

ちなみに海人は寝ている。

「えっとぉ? おきてるのぉ?」

ドールは赤面しながら言った。

今のドールはただの少女だった。

「ねぇ?」

ドールがそう言っていると突然足音が聞こえてきた。

ドールは抵抗しようとした。

すると…。

「あったかい」

海人はそう言いドールをさらに抱きしめた。

ドールは顔を真っ赤にして何もしゃべらず口をパクパクさせていた。

すると同時に海人の部屋の扉が開いた。

ドールには誰かは確認できない。

でも、悲鳴はきこえた。

約二名の悲痛の叫びが。


「………………」

「………………」

麗華と希海は黙っている。

ちなみにドールはその後海人が起きた後高速で逃げた。

浩太と励はというと。

「私たちはいません」

「イマセン」

謎の現象に陥っていた。

原因? である海人はというと。

「……ごめん」

さっきから理由もわからないまま謝っていた。

海人自身には全くの記憶がないので海人は2人の怒っている理由が自分ということだけしかわからなかった。

また、それが寝ている間に起きたことだということも。

海人はただひたすらに謝りながら学校に行った。

この日、二人が機嫌を直したのは放課後の話だった。


~放課後~

あたりには練習をしている生徒がいる。

「兄さんは練習しないんですか?」

麗華は海人の顔を覗き込むようにして見ながら聞いた。

「あー、そう言えばな……そのうちすると思う」

海人はそう言って頭を掻いた。

そして、海人の横にいる希海は言った。

「そうね、そろそろ何かしらの手を打たないと今度こそあの生徒会長に負けるわよ?」

希海は少し含みのある笑顔で言った。

海人はそれを見て少し笑ってから言った。

「大丈夫さ、負けはしないようにするしいい練習相手見つけるからさ」

海人はそう言って歩くペースを落とした。

それには理由があった。

目の前にドールがいたからだ。

「じゃあぁ……さぁ、わたしとれんしゅうしない?」

海人は驚いた。

何も言えず本当に驚いていた。

それはここにいる全員が驚いていた。

全員と言ってもいるのは希海と麗華と浩太と励だけだ。

梓乃と霞はここにはいない。

二人は今日は車で帰ったからだ。

寮生活である励と浩太は車に乗っても意味がない。

なので、一緒に帰ることになった。

そのため二人はいない。

「だめぇ?」

ドールは海人の顔をしたから覗き込んだ。

海人は一息ついてから。

「流石に強い奴じゃないと戦う意味がない」

海人は少し皮肉そうに言った。

するとドールはくすくすわらってから言った。

「わたしはぁ~つよいよぉ?」

海人はそれを聞いて笑った。

海人は言った。

「じゃあ、今試してみるか」

海人はそう言って構えた。

その構えは隙だらけだった。

誰からどう見ても隙だらけだった。

でも、ドールは動かず言った。

「わたしわぁ……下がればいいのかなぁ?」

それは、突然だった。

ドールは一歩下がった。

麗華と希海は訳が分からず海人の横に突っ立っていた。

浩太も励も意味がわからないと言ったところだ。

しかし、海人は分かっているようだった。

海人は言った。

「面白れぇ……」

そしてその頃……。


~???~

「お嬢様は何をやってるんですかね?」

「おそらくいつものだろう」

「そうですか…まぁ、早く帰ってきてくれることを願うまでです」

「そうだな」

「今からが……過去の清算の準備なんですから」

「……そうだな。

 過去の清算のハジマリだ」


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