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第壱拾壱ノ章~始終 ツグナイ~

第壱拾壱ノ章~始終 ツグナイ~


海人は尋常じゃない身体能力を持っている。

身体能力だけではない。

実験型合成魔獣≪キメラ≫の攻撃は人間が反応できるより早く行動している。

それにはいくつかの理由がある。

実験段階ではあるが合成魔獣というのはいくつかの生命体を何らかの方法で合わせることだ。

つまり、うまく合わせることが出来ればどの動物よりも特化させることができる。

例えばチーターのような強靭な速さに持久力のある草食動物を合わせることで普通より長い時間走れる。

つまり、弱点を補い合えるのだ。

基本的に今の段階で成功したと聞くのは3体までの合成だと聞いている。

実際の所3体以上となるといろいろと問題が起こる。

ただでさえ不安定な動物に更に不安定要素を加えるとなるとかなりの技術が必要となる。

それにもとは動物だ拒絶反応が起きるときもある。

そのときは酷いことになる。

基本的にその所為で研究する人はいなくなった……世間ではそう騒いでいた。

いつの間にかこの合成魔獣の実験は禁止されるようになった。

成功例はいくつかあるが寿命がものすごく短い。

普通のネコが10年だとしたら合成魔獣は1年だ。

ちなみに、今回海人たちの前に現れたのは10体以上もの動物が合わせられた前代未聞の合成魔獣≪キメラ≫だ。

攻撃速度は銃弾にも勝る速さ、移動速度はチーター以上。

それに反応して海人は避け続けた。

「グゥロォォォオオアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァアアアアァアアァアアア」

実験型合成魔獣≪キメラ≫は奇声を発して海人に飛び掛かった。

「……………」

海人は何も言わず避けた。

その様子を見た周りは驚いた。

海人の動きが早い。

実際は実験型合成魔獣≪キメラ≫のほうが動きは早いハズだ。

でも、海人のほうが早かった。

というより海人が動いた後に動いているようだった。

海人が動く前にいた場所に実験型合成魔獣≪キメラ≫が攻撃しているようだった。

つまり、海人が先に反応して避けていることになる。

それは、生まれつきの能力『第六感(シックセンス)』がすぐれている。

それを人は戦闘能力≪バトル・スキル≫という。

戦闘能力は人によって変わる。

海人は基本的に身体能力が高い。

今まで自分自身を抑えていたためその力が引き出せなかった。

しかし、今はそれがない為海人は自分の戦闘能力を少しずつ引き出していた。

「グアァァァアアッァァアァァアアアァァァアアアアアアアアアアアァァァアァア」

実験型合成魔獣≪キメラ≫は奇声を発しながら海人は上手く外野に当たらないように計算して動いているようにも見えた。

「おい、デカブツ。

 そんな攻撃あたらねーぞ?

 それとも、俺をなめてるのか?」

海人の言葉が通じたのか通じてないのかは定かではないが実験型合成魔獣≪キメラ≫は更にスピードが上がった。

それと同時に……。

「海人、退けえええええええええ」

励が魔法を放った。

名前は『光を喰らう漆黒の光線レーティライン・ダーカー』。

闇の属性の高等魔法。

使えるものはいるがほとんどの人が使わない。

使わない者は基本的に魔力が足りない。

使った後の反動が高いこの術は魔力の消費量が半端ない。

実際にこの術を使った後死んだ人もいると聞く。

基本的に高等魔法は危険な為魔力の高いもののみしか発動を許されていない。

「……遅かったな」

海人はそういうと励の後ろについた。

「これでも演唱省略したんだけどな」

励はそう言って術を解放した。

その先にいる実験型合成魔獣≪キメラ≫に直撃した。

「ウガァアアアァァアアアァアアアァアァァァァァァァアアァァアァアァア」

実験型合成魔獣≪キメラ≫は当たりながらももがいている。

「流石にタフいな」

励はそう言って術の威力を上げた。

実験型合成魔獣≪キメラ≫は倒れた。

それでも『光を喰らう漆黒の光線レーティライン・ダーカー』は止まらない。

そして爆発した。

それと同時に光線は止まった。

集会所に散らばっていた生徒たちはいつの間にか隅でその様子を見ていた。

全員、誰も、一人も……。

自分に何かが出来るとは思ってはいない。

むしろ自分が加わることで戦場が悪化すると考えたのだろう。

ところところでその戦いを見ていた。

しばらく爆煙がたちこめた。

そして、爆煙はすぐに立ち退いた。

そこには爆発で無残な姿になった実験型合成魔獣≪キメラ≫がいた。

「終わったか」

海人はそういうと武器≪ガン・ブレード≫を腰に納めた。

海人の背は低いためぎりぎり床につかない程度だった。

励は深呼吸をしてから言った。

「終わった、けど……もう、低級魔法しか使えないよ」

励は杖を掲げながら言った。

それを聞いて海人は「問題ない」と答えた。

「……そういえば浩太はどうした?」

浩太は数メートル先に吹き飛ばされていた。

浩太はそこで気を失っていた。

励はため息をついて集会所の劇場の裏に浩太を運び始めた。

海人は内心気づいていた。

おそらく、励は浩太に助けられたと。

浩太は魔法の発動に合わせてバリアを張った。

それは、『光を喰らう漆黒の光線レーティライン・ダーカー』の反動を和らげるものだ。

この魔法は威力こそ高いが反動が大きい。

死ぬ人がいるというのはそういうことだ。

ちなみに、劇場というのは集会所の設備だ。

この集会所は2階に分かれている。

2階には試合を見るための席がある。

基本的にここで試合をするので客席がついている。

そして、集会所には劇場がある。

簡単に説明すれば小学校や中学校の体育館を想像すればいい。

いつも校長先生が喋るときに上がる演台に近い。

ちなみにそこでは夏に劇が開催されるらしくそのため劇場と呼ばれているそうだ。

基本的な集会所の風景はこんな感じだ。

集会所というより体育館に似ている。

「海人君!!」

海人に朋和が駆け寄ってきた。

朋和は抜刀していた。

「すまない……援護に回ることもできなかった」

朋和はすまなさそうに頭を下げた。

「いいって。

 それより麗華と希海を知らないか?」

海人は内心焦っていた。

自分の護衛対象者と妹の姿が見えなかったからだ。

海人は先の試合で敵と対峙しつつ周りに目を配っていた。

でも、海人がいくら探しても二人の姿は見えなかった。

「すまない。

 そっちのほうもまだわからないんだ」

朋和はまたもすまなさそうにしている。

「そうか」

海人は短く答えた。

そして、二人で探しに行こうとしたときだった。

いきなり放送が入った。

『生徒諸君。

 30分たった。

 おめでとう。

 生きているようだね。

 驚いたよ。

 でも、本当の地獄はこれからだ』

その瞬間空気が変わった。

一瞬凍るような風と共に劇場の上に人影が見えた。

「あ……ぐっ、が」

突然、海人の隣にいた朋和が苦しみだし膝をついた。

他の生徒たちもそうだ。

お嬢様を除きみんな膝をついた。

海人はその中で唯一膝をつかずに劇場の上を血のような紅き瞳で睨んでいた。

そこには、麗華と希海の姿があった。

しかし、それだけではない。

『会場のみなさんお気に召したでしょうか?

 私の結界結構強力なんですよ』

そう言って現れたのはこの学校の教師だった。

しかし、この教師はあまり授業を受け持たずただ補助としていた教師だ。

『さぞかし苦しいでしょう。

 これは、魔力を持った人間や戦闘能力の非常に高い人間の動きを封じるものだからね』

そう言って海人を指さした。

海人はその指を睨むようにみた。

『海人君。

 君にはツグナイの時間をやろう。

 さぁ……2人のどちらかを選べ。

 選ばれなかった1人とここの生徒を全員殺してあげるよ。

 私はクルセイダーなのだから』

海人は昔にそんな言葉を聞いたことがあった。

腹ただしかった。

クルセイダーと名乗った男は2人を前に出した。

『変な気は起こさないほうがいいよ?

 状況によっては2人の命がないからね』

そう言ってクルセイダーは刀を取り出した。

それは鈍く光っていた。

「そうかい」

海人はそう言った。

海人は思っていた。

(いつの日か俺がもう一度あの時に戻れたらきっと未来をかえる)

「それが、今なのかもな」

そう言って腰に納刀していた武器≪ガン・ブレード≫をだした。

『抵抗するなら2人の命はない。

 わかっているのか?』

「ああ」

海人はそう言って銃を構えた。

狙いを定めた。

なるべく、外さないように。

『いい加減にしないと殺しちゃうよ?』

男は少し焦ったように言った。

それを海人は気にせずに言った。

「さぁ……懺悔とツグナイ時間だ」

そう言って海人は撃った。

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