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ファウスト〜永遠探求の王の幻視〜ギルガメッシュⅢ  作者: 語り部ファウスト


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1/8

第一幕:永遠への物語

やあ、君。今回の物語は、ファウストが天に召された後の話だ。

彼の壊れた魂は、

次の誰かに受け継がれた。

もしかして、君の時代にも彼の魂を持つ者がいるかもしれない。


ボクが誰かって?

語り部ファウストさ。

ヨハン・ゲオルク・ファウスト。

君と共に物語を見つめる者であり、

君の友だ。


今度のファウストの魂を引き継ぐ者がいるところを説明しよう。紀元前2700年頃、古代メソポタミア地方の南部に位置するシュメール。その中で、最も力を持った都市国家がウルクだ。

この辺りの風土は乾燥していた。

君が流行病で熱を出した時くらい。

それよりも、もっと高いかも。


ティグリスとユーフラテスの川の泥で、街が作られた。高い城壁を越えた先、大きな宮殿の奥深くの広間には、陽光が白い石の床に映った。

一つの王座には、一人の王が腰かけていて、目の前の老人から話を聞いていた。

物語を聞かせてもらっていたんだ。


彼は厳かな雰囲気で、重々しく老人に語りかけた。

「そなたの物語は、我を揺さぶる。

もう一度、語ることを許そう」


彼の名はギルガメシュ・F・ウルク。

この時代のウルクの王だ。

父が、今は亡き英雄ルガルバンダ。

母は不死の神の一人、女神のニンスンだ。

これにより、彼は三分の二が神であり、三分の一が人であった。

それなのに、彼は死ぬ定めを背負っていたんだ。


この時代は、物語と現実の境界線は曖昧で、どんな存在もいた。

神さまがいても、おかしくない。


彼は肩まで伸びた黒い髪は獅子の如く、金の眼光は鋭く、目の前の物語に耳を傾けた。

この男の中に、

ファウストの壊れた魂がいた。

まるで、ラピスラズリの書版が青銅の箱におさめられているように。

ーーFとはファウストだ。

この秘密の名はボクらだけが、

知っている。


語り部の老人は、

ギルガメッシュ王に言われ、

物語を聴かせてくれた。


内容はこうだ。


死を恐れ、さすらう者よ

恐れは汝の試練なり

死は時と共に近づく

ためらうな


山を求めよ

それは北にある

川を辿れ

道は示される

道が閉ざされた時


舟がある

乗ればわかる

向こう岸に着いたところ

再び北へと向かうといい。


谷がある。

谷には獅子と蛇がと蠍が住まう。

超えよ、これも試練だ。

獅子は、お前の勇気を試す

蠍は、お前の誠実さ

蛇は、賢さを試す


獅子の巣がある。

この先には黄泉の道

迷宮のごとき闇の道だ

闇の中での生き物

囁きに沈黙をもって応えよ

語ることは迷う道だ


その闇を超えた先

神が汝を出迎える

そこが汝の旅の終わり

不老不死を得よ


ギルガメッシュ王には、友がいた。

もうこの世界のどこにもいない。

それでも王は、彼を求めていた。

男の名はエンキドゥと言った。

彼は美丈夫だっま。ギルガメッシュ王とは違い、柔らかい印象だった。彼を初めて見た者は、彼こそがギルガメッシュ王だと思ったに違いない。

ギルガメッシュ王と違うのは、身長が少し低かった。

そして、ほんの少し華奢だった。


少し前に、彼は死んだ。

死は、そんな彼から何もかも奪った。

ギルガメッシュ王は、そのことで悲しみ、死を何よりも恐れた。


だからウルク中の民から、

死を回避するための物語を集めた。


多くはデタラメで、作り話だった。

すると王は矛盾を突く。

語り手はだまり、彼の前から去る。


この繰り返しだった。

だが、今回の老人の話は何かが違った。

曖昧さの中に、

何か真実があった気がした。


物語を聴き終えて、

王は静かに告げる。


「語り部よ。そなたの物語に財を与えよう」と彼は言った。重々しく、そして不安げにね。


そして、ギルガメッシュ王は旅に出ることになる。

王としてではなく、

旅人として。



(こうして、第一幕は旅人により幕を閉じる)

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