オートマトン
────騒騒騒。
聞き慣れない音がする。アサヒはアサヒは下を見た、意外にも音は下からしていたからだ。アサヒは少し狼狽えた。ドラム缶に厚着の衣服を着せた何かが這ってアサヒの足下まできて居たからだ。
それがコクーンシルエットで大きな芋虫に見えたのだ。裾からはみでた腕と観られる金属性の蛇腹ホースにこれ又大きなフカフカの軍手が装着され、器用に匍匐前進しているのだ。アサヒは屈んで機械人形ヲッ持ち上げた。機械と云う訳だから重いと思ったが意外にも軽かった。アサヒは持ち上げ、少し慄いた、厚着の衣服は甲冑の意匠で貌には面頬を着けて居る。|属性値の腕力が影響してるのかもしれないとアサヒは考えた。そっと機械人形を立たせてみたが立位が出来ないようで、アサヒと共に倒れ込んだ。オートマトンは起きようとhせずに、ひたすらにアサヒの手首を胸に当てて擦る動作をk懸命にしている。
「貴方、ウインダス民だったのね」
「ウインダス民?」
「ウインダス民は特殊なな民族で魔力の代わりに魔唱力を持っているの、その証左に手首に五線譜が描かれている」
と、ユイはアサヒの手首を指して云った。
アサヒが自分のて首を見遣ると手首に五線譜が描かれて居た。ゆユイはオートマトンの胸部から、健康診断の心電図に使われる心電図電極添付をとりだしてアサヒ野手首にある楽譜にペタッと貼り付けた、するととても自然光に見えない光がオートマトンの胸部へ流れこむ。
「凄いわ、まだ初めてないのに、も魔唱力が流れている!」
「一体どれほどの魔唱力含有量が有るのかしら」オートマトンの胸部の計器には上には「F/E」
「バッテリーの残量がゼロだわ、貴方私の歌う通りにに復唱して」
ユイが歌い出す朝日も順に唄うと、目に見えてバッテリーのメモリが増えていった。
「凄い、あなたCHR値も相当高いわね、」とユイは感嘆して云った。復唱した歌は、「小休止」と云うのだとは、後から聴いた話だ。
「貴方、もしかして王族か何か?」と、ユイは巫山戯た調子で揶揄った。
「本当に貴方何者なの!?」
「」──何者か。
字面そのまま切り取るなら簡単だ。私は朝日奈アサヒである。だが、今の私にはそれに応えれる解答は未だない…………それとも。
───このリヴァイアサンオンラインでの器としての役割では初心者冒険者の「朝日奈アサヒ」である。この世界のこと何も知らない、空っぽの器……。あの誕生日の出来事で自分には何も無いことに気でいてしまった。それを埋めるように、習い事を始めたのだった。習い事をして器は器としての意味を持ったのだろうか? アサヒの答えは、否だった。器には、全国ピアノコンクール優勝、綺麗な人形、全国少女歌謡曲大会チャンピオン、全国美少女大会優勝などの器としての肩書でそれは中身を埋める要素にはなり得なかった。それは所詮、中身でなく外側の器を綺麗に磨き上げたものでしかなかった。中身は空っぽだ。と、何故かアサヒは思って居た。
───騒騒騒
「体力フル充電、とうッ!」。
機械人形は小さく叫ぶとこ今度はしっかり安定して立ち上がった。
マトンちゃんとユイは喜び抱き付いて共に小躍りした。良かったわ私だと充電に小一時間掛かるから焦ったわと、ルイは安堵の顔を覗かせた。「有難う、お姉様!と今度はアサヒに抱きついた。
「では、お嬢様サンドリアに帰りましょうか」と、機械人形は云うと土手へ上がって行く。「待って! 、マトんちゃんと」ルイ。い急ぎ早に後を追い土手を駆け上がると、振り返り、お姉様も早く此方にと両手を振った。アサヒは呼ばれる儘土手へと向かった。
「ルイちゃん、私のことはアサヒと呼んで」と、アサヒはやんわりと云った。
「無礼者ッ!」
オートマトンは怒って居る。面頬を被って居るから、表情は解らないが、怒っては居るのだろうと理解した。
素としてまず声の調子、即ちその強弱、その快さ不愉快さ、話す過程の抑揚の変化が挙げられる。
「危ない!」と云って、危険を察するのでは無い。意味の無い語でも強い声で云えば「危ない」と理解するもなのだ。人に危険と知らせるに充分な音量が有れば、どんな音声でも構わないのだ。
───アサヒにとって語とは、複雑な音声に過ぎない。なので、オートマトンに感情が有る無しは関係ない。そう思ったのならそれはアサヒが怒っいると感じたダケなのだ。
「このお方はウイダミス領三大貴族の内の一つアルバン家のご息女ルイお嬢様であるゾ!」
オートマトンは空を見上げて云った。
「良いお天気ですね」
「…………」
「…………」
「貴方は人間ですか?」
「急に何? 私は朝日奈アサヒ人間よ!」アサヒは吃驚して声が上擦ってしまった。
‘’本当に?」と、オートマトンは猜疑の眼を向ける。機械人形はじっとアサヒを見つめる。
「いやね、バッテリーを補充して貰った恩もある理由でして、バッテリー分は会話をするのもf吝かではないとおもってね」」
と、機械人形は笑っているように両肩を小刻みに上下した。
「いい回しがまわりくどいな」
「よい天気ですね」
「……………」
「……………」
「貴方本当に人間ですか?」
「執拗!」
「では、人としての会話をレクチャーしよう!」何やら、この機械人形もわたしのことをアンドロイドか何かと勘違いしているようだ。
器械人形による講義が始まった。アサヒ、機械人形、ルイと、三人並列に歩く。
「良いお天気ですねと──」
「と、云われたら、人は普通、よいお天気ですねと返すものなんですよ………」
「こうする会話にとひとつの点で一致がみられたら、話を進めても良さそうだとこちらは思う訳ですよそして次に」
「良い天気が続きますなあ」
「そうですねえと云えばふたつの点で一致が得られた、そして相手方が第三の一致を誘う」
「この辺は気候が良いですね」
「本当によい気候です」
「このように一致は、話すだけにあるのではなく、発表された意見にもある」
「天候に一致が認められたので有れば次のステージへ移る
「話題は何でも良い昨日のTV番組ででもなんでも」
「どんなに平凡で決まり切ったことであろうと|も、新しい一致が得られる毎に初対面の懸念と猜疑心は拭い去られ、有情の可能性が増す」
「会話が続けば、二人の間に共通の一致が増え、本物の友情と協力が得られる」
「会話の内容は不問である」
「まあ、少し意地の悪い云い方ではあるが………」
「誤解を恐れずに云えば、人は丁度犬猫が軽く叩かれるのを好むように一定の言葉で叩かれるのが好きなのだ」
───、成程、学級生徒も、私の器の中身を覗き込もうとしてた訳ではなかったのか。原初的か感覚の満足をみたそうとしてただけなのかも知れぬ。あの頃は、ナーバスになってたからな、悪い事をしたと、アサヒは思った。
あの時期は大変だった。アサヒは原来思慮深かく無口であった為聴き役に徹して居た。ある時は同調し、ある時は雑誌から齧った知識を糧に説教し、ある時は親身になって学級生徒のために人肌脱いだ。
人間には色々な親交確立法をもっている。仮定、一緒に食事をする、ゲームをする、一緒に労働するなどその中で最もこ効率的で簡単なのが一緒に話すことなのだろう。感覚化的要素は他にもある、繰り返すことである。有名なのは───。
「人民の」
「人民による」
「人民の為の政府」
「仮定会話に意味がないのなら、それはパターンの集合体デアル。矢張り他律的であり自由でない」
「自由を得るなら確固たる自分をもつことだね」
「自分って何?」
「他者に左右されず自分の価値観をもっていられる状態を指すと僕は思って居る。それを獲るには経験を積んでいくことだ」
「わがままとは違うの?」
「全く違うさ、自分軸とは自分「自分軸」とは自分の価値観に基づいて行動しつつ相手も尊重する姿勢で、「わがまま」は他者を無視して自分の都合や欲求だけを押し通す態度であり、**「相手への配慮」と「自分の行動に責任を持つは「私はこうしたい」と言いつつ「相手はどうしたい?」と相手の自由も大切にしますが、わがままは自分の欲求を通すために他者を顧みず、時には利用したり裏切ったりする点にあります」
───責任とは、失敗の原因は誰に当たるのか、その所在である、とアサヒは思って居る。
「感覚化的要素は複数ある」
「一目を引く容姿や、スローガンに見えるような、前にアサヒが述べた同じ音の繰り返しなどがそうだ。
「感覚化敵的要素は一種、言語的催眠を与える。まず改めて、指摘するべきは、耳障りの良い演説、長い単語、勿体ぶった態度と云うものは話の内容に関わり無く、結果に置いて感覚化的だと云うことだ。仮令、教会が良い例だろうか、協会に熱心にに通う人の中にはこうした話の聞き方を習慣化している人も居るこう云う人は、説かれている道徳的原理がどうであろうとも、論旨の組立てや修辞法が滅茶苦茶であったとしても、音楽があり道具立が揃っており声が重々しいければ、有り難く聴くものだ」
──アサヒは妙に納得心がいった、アサヒは話しを聞いて宝塚劇団が思い浮んだ。アサヒは入学時は髪を切ってショートにして居た男言葉も女学生には好評で使用してたアレがまずかったのだろう、女子高と云う一種異様なな環境で宗教的なシンボルに置き換わったのだ、熱に魘された信者ように信仰の対象にになったのか
「自分軸を固めるには経験がひつようです。」
「そう、新人冒険も経験値が同じく必要ですね……」
マアサヒにとってマトンとやり取りは好感が持てロジックは耳障りが良かったのだ。だが、つ次のマトンの台詞はアサヒにとって予想外のものだった。
「ではこれより、序盤指導に入ります。宜しいか?」
機械人形が聞くや否や、アサヒの空中目前にyes/noのポップアップが浮んだ。
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