南サンドリア
アサヒの頭上から燦燦と輝く太陽の光が降り注いでいる。少女の瞳孔が収縮し光量を遮ぎる。眼を細めて心の中でカウントを始めた。数十秒間で明順応された。つまり光に慣れて行くのだ。光に慣れる速度は現実世界と変わらないホントに此処はゲームの世界なんだろうか現実世界と言われても信じてしまうほどだ。リアルだと、ロドプシンと云う分泌物が光に過剰に反応する為、眩しいく感じるのである。唯、このは桿体細胞は光に滅法弱くて光に当たると直ぐに、分解される。つまり、光に慣れるのである。暗順応はこの逆では桿体細胞と云う分泌が多量に量産っされることにより、少ない光量でも暗闇で見える様になるのです。暗順応に対しても検証しようと思った少女であった。空は青く雲一つない。レイリー散乱だと思った。このリヴァイアサンオンラインの開発主任である神楽博士は超が付くほどの凝り性らしい。後方からの吹く風に、アサヒの黒髪が靡いてる。
───騒騒騒。
─ふと、草原を見遣る。鶯色の草を風がししならせ、しなった箇所が艶を創り騒騒騒と一緒に流れていく。まるで、波のようだった。綺麗、とアサヒは呟いた。髪に絡む柔らかな風に陶然としたわたしは、
「私の真名は……」
あの時のできごとを思い出そうとした。こんな時だ、何か暗くて忌わしいものが私を捉え蠢め始めるのは。それはまるで、自身をひけらかすようにしてうっとりと我を忘れた時に襲って来るのだ。浮んでは消える記憶の破片、回想の場面に、最初は少し抵抗し乍ら、次には殆ど熱中して心を集め始めるのだ。まず浮んでくるのはアサヒの十歳の誕生日の出来事。
──ジュと音がした。
───焦げた臭い。
─── |微昏い部屋。
───揺らめく蝋燭の火。
アサヒは頭を押さえて云った。
「頭痛が痛い……」
アサヒは真名を思いだそうとすると矢張り、再体現する───か、とアサヒは怪訝そうなすこし諦めの入ったなんとも云えない顔をした。
|する───騒騒騒。
アサヒは風に擦れる草木のの雑踏の中、一縷のノイズを感知した。アサヒはそのノイズの方へ目を瞠った。叢のなか童が木剣で草をなぎ払い乍らすすんでいる。─騒騒騒。
───童か?
|微昏い上に素早かったから。貌は見えなかったが、何よりその背丈からの推測だった。その背後から貌が覗いた、
───処女。今度は正確に瞠っえた。ボロボロだが肩まで掛かる髪木剣を振りまし乍ら童に続いて駆けた。
───何だかとても楽しそうだった。不意に、少女の姿がアサヒの視界から消えた。アサヒは耳を澄ます。
──騒騒騒。
叢が揺れる音のみが聴こえる。木剣が空を斬る音すら聴こえない
き───消えた?
なにか、厭な予感がした、そう思ったときには既にアサヒの身体は行動していた、土手を下るように、少女が消えた辺りに駈けて行った。着物姿の少女が何かに覆い被さるように転倒て居た。
「大丈夫?」
アサヒは屈んで問うた。
「名前は?」
「唯です」
少女は涙声でそう答えた。
───ユイちゃんか、良かった意識はある。少女はすくっと立ち上がり赤い着物についたつ土八草を払った。少女はアサヒを凝呼賭見る。
───滅茶見詰めて来るな……。
「綺麗」少女はそう云うとアサヒに抱きついて云った。
「す、すごいこんな完璧な両性具有初めて見たわ」
─「あちゃー、もう少し保つと思って油断してたわとユイは大袈裟に反応して云った。
「」あちゃー」
と、云ったら、その調子で、慌てているのか、戯けたて云ったのかが分かる。
幼い子供も、母親のコトバを理解できるはるか以前に、母親の声の中での愛・温情・怒りを理解出来る。大抵の児童は、言語の中の前記号的な要素への感受性を残して育つ。アサヒはこの能力が大人になっても残った。即ち、「直感力」「異常なカン」と呼ばれる持ち主である。かれらの才能は、話し手の声の調子、顔の表情、身体的表出その他の内的状態の兆候を解釈する能力で有る。
「マトンちゃん……」
「マトン?」
「機械人形の、マトンちゃん」
アサヒは思った、矢張り、無機質だと見られて居るのね、でも、そう思われるのも仕方ないとも自覚して居た。あの日以来表情が、否、感情までもが乏しくなっていると自覚して居たのだから。そんなアサヒが十六の時、百合女学院に入学することになった。アサヒ中性的な顔立ちと聞き上手にお人好し、のアサヒは女生徒達との会話に苦戦した元より幼い頃より同い年の友達も居らず話し相手は習い事の師事の大人だけだった。アサヒは偏屈で理屈屋のアサヒには、大人達の話には妙に馬が合った。級室では人と関わらずに読書を嗜んだ。読書内容も級室生徒が読むようなファッション雑誌でもなく、小難しい科学雑誌や純文学に哲学書だった他所為で馴染めずにに居た。唯、っ中性的な貌立ちとショートヘアに、聞き上手にお人好し、何より男言葉が女生徒に受けた。「お姉様」と、云われる始末。
瀬精神だの気質や個性が容貌に変化を齎す、そう云ったことはあるだろう。
───逆もまた然だ! とアサヒは思っている。中性的な貌達に男言葉、俄然女生徒に人気が出た。徐ょ上級生にさえ「お姉様!」と、呼ばれる始末。アサヒはあれよあれよと一年生で生徒会長にまでのし上がったのだった。
────騒騒騒。
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