出発日は雨
梅雨だから雨なのは致し方ない。だが、前日よりも気温が低いという予報で、ちょっと不安だった。それまで30度くらいだった最高気温が、その日はいきなり東京24度、大阪26度だというのだ。タンクトップの上に薄い七分袖を着て、ズボンは薄くないがさらっとした感じの物にした。短い靴下だとふくらはぎが出てしまうので、結局膝下までのストッキングを履いた。これなら雨で濡れてもすぐ乾くだろう。
新幹線の中は寒いかもしれないので、長袖のパーカーを持って行く事にした。これで安心だ。飲み物も、常温のお茶を用意した。
品川を12:07に発車する東海道新幹線に乗ろうと思っていた。これだと、面談会場の最寄り駅、堺筋本町駅に30分前くらいに着く。多分余裕だろう。品川駅で駅弁を選ぶのに15分あればいいかと思っていたが、やっぱり考え直し、もう少し早く着くように行こうかなと思っていた。
当日の朝、夫に言われた。
「あの電車(うちの最寄り駅から乗る電車)、最近遅れるよ。」
そして、私がこの間映画館に行った時に電車が3分遅れて焦ったという話をしたら、
「そのギリギリ主義、辞めた方がいいよ。」
とも。確かに。電車は遅れるものと思った方がいい。なるべく早めに家を出ようと思った。
しかし、結局家を出られたのは、予定していたよりも10分ほど遅い時間だった。駅の券売機で新幹線の切符を買い、電車に乗って品川駅まで行った。早速駅弁を選ぼう。
「駅弁屋」というのがあったが、見てもあまり惹かれない。お昼に近いのだから空腹だと思うのに、なんだか食欲が沸かない。私はどうも、食べ物を買おうとすると何故か食欲がなくなるのだ。まあ、空腹には波があるし、実際食べ始めれば美味しく食べられるのだが。
駅弁屋にはあまり種類がないので、エキュートの方へ行ってみた。予め調べたものの、実際に見てみないと決められなかったし、エキュートのどこにどの店があるのかが調べられなかったのだ。
おにぎり屋さんがあり、焼売や稲荷ずしのお店があって、それからお弁当のお店があった。こっちの方が温かいお弁当が売っていて断然良さそうだった。
見て歩いていると、鮭の西京漬けと卵焼きが入ったお弁当が目につき、瞬間的に美味しそうだと思った。そうか、やっぱり美味しそうに見える物もあるのだ。それにしようかと思いつつも周りの店も見てみたら、ハンバーグ弁当のお店もあった。目玉焼きが乗っているハンバーグが美味しそうだが、これにご飯を別につける事になるので、ちょっと量が多い気がした。目玉焼きはないが、ハンバーグとご飯とが一緒に入っているお弁当も売っている。これなら量はちょうど良さそうだ。
魚か、ハンバーグかで迷ったが、結局ハンバーグのお弁当にした。支払ってみたら1300円以上して、あれ、目玉焼き付きのハンバーグとご飯と別々に買った方が安かったかな、などと思った。が、後の祭り。
買い物が済んだので、新幹線への乗り換え口へと急いだ。こうなったらなるべく早い新幹線に乗った方がいい。11:46発の“のぞみ”に乗れそうだ。自由席は1~3号車。エスカレーターを降りてホームへ。両側の線路にそれぞれ新幹線が停車していた。えーと、どっちに乗るのだ?
電光掲示板を見ると、40分発の“ひかり”と、46分発の“のぞみ”だと分かった。停車駅の数が違う。なるほど、“のぞみ”の方が速いのだな。ということで、新大阪行きの“のぞみ”に乗り込んだ。