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ゴーレム使いの花嫁修業  作者: 九重 まぶた
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第四章 メイドと花嫁 終

 シウスはベアトリーチェの言葉に信じられないと反論しかけたが、言葉がでなかった。


「その魔法はかけられた者の魂を燃料に発動し、そしてその燃料が尽きるまで戦い続ける。それが【狂戦士】。聞けば王の異変は十日ほど前、それを考えればその日数を耐え続けたのは十分な時間でしょう」


「そんな聞いたことねえ魔法、そんなもんが使える奴がこの城にいるとは――っ。いや、使える必要はねえ、それを発動するマジックアイテムがあれば……あの針、【狂戦士】のっ!」


「――おそらくそうです。あれはきっと古王国の遺産でしょう」


「それに気づいたあんたは【狂戦士】をステータスダウンの魔法で中和したってところか。【狂戦士】を中和するのにどんな魔法を使ったのかしらねーが」


「違います。中和ではなく解除です」


「解除―? 本来であれば敏捷度を上げる魔法であれば、今度は敏捷度を下げる魔法をかける。力を上げる魔法であれば、力を下げる魔法をかける。それが一般的なエンチャントの消失のセオリーだ。魔法そのものの解除なんてできるわけ――っ女神ルムミナが用いた魔法」


「その通りです。その名も――」


 ベアトリーチェはごほんと咳払い。


「――【凍てついた波動】。あらゆる魔法効果を打ち消す魔法です」


「なんだか不思議とネーミングに問題がありそうな気がするが……」


 もうこいつもなんでもありなのか? そこでシウスははっとする。


「ん? ちょっと待て。おい? てーことはなんだ。あんた王の病、いやエンチャント解除をやったときから、これが何者かの手によるものだ分かっていたってことか?」


 その質問に、ベアトリーチェの額から尋常ではない汗がだらだらと流れはじめる。


「………………どうして黙っていた?」


 ベアトリーチェは視線を逸らしぽつりと言った。


「大臣さんに雑に扱われたことでかっとなっちゃいまして。ぽっかりと忘れていました」

 ベアトリーチェは舌をぺろりと出し、自分で頭をこつんと叩く。


「あんたがその時に、そのことを告発していたらこんなことにはなっていないんじゃないか?」


 その言葉にベアトリーチェが目を逸らす。


「……と、そこまで言って気づいたよ。なぜ犯人は俺達を王殺しに仕立てあげたのか? 原因はあんたが王の【狂戦士】を解いてしまったからだ。それはあの症状を治すということは必然的にあれが何者かが引き起こしたことに気づくことと同議だ」


 ベアトリーチェは顔をあげ、困ったように頬を掻く。


「【狂戦士】の魔法なんて偶然に掛かるようなものではありませんから。私達が邪魔だったのでしょうね」


「私達ってさらりと俺を含めるなよ。まあ、あそこであんたが告発したところで誰も信じなかっただろうしな。俺だってあんたとのクエストがなけりゃ、【狂戦士】の魔法やら、ステータス付与の解除魔法なんてにわかに信じらんねーってのが本音だ。……なるほどだからこそ『不遇の死』が必要だったってわけか。俺達を王殺しの犯人に仕立てあげりゃ、遺体は早急に葬られる。遺体を調べられ、証拠を発見される危険もなくなり、唯一真実を知っているあんたもいなくなって完全犯罪の成立ってか?」


 なぜ王殺しの罪をきせられたか納得しかけたその時、突如、鼓膜を突き破る稲光のような音が木霊した。


「――っな、なんだ!?」

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