盛りの奔放姉妹
「君とても可愛い。僕と付き合おう」
誰か分からないけど可愛いって言ってくれた。
しかも私と付き合いたいらしい。
拒む理由はなかった。
「うん」
というわけで彼氏ができた。
「キスしよう」
「キスか、それくらいなら別にわざわざ聞かなくてもいいよ」
「君が無理やりが好みだとは知らなかった」
「そういうわけじゃないけど、別に嫌いでもないかな」
「そうなのか。そういえば名前も知らなかった。ごめん」
「ノゾミだよ。まだ付き合って1分経ったか経ってないかってところだから知らないことがあっても、仕方ないよ。というかあなたは?」
「僕はマカベ。これからお互いのことを知っていこう、ノゾミちゃん」
というわけでキスをした。
そして翌日。今日は私の家に招き、家デートをしていた。
「ノゾミちゃん」
彼氏であるマカベ君が私を呼ぶ。
何やら物々しく、真剣なトーンだ。
「なあに、マカベ君」
私は落ち着いた声を意識してそれに答える。
これから何か重大な話がなされるはずだ。
すると、マカベ君は汚れを知らない少年のような澄んだ瞳をして、
「今日、しよう」
そう言った。
いきなりだった。
そういう風に言われたら、一つの事しか連想されない。
「え、するって、セックス?」
一応、私は問い返す。
するとマカベ君が私の両肩を掴み、
「そう。僕とセックスしてほしい。してくれないと困る」
真っ直ぐな瞳で懇願してきた。
「でも、まだ昨日付き合ったばかりだよ」
早々にセックスするのも吝かではないが、早いんじゃないか、とも思う。
「でも。僕は今すぐ、君との愛を確かめたい」
プロポーズの台詞みたいでぐらついてしまう。
私はなんとか理性を保ち、
「せめて一週間くらい、待てない?」
延ばそうとする。
「無理。僕はもう不安で不安で、どうしようもない。この不安を出したい」
「出す?」
「そう。出してみれば、僕は不安じゃなくなる」
「んん? よく分からないけど、不安だっていうのなら仕方ないのかな?」
「そう。仕方ない。でないと愛を確かめられない」
「けど、セックスしないと確かめられない愛なんてあるの?」
「ある。僕、そういう気質」
「そう、なら仕方ないのかな?」
「仕方ない。だからセックス、しよう」
「うん」
以降、割愛。
というわけでセックスしました。もちろん、ゴム有りで。
「気持ちよかった」
「マカベ君、不安は無くなった?」
「うん。君とセックスできてよかった」
マカベ君はとても幸せそうな表情をしていた。
私も嬉しくなった。
「マカベ君、こんにちは。出てくるの待ってたよ」
私はのぞみんの彼氏であるマカベ君に声をかけた。
彼はちょうど、のぞみんの部屋から出てきたところである。
こんなベストなタイミングで声をかけれたのには当然からくりがある。
のぞみんの部屋はお隣だったから、ベランダから侵入し、こっそり出歯亀してタイミングを伺っていたのだ。もちろん自慰した。とても興奮した。
というわけで、ヤった直後の帰りに声をかけることに成功した。
「ノゾミちゃんの姉?」
マカベ君はキリッとしている。あらら賢者タイムだ。
「そうよ。とりあえず私の部屋、来ない?」
「行きたい。行く」
マカベ君は二つ返事で私の招きに応じた。
そして私の部屋にて。
「マカベ君、のぞみんの××××、どうだった?」
「最高だった。僕はとても満足」
「待ってまだ私は満足してないわ。あなたたちの行為見てから、ずっと我慢してるのよ。一人で満足しないで」
「ずっと見てた?」
「うん、やっぱり生はAVより抜けるわね」
「やはりそうなのか。僕も生の現場、見たい」
「ダメよ、マカベ君、犯罪よ」
という感じにしばらく適当に会話をして賢者タイムが終わるのを待つ。もちろん誘惑も忘れない。
「そろそろヒートアップしたかしら?」
頃合いを見計らい私は声をかけた。
「うん。すぐに、したい」
「わかったわ。ゴムは付けてね」
というわけで、セックスした。あまり満足できなかった。
「僕、生まれてよかった」
マカベ君は満足したらしい。
「……そう。ちなみに姉妹ならどっち派とかある?」
「うーん。甲乙つけがたい……」
用件はすんだので、マカベ君には帰ってもらった。
早くに帰したのは、不満を少しでも満たすためにのぞみんの部屋に行かなければならないからだ。
そしてのぞみんともセックスした。
やがて、のぞみんとベッドで寝ながら、会話を始める。
「マカベ君って微妙よね。××××だったわ。その割に××××。一応ゴムはしてたけど、うっかり孕みそうよ」
「だよね。もうちょっとどうにかならないかな」
「うんうん」
「あれ、というか、カナエ姉さんも、彼とセックスしたの」
「うん、お招きしたらすぐ来てね。ちょろかったわ。楽しませてもらって、姉妹どっち派か感想も訊いた」
「そっか。マカベ君、どっち派だって?」
「甲乙つけがたいって悩んでたわ。仕方ない男ね」
「はっきりしてほしかったね」
「まあ、マカベ君の人となりはわかったわね」
「うん、まだまだ関係続けられそう」
「彼は喋るディルドってところね」
「その評価はあんまりだよ。姉さん……」
のぞみんはマカベ君を哀れんだようだが、妥当だと思う。