殺意が昂った話
屋敷 床の間
メイドと少女が彼について話してることは露知らず。
柳はと言うと3年前に購入したケータイを操作していた。
執事、メイドがケータイを使うのは連絡用として許可されている。
端末の中には赤髪にドレスの少女の写真が軽く
1000枚は超えていた。
ラピスと言う妹。
「……可愛いなぁ……」
屋敷の少女2人には決して見せることの無い笑顔がそこにはあった
メール。
同時にもう1人の人間に着いて殺意が昂った。
そして、屋敷を飛び出した。
本文には
『貴方の妹をこちらに渡さないと妹の命がない』
監禁?
殺害?
柳はそのクラッカーの女の名を知っていた。
「綿花……?」
『あら、私の名前よくご存知ね。調べたの?』
余裕そうだ。
『貴方はシスコン……いえ、ロリコンだからこんなの出来て当然、かしら?』
スマートフォンからは綿花の甘ったるい声が響く。
『でもぉ。……貴方は犯罪を犯したら……妹さんは、、どうなるのかしらね?』
「……は?」
『あなたに絶望して自殺しちゃうかしら?……それとも一緒の所に行くのかしら……素晴らしい兄妹愛だと思うわ』
間髪入れずに、
『だから、あなたには……ここでさよならね』
毒ガス
「わざわざ攻撃を教えてくれるとは、優しいじゃないか……妹の次にお前で、いかがわしいことを考えてもいいぞ」
ビリビリ。
『……ロリコンでシスコンのあなたに情愛を向けられるなんて反吐が出そうよ』
指先から電撃。
「なんだ。そうか。……なら、」
優しくする必要は、ないな
飛び上がり電柱と電柱の間を駆け抜ける
『あら、何かの戯言?精神科に行ったらどう?』
突如綿花の働いてるビルに轟音。
「俺は生まれてこの方戯言で生きている……人間だ。だが、俺は至って平凡だ。」
綿花に掴みかかる。
『あんたは性欲化け物ね。まるで。』
咄嗟にスタンガン
『嫌いじゃないわよ』
「俺は嫌いだよ」
スタンガンを跳ね除ける柳
彼はいつもと変わらず笑顔だった。
「……で、妹をどこにやったか。君は知ってるよね?ね?……早く……答えろよ」
バックドロップ。
『え?貴方はどうしようも無いシスコンね。死んだらどうかしら』
綿花は予備のスタンガンを押し当てる。
「俺は……シスコンでも、ロリコンでも無い……俺は……ラピコンだ。」
ピリピリ。
『それ、格好付けて言うことなの?』