恐れた話
炎と闇の青年たちが和気あいあいとしてる中
屋敷に猫耳メイドと主の桃髪の少女は一息ついていた。
「お嬢様。まだ食べられるんですか?」
呆れた調子でメイドが呟く。
「もう。眠子の作ったお菓子が美味しいのに食べちゃダメなの?」
メイドの名は眠子と言うらしい。
恥ずかしそうに頬を染めている。
「それは嬉しいのですが、桃杏様、」
主の名は桃杏と言う。
桃杏に対して絶望的な言葉を続ける
「流石にそこまで食べてしまうと私は嫌いになりますよ」
ガックリと項垂れておりケーキを食べる手を止めてしまった。
「うぅ……意地悪よ」
眠子から嫌われることを恐れて食べるのは辞めたみたいだ。
「全く……そうだわ。」
何かを思いついたみたいだ。
「柳は甘い物好きなのかしら」
この場に居ない執事の名を呼んでみる。
「いえ?柳は甘味よりも好きな物がある見たいですよ。残念ですね……お嬢様はまた菓子を食べようと思ったのでしょうけれど」
「そんなことないわ!」
団欒が終わり。
仕事に戻っていく眠子。
「では、私は全部屋の掃除と夕食と朝食の調理、を終えたら本日の勤務は終わりなので帰宅します。」
お菓子の入っていた皿を持ち台所へと歩き出す。
「えー!もう行くの?」
不安らしい。
「プリンを作ったので冷蔵庫に置いてるので後で食べてください。それと、本日の夕食はビーフシチューです。温めて食べてくださいね。ご飯も炊けているんで」
「眠子は優しいのね。いつもありがとうね」
「私よりも、お嬢様は優しくてもっと痩せてた方が、いいですよ」
笑顔で扉を閉める眠子。
やがて仕事を終え、衣装室で服を剥ぎ取る。
ボタンをひとつずつ取り赤いヒラヒラのリボンタイも息苦しく外す。
エプロンは難なく抜けた。
「……にしても、さ」
ロング丈のスカートを徐に外す。
ブラウスのボタンを外して言った時に彼女の胸は異常な程平らだ。
「俺が男なの気づかれてないよな?」
桃色の髪は地毛な為私服を見ても気づかれない。