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電車

作者: 皐妃

思い付きで書きました。感想、意見などお待ちしています。

「7時発の列車発車いたします。閉まるドアにご注意ください。」プシュー。


ドアが一斉に閉まり、電車は動き出した。中には乗客がそれなりにいる。といっても皆座っているので、そこまで混雑はしていない。端の方に座る。端が好きだからだ。他の場所だとダメなわけではないが、できれば端に座りたい。空いていれば端を選んでいる。揺られながら周りの景色を見るのは楽しい。人間観察にも向いている場だと思う。今日も様々な人が乗っている。学生、サラリーマン、親子、疲れ切って口を大きくあけながら寝る人、読書する人・・・。数えたらきりがない。ここには人生が交錯している。他人同士ではあるが一時を共有しているのだから。各駅で乗り降りがあり、そこで新たな交錯が生まれる。常に人生が交錯している場が電車なのだ。


ただ乗っているように見えてもそれぞれにあった出来事や、思うことは違うだろう。学校帰りで疲れたと思う人がいれば、家族が待つ暖かい家を想像しながら帰る人もいるかもしれない。そんな一人一人違う人生が多重になる場の一つがここだ。街中の人混み、カフェ、学校、会社・・・も人生が交錯する場だが、電車はそれらとはまた違う意味で面白い。ふと周りを見ると、席を譲る若者がいた。いざやろうとするとなかなかできるものではないが、その若者は優しさと勇気を持っている人だと私は思った。そこから二駅行ったところでその若者は降車したが、譲ってもらった人はにこにこしていた。気持ちがほっこりする。



と、こんなことを考えていたら私が降りる駅に到着した。ここでお別れだ。


「8時発の列車発車いたします。閉まるドアにご注意ください。」プシュー。

電車は私を降ろし、ゆっくりと発車した。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 皐妃さん、お久しぶりです!お邪魔します!「常に人生が交錯している場所が電車なのだ」。この表現が凄いなぁと思いました。確かにそういう捉え方ができますね。私は電車のなかで人をさりげなく見るのが…
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