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冒険者ギルドの反乱3

「黒鷹のリーダー出て来なさい。この私が、相手するわっ!」



 ギルド会館に向かって叫ぶローズ。


 それを受けてか、野次馬たちもヒートアップだ。


「早くでてこいっ!」「女一人にビビッてるのか」「ギルドが使えなくて迷惑なんだよ」「そうだ、そうだ」「お前達のせいで依頼が受けれねーだろうが!」「ハゲマッチョ」


 などなど。


 すっかりと、同調する声はなりを潜め、野次馬からは罵倒する声ばかりに。


 ちなみに、最後の野次は俺のだ。



「あんた達も冒険者なら、そんな所に立てこもっていないで。冒険しなさいっ!」



 煽っていく、スタイルのローズさん。


 そういえば、ステータス見たことなかったな。


 どれ、どれ。



名前:シャーロット・T・グレース

種族:人間

性別:女

ジョブ:冒険者

レベル:7

HP:49

MP:35

STR:11

VIT:17

INT:19

DEX:12

AGI:15



 誰だよ、お前。


 どうやら、ローズさんは偽名だったようだ。


 しかし、このステータスはどうなんだろう。

今まさに、叫んでいるように相手が出てきちゃったらヤバイのではないか。



 ステータスを確認している途中も、ドンドンと煽っていくローズさん。


 それを受けてか、



「うるせぇ!」



 と、怒鳴りながら『黒鷹』のメンバーと思われる数人が飛び出してきた。


 一応、『黒鷹』のステータスを確認してみる。



名前:バルボン

種族:人間

性別:男

ジョブ:冒険者

レベル:10

HP:88

MP:12

STR:23

VIT:19

INT:7

DEX:15

AGI:14



 他も、似たような数値だ。


 それが、数えてみれば三人ほど。


 これは、アレだ。ローズさん負けてしまう。



「ようやく出てきたわね。いいわ、その性根叩き直してあげるわっ」



 などと、剣を抜いてローズさんは、やる気マンマン。


 一方、『黒鷹』のメンバーは青筋を浮かべ、頭に血がのぼっているご様子。


 まさに、一触即発。


 ……どうしよう。


 助けに入れば、絶対に面倒なことになるの目に見えている。

しかし、助けなければステータス的に見て、負けちゃうだろうな。


 負けるだけならいいが、下手したら大怪我。

もしかしたら、死んでしまうかもしれない。



「ご、ご主人様。ローズさん大丈夫でしょうかっ?」



 大丈夫じゃないよ、大変だよ。



「やっぱ、助けないと目覚めがわるいよな」







「おいっ、このうるせぇ小娘やっちまうぞ!」


 

 『黒鷹』の一人が叫ぶ。

見た感じ、冒険者というよりも山賊と言ったほうがしっくりくる。



「来なさいっ、お仕置きしてあげるわっ!」



 『黒鷹』の男達は剣を抜き、ローズへ向かう。


 俺も野次馬を抜けて、ローズの元へ。


 アイテムパックから、『始まりの剣』と言う名のバットを取り出して、『黒鷹』の一人に打ち付ける。

打ちつけられた男は、残りの二人を巻き込んで吹き飛んだ。


 どうやら間一髪、間に合ったようだ。



「あ、あなたは……」



「ローズさん、俺も手を貸します」



「っ……、ありがとう」



 もういいや、ちゃっちゃっと『黒鷹』をやってしまおう。





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