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かつて魔法と科学が存在した世界  作者: りゅーさん
第1章 干渉
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第1話 彼らの出会い

今回はすぐに書き終われたので投稿しました。

次回は通常通りだと思います。

昼休みの終わりを告げる鐘とともに放送がなる。


「全生徒に連絡です。校庭に集合してください。」


黒板の上にあるスピーカーからの声が校舎中に響く。


「あらたー。復興工事だってよー。起きろー。」


ある生徒が新太を呼ぶ。

彼の名前は稲瀬 新太、現在この世界にある5校しかない高校の一つ新緑川高等学校の生徒だ。

成績は中の上、運動は人並み程度、しかし容姿は女の子に近いようで、同級生からはからかわれている。

それでも友達は多く、人をまとめるのが上手く人望も厚い方だ。


「えー眠いよー。翔ちゃんいてらー」


翔ちゃんと呼ばれるのは糸川 翔一、新太の親友で運動神経がとての良く、マッチョなのでクラスの友達からは馬鹿力代表と呼ばれることもある。


ーー第二商業地区復興現場


「おいおい新太そんなに一気に持って大丈夫か?」

「大丈夫だってば!一刻も早く復興させないと!」


(こいつやる前はめんどくさがるのに、いざ何か始まるとやる気出すんだよなぁ)


と不安げに翔一は思った。

この商業地区はかつて焼け野原だったが、今では学生やボランティア、国の手によってもうすぐ施設として機能するまでに至っている。


「危ないッ!!」


立てかけていた材木が少女に倒れかかりそうなになった時、新太が叫ぶ。


「「「きゃああああ」」」


それを見た女生徒たちは一斉に叫ぶ。


「あれ?私生きてるの?」


しかし、皆が予想したのとは違う結末が待っていた。


「誰か!誰か手伝ってくれ!!」


新太が叫び、翔一が急いで向かうと、そこには足を木材に挟まれている赤髪の男子生徒がいた。

女生徒が木材の下敷きになる直前に赤髪の男子生徒が自分を犠牲にし、助けていたのだ。


「よしっ!もう少しね!」

「これさえどかせれば!」

「本当にごめんさいっ!」

「みんな行くよ!」

「「「せーの!」」」


新太の合図で数人の生徒が木材を持ち上げる。

その隙に翔一が木材から離れ、下敷きになっていた赤髪の男子生徒を背負って助け出す。

多少意識はあるようだが朦朧として危険な状態だ。

実は女生徒を助ける時に地面に頭を打ち付けていたのだ。


「さぁ!病院へ連れて行こう!ここから歩いてすぐだ!」


そう新太が言うと数人の生徒たちと共に翔一は男子生徒を背負い、病院へ駆けて行く。


ーー第7区大病院・緊急病棟


「染田先生!脳に大きな損傷が見られます!ここままでは....」

「何言ってる諦めるな!」


第7区大病院とは緑川高校と第7商業地区の間に位置するこの世界で7つある大病院のうちの一つだ。


「よし!脈も安定してきたぞ!」


手術が終わり外科室の扉が開くとそこには数人の生徒がいた。


「先生!彼の容態は?」




「彼はもう大丈夫だ。1、2時間でもすれば意識もあんていしてくるだろう。」


先生の報告を聞いて新太達は喜ぶ。


「ここは病院ですよ!お静かに!」

「まぁまぁいいじゃないか。そういえば、君達があの青年を運んでくれたんだって?ありがとう。私は染田、ここの医院長だ。」


彼はこの7区の病院の医院長をしている染田 闘志郎だ。

名前に反して多数の患者を救っており、正義感が強い。

現在ここ新都周辺は7区に区切られており、それぞれに一つの大病院が設置されているが、その中でも彼は飛び抜けた技術を持ち、他の大病院からも一目置かれている。


「先生!あの本当にありがとうございます!あの、えっと、私、あの人に...!」

「落ち着いて詩音。彼が起きたらお礼言お?ね?」


そう言ってなだめるのは詩音の親友である江田 紅音だ。

彼女は小学生の頃詩音と名前が似ているということで意気投合し、詩音仲良くなったのだ。

運動神経が良く、頭はそこまで良くないが面倒見が良い。

なだめられるのは村田 詩音、紅音と小中高が同じで内気だがとてもスタイルが良く、いわゆる巨乳だ。

運動神経は人並みだが、知識を多く持ち、そこらの高校教師よりも頭がいい。


「うん...。」


紅音になだめられた詩音は落ち着きを取り戻す。

先生と別れてしばらくしてから男子生徒の意識が戻ったと聞き、全員で面会に行った。


「助けてくれてありがとう。えっと、みんな初めましてだね。」


と男子生徒がいう。


「そんな!私こそ助けていただいて本当にありがとうございます!どうお礼をしたらいいか...」

「んーと、じゃあ体で?」

「えっ!そうですよね。それくらいしないとですよね。」


その瞬間、全員がベッドの上の男子生徒を見つめる。


「あっいやごめんね?冗談で言ったんだよ!結構軽い気持ちだったんだけどなぁ...。あはは...」


男子生徒は気まずそうにそういう。

すると翔一がフォローをするように、


「そうだよな!本気なわけないもんな!ほら新太もなんか言えって。」

「そうそう!その通りだよ!」


2人がぎこちなくフォローしたせいでさらに微妙な空気が流れる。


「今のはごめんね?じゃあこういうのはどう?俺が退院したらみんなでご飯でも食べに行こ!」

「それなら健全でいいと思うわ。」

「いいじゃん行こうよ!」

「行こう行こう!」


皆口々に賛成する中、本当にそれでいいのかと心配になる詩音を見て男子生徒は、


「嫌かな?」

「そんな!いやじゃないけど命を助けてもらったのにそんな事でいいのかなって...。」

「そんな事じゃないさ!俺はこのメンバーで飯が食いたいんだよ。」


そういう男子生徒を見て詩音は涙目になり黙ってコクリと頷く。

それを見た紅音は詩音の頭をポンポンと叩く。


「あっそういえば自己紹介してなかったな。俺の名前は古村 蓮だ。7区の端っこの方にある緑川第二高校の2年生で、好きなことは機械いじりだ!さぁ、みんなも自己紹介してくれよ。」


「じゃあ俺から行くわ───」


その場にいた5人全員が次々と自己紹介をして行く。

それから予定を確認し食事の約束を全員でした。


別の世界が動き出そうとしている事になど誰も気づかないまま...。


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