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一人、ゲームな魔術学園  作者: 結城 睦月
第一章 : 新年祭編
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第三十九話 メールの内容

今回は短いです……

 ピロリンという甲高い着信音が鳴る。


結晶端末(タブレット)が鳴ったぞ、取らないのか?」


 学科全員の連絡先は最初から全て端末に入っているため、エギルからメールが来ることだって有り得る。

 きっと殺してやる的な意味を含んだ、『決勝で待っていろ』という言葉が来ているんだろうと勝手に推測する。そんな迷惑メールを自分から読む必要は無い。放置するべきだ。

 だがただの推測に過ぎないため、オーギュストへの返答は別に用意する。


「メールだし後でもいいや」

「そうか?急ぎの用事だったら大変だと思うが」


 オーギュストからそう言われ、渋々ポケットから端末を取り出す。こいつは誰の味方なんだ。もしかして、エギルの誘いに応じた上で、俺に嘘をついてあざむこうとしているのか?


 ――ダメだ。考えれば考えるほど、人間不信になりかねない。


 結晶端末(タブレット)を取り出した流れで電源を付けると、画面がホログラムで浮かび上がる。

 メールを送ってきたクラスメイトを確認すると相手はエギルではなく、俺の妹のノアであった。

 やはり噂をすれば影がさすというのは、本人が登場する場合のみのことわざなのだろうな。

 俺は一人で焦り、一人で納得する。

 取り敢えずメールの内容に目を通す。



『お兄ちゃんまだ食堂にいるの?いつまで朝ご飯食べてるのさ。もう一回戦始まっちゃったよ?というかもうそろそろ決着つきそうだよ。早く来てよ』



 とのこと。

 そうだった。今俺は朝ご飯を食べにここに来たわけで、決して情報収集をするためにここに来たんじゃない。

 手に残るパンを口の中に詰め込み席を立つ。


「やっぱり急ぎの用事だったんじゃないか」


 笑うオーギュストに俺は片手で手刀の形を作り、簡略的に謝る。


「……んるいあ」


 口の中は詰め込んだパンでいっぱいになり、もごもごと何を言っているのか分からない状態である。『悪いな』と言ったつもりが、自分でも何と言ったのか分からないほどに。

 しかし文脈から判断したのかオーギュストは返答する。


「いいさ、早く行くといい」

「じゃあまた明日」


 言うと俺は背を向けてまっすぐ食堂の扉に向かって歩く。

 ノアたちがいるのは昨日俺達が戦った第一体育館へと急ぐ。もうすぐ決着がつきそうとはどの程度のところだろうか。瞬殺しているなら、メールを送っている間に倒しているかもしれない。

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