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藤村君と鈴村さん。  イケメン男子とその幼馴染  作者: るい
初デートは明日。
15/30

初デートは明日。①

お試し男女交際を始める藤村君と鈴村さん。


初デートのことについて考えていると、駆が説教しにきます。


ふたりの未来は明るいのか?

俺は藤村晴人。


17歳の正月にとうとう彼女ができた。


っていうかとうとうひなたを彼女にできた!




一歩前進だ!やったぜ!俺!





いや、ちょっと冷静になろう。


何かちょっと俺の気持ちが伝わりきっていないような気もしたが。


き、きっと気のせいだ。



なんだか動揺して頭がまわらない。


だ、だって


「よろしくね、彼氏さん。」


だぞ。


くーーーーー。



俺、ちょっとキャラ崩壊だ。





冷静になって今後の事を考えなければ。



まずは初デートだ。


コタロウの散歩はデートとは言わないよな。


早くしないと緊張しすぎるから、できれば明日にでもデートしたい。


最初はまず、映画かな。


今話題の白いロボットの外国アニメぐらいがいいか。ひなたも見たいって言ってたし。


キ、キスシーンとかあったら困るから、まずはアニメだな。うん。



「よかったら映画行にいかないか?」


「ハル君、何見る?」


「白いロボットの外国アニメとかどう?ヒナ、見たがってただろ?」


「いいね!楽しみ♪」


なんてふうになるだろうか。


「え?映画デート?普通だね。」


って言われたらどうしよう?


普通じゃだめなのか?


だって高校生の初デートって言ったらそんな感じだろ?


映画見てお茶して・・・ってまあ、付き合ってない頃も同じような事してたけど、幼なじみなだけと付き合ってるってのは全然違うよな。うんうん。


で、次は図書館デートだろ、水族館とか遊園地も行きたいだろ、プールもいいよな。水着が・・・。


いやいや。落ち着け。


あ、自転車で二人乗りもしたいよな。ツーショットプリクラも撮りたいし、夜景みたりとか。


んで、いつかはテーマパークにお泊りデート・・・。



やばい。


嬉しすぎて死ぬ。




いやしかし、俺の幸せは今のところバレンタインまでだから1か月半ぐらいしかない。


それまでに


「ハル君が彼氏っていいかも!」


って感じになってもらわないといけないんだ。


バレンタインまでのお試し期間を終了して本当の恋人同士にならないと。



だいたい俺、何も経験がないんだ。


ずーーーーっとひなたに片思いしてたし、他の女子とどうこうなんて全く考えられなかったし。


俺は何でも完璧にこなしたいのに。


予習はどうすればいいんだよ。


女性のホンネ特集とか、誰にも聞けない男女のお悩み特集とかの雑誌もいろいろ読んだし、女性の心を掴むハウツー本とかも読んだけど、何となくピンとこなかった。何を読んでも一般論はそうかも知れないけど、俺のひなただったらこういう風には考えないんじゃないか、と思ってしまった。


映画とかドラマも本来ならばあまり興味はないけど、男女交際の流れとか、カッコイイとされている男の行動とかがわかるかと思って一生懸命見た。見たけど、まあ、やっぱりどれを見ても俺とひなたじゃないんだよな。



ちょっと前、ひなたと一緒にテレビを見てて、壁ドンの話になったから、


「やっぱりひなたも憧れあるの?壁ドン。」


って何気なく聞いてみた。


「うーん。まあ、好きな人だったら・・・。あー。でも、好きな人っだったらドンってしないでやさしく抱き抱きしてくれるほうがいいな。壁ドンって音で威嚇して相手と距離を詰めて逃げられないように追いつめてるんだって。そういう人、好きになれない気がするんだよね。」


「・・・そうだよな。」


「ハル君は?」


「は?」


「好きな女の子に壁ドンされたい?」


「いや、俺、男子だし。」


「だし?」


「女子に壁ドンはされたくないだろ。」


「そういう強引な女子もありなんじゃないのかなあ。」


「いや、俺、身長180超えたし。身長差を考えたら物理的に無理だろ。」


「んー。じゃあ、好きな女の子に壁ドンしてみたい?」


「いや、俺は。まあ、やさしく抱きしめて気持ちを伝えたいよ。」


「そっかー。やっぱりハル君は素敵だねえ。」



って言ってたな。


お、俺、素敵って言われたな、そう言えば。いや、今はそこじゃない。


ひなたをやさしく抱きしめて「好きだよ。」とか、超言いたい。超恥ずかしくて言えないけど。


少なくとも、壁ドンするような男よりは、やさしく抱きしめるような男がひなたは好きだ。




とりあえず、明日、コタロウの散歩が終わった後に映画に誘ってみよう。


などと考えていたらラインの着信があった。


駆だ。


何だ?ひなたから何か聞いたのか?


誰にも内緒って言ったのに。


・・・・・だめだ、ニヤついてしまう。


「今、部屋にいる?」


「いるよ?」


「すぐ行く。」



お?何だ?


駆はすごい勢いで俺の部屋のドアを開けると、浮かれる俺に説教を始めた。








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