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藤村君と鈴村さん。  イケメン男子とその幼馴染  作者: るい
初詣でイケメンは大吉を引く。
14/30

初詣でイケメンは大吉を引く。③

この話で 初詣でイケメンは大吉を引く。は終わります。

「俺たち、付き合わないか?」



腰が抜けるかと思った。



「え?」


「お試しで。」


「え??」


「ヒナが嫌なことは絶対しないし。」


「・・・する訳ないよね、ハル君が。」


「・・・。いや、まあ、その・・・」


「?」


「誰にも内緒にして、ヒナに嫌な思いもさせないし。」


「・・・・・。」


何だか思考が停止してしまった。


えーっと、つまり、私が好きだから付き合いたいっていう話じゃなくて、男女交際を試してみたいっていう話なのかな?



男女交際を試すにあたってキスとかそういうことはしないって事?


誰にも内緒にすれば「どっちが告白したの?」とか、「なんで別れたの?」とか言われなくてすむし・・・って事かな?



ちょっと整理できてきた。


「えーっと、それって今とどう変わるの?」


「・・・。とりあえず、二人きりの時は男と女として接するとか?」


ハル君はもごもごしながら言った。


「うーん、難しいね。」


「・・・難しい?」


何だかハル君は今日声が小さい。


「だってハル君はハル君だし。」


「俺の事男としては見れないって事?」


「・・・ハル君は私の事、女の人として見れるの?」


「見れるよ。す、好きだし。」


「そりゃあ私もハル君の事は好きだけど。」


この場合の好きはLOVEじゃなくてLIKEの話をしてるんだよね。


「幼なじみっていう私たちの関係はどうなるの?」


「それは変わんないよ。」


「変わんないの?」


「幼なじみで彼氏と彼女。そういう関係もあるだろ?」


「お試しで?」


「だって、ヒナ、好きって気持ちよく分かんないんだろ?」


「・・・うん。」


「だからお互い試してみるのがいいんじゃないかって。」


あ、そうか。


ハル君は男女交際を試してみたくて、私の恋愛音痴も何とかしてくれようとしてるのか。


ハル君にとっても私にとっても悪い話じゃないよね。


でも、今、ハル君が好きな人の事はどうするんだろう?


「お試しってどれくらい?」


「とりあえず、バレンタインデーまでぐらいでどう?」


そうか、バレンタインデーにその人から告白されるかもしれないもんね。


「男と女として接するって私できるかどうか分かんないけど・・・。」


「俺だって分かんねーよ。」


「あ、そうだよね。それを理解するためのお試しだもんね。」


「まあ。」


「毎日メール30本以上とか言わないよね?」


「言わねーよ。」


「お試し期間中に本命から告白されたらどうするの?」


「誰の?」


「え、だから、ハル君の。」


「・・・。」


「?」


「お互いこのお試しが嫌になったらすぐに申告する。」


「っていう事にするのね。むむう。」


「もちろん、問題点があったら二人で話し合う。」


「うん、そうだよね。」


「試してみる価値はあると思うんだ。」


「うーん、まあ、そうかな。」


「じゃあ?」


「いいよ。」


「まじで?」


「うん。」


「・・・。」


「よろしくね、彼氏さん。」


ふざけてそう言ったらハル君が顔を背けた。


背けた顔の耳が赤くなっていた。




初詣にイケメンは大吉を引く。



大吉で勢いづいたのか、ハル君は思いもしない行動にでた。


お試し男女交際。


なんだかよくわからないけど、ハル君となら楽しくできるかもしれない。


少しの不安とそれよりちょっと多めの期待。





頑張れ、私。



私の毎日はちょっと変化をみせつつまだまだ続く。


















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