表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
藤村君と鈴村さん。  イケメン男子とその幼馴染  作者: るい
カウントダウンは3人で。
11/30

カウントダウンは3人で。②

カウントダウンは3人で。はこの話で終わります。

駆の目的は勉強じゃなかった。


「晴兄、いつ告白するの?」


「!!」



すげえびっくりした。



「な、なんだよ、突然。」

「いや、そういう話したことなかったと思って。」

「まあ、ないけど。どうしかしたのか?」

「俺さ、クリスマスに告白してさ。」

「あ??」

「OKもらったんだけどさ。」

「ああ??」

「どういうもんなのかと思ってさ。」

「・・・何が?」

「俺の家族に話すタイミングとか、次のデートの段取りとか。」

「駆、お前。」

「ん?」

「俺に彼女がいないの知ってるよな。」

「知ってるけど、晴兄なら常識とかデータとか調べてそうだし。」

「・・・。」

「シュミレーションとかはしてそうだし。」

「・・・。」

「相手、姉ちゃんと同じ年だからさ、俺の友だちに相談するより晴兄に聞いたほうがいいかと思って。」

「俺の同級生?」

「そう。」

「誰?」

「サッカー部のマネージャーの斉藤さん。」

「斉藤?」

「姉ちゃんと同じクラスの斉藤莉帆子さん。」

「ああ、あの背の小さい。」

「もうちょっと他の言い方があるだろ、晴兄。」

「俺に顔の感想は期待するだけ無駄だぞ。」

「まさか、斉藤さんの顔、思い出せないの?」

「ああ。」

「・・・マジか。1年生の時、晴兄と同じクラスだったって言ってたぞ?」

「そうだったな。」

「それは覚えてるんだ。」

「名前覚えるのは苦手じゃないからな。」

「じゃあ、他には何を覚えてるの?」

「だから、背が小さい。」

「それ以外は?」

「・・・。」

「かわいらしい、とか、性格がいい、とかは?」

「それは個人の感想だろ?」

「そうかなあ。」

「そうだろ。」

「・・・。まあいいや。それでさ、彼女、姉ちゃんと同じクラスだからさ、とりあえず、姉ちゃんには早めに言ったほうがいいかなあと思ってさ。」

「ヒナに相談しないで告白したのか。」

「してないよ。そんなもん、恥ずかしい。」

「そんなもんか。」

「だって、晴兄だって陸兄に恋愛相談なんてしないだろ?」

「しねえよ。」

「だろ?でもさ、新学期始まったら姉ちゃんの耳にも入るかもだろ?」

「だな。」

「で、初詣に誘おうかと思ってるんだけど。」

「俺たちと4人で行くってことか?」

「ちがうよ。二人で行くんだよ。」

「お、おお。」

「初詣、毎年姉ちゃんと一緒に行ってたろ?だから、その前に言っとこうかと思うんだけど。」

「おお。」

「俺、合ってる?」

「常識的に?」

「うん。」

「多分。」

「・・・多分かよ。」

「だから、俺に相談て間違ってるだろ。」

「でさ、晴兄、どうするの?」

「あ?」

「告白、しないの?」

「・・・・・。」

「初詣、二人で行けるんだから、チャンスだろ?」

「・・・・・。」

「俺の彼女できた報告と晴兄の告白のタイミングを合わせたほうがいいかなあ、と思って相談にきたんだ。」

「駆、お前、俺の好きな人が誰かわかってるんだな。」

「うん。」

「いつから?」

「え?ずっと前から?」

「何で?」

「は?」

「何でわかった?」

「何でって、気付いてないの晴兄と本人だけじゃない?」

「そ、そんな事ないだろ。」

「そりゃあ、晴兄、あんましゃべんないからホントのところどうかな?って思ってる人も多いだろうけど。少なくとも小田先輩はずっと前から言ってたよ?」

「翔真が?何て?」

「晴人は姉ちゃんの事好きだけど、付き合える日は来ないかもな、って。」

「あの野郎。」

「もう、そろそろはっきりさせる時だと思うけど。」

「・・・・・。」

「来年は受験で忙しいだろうし、大学は絶対別々でしょ?そしたら今だって。まあ、晴兄の事だから当然考えてるだろうけど。」

「・・・・・。」

「俺、協力するからさ、俺の事にも協力してよ。ね?」

「・・・考える。」

「よし!じゃあ、俺も初詣デートの段取りしないとだし、これから練習もあるし。またね。」

「お、おう。」


駆は言いたい事を言い、慌ただしく俺の部屋から出て行った。



色々驚いて呆然としていたら、駆からラインが入った。


「そうそう


俺、晴兄がホントの兄貴になるのは大歓迎。


頑張って!」



そうか。


よかった。





いや、そうじゃない。


駆にばれてたとは。


挙句、翔真にダメだしされてたとは。



ありえねえ。



小田 翔真しょうまは俺とひなたと保育園からいっしょの腐れ縁の男。


ひなたとも幼なじみ面する不届き者。


勉強の成績はイマイチだが運動に関しては俺の手強いライバルだ。


背も高くないし、顔の作りも普通だが、人懐っこい性格のおかげか、チャラい性格のせいか、中学の時にはもう彼女がいた。


唯一俺に勝てた事に大喜びした翔真は何かにつけて俺にその事を自慢していた。



しかし、翔真にまで俺がひなたを好きな事がばれてたなんて。


挙句、ひなたの弟に「晴人はひなたの事好きだけど、付き合えないぜ!」とかなんとか言ってたなんて。


翔真め、今度会ったらただじゃおかねえ。



なんか、色々ショックだ。



いや、落ち込んでいる場合じゃない。



とうとう千載一遇のチャンス到来だ。



もう、この際、駆にばれてた事も翔真にダメだしされてた事もどうでもいい。



ひなたに告白する日は初詣に行く1月1日に決まった。



カウントダウンは3人で。



断る隙を作らせず、初詣に二人で行く。



勝負はその後だ。



頑張れ、俺。



俺の青春はとうとうターニングポイントを迎えてまだまだ続く。

















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ